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起業してから事業売却するまでの道のり

時代はレコードからCDに置き換わるバブル期。音楽好きが高じて買い集めたレコードをフリーマーケットで売却したことをきっかけに大学在学時に再販ビジネスへ参入。

POSシステムの開発からチェーン展開まで推進し、アメリカの大学への編入をきっかけにビジネスを事業売却。

卒業後のファーストキャリアはアメリカにおける音楽業界でのイベントプロモーションを皮切りに、90年代後半には日本でのシネマコンプレックス導入を牽引。

その後は大手ビールメーカーでマーケティングに従事、ワインメーカーとのTOBがきっかけでワイナリー経営を志向する。

アメリカのポートランドで経験したワインの祭典で、マーケティングへの考え方にすっかり魅了されてしまい、40歳で起業を決意しました。

そこでワイナリーを始めるために、京都府の長岡京市にて事業を開始しましたが、右も左もわからない中で自分にできることといったら、商品を売ることだけだったので、最初は農家さんに栽培方法を教えてもらう代わりに、農家さんの野菜を売って生計を立てていました。

この時に思ったのは「野菜が持つ、ストーリーも伝えれば付加価値になる」ということでした。

今の時代には当たり前になってきていますが、まだ当時は珍しく、良い販売先にも巡り合い、おかげ様でたくさん売ることができました。

しかし、この活動を通じて「農業という業界」が抱える様々な課題に興味を持ちはじめることとなり、ワイナリーは自分の中でペンディングとなりました。


農業を始める

その後は農業生産法人として、京野菜の栽培を中心にリスクヘッジと周年収益化のため、多品種栽培を開始しました。

その一環で取り組んだ京都の伝統野菜「万願寺あまとう」の栽培において2013年には、丹の国農協管内(京都府福知山市)で最大収量という実績で優秀賞受賞もいただきました。

翌年から2年連続で管理圃場が台風の影響で濁流に呑まれるなど、甚大な被害を受けながらもポートフォリオ経営により、増収増益を達成してきています。

農作物を栽培する方法を何も知らない素人でしたが、京都府の担い手「認定農家」にもなり、自分もやっと農家になれたのだなと感慨深かったことを覚えています。

これもスタッフをはじめとして、周りの方々のご支援による賜物で今でも感謝しかございません。

これらの経験を「アグリハック」をキーワードに、農業経営のノウハウをまとめた著書をアマゾンで販売しています。​

また、調理用トマトやサツマイモの栽培においては取り組みから2年目で西日本において最大の出荷量を記録し、全国で講演などもおこなっています。

本拠地の移転とロシアでの合弁事業、そして酒蔵経営

本拠地を兵庫県丹波市に移し、酒米(山田錦)の栽培を本格化させて、酒蔵の経営にも参画するようになり、ロシア・ウラジオストクにおいて合弁企業運営など手がけるようになりました。

HACCP・ハラールに対応した加工施設の立ち上げ

この頃、京都府ではイスラム教を信仰するインバウンドにおける食需要に応えれていなかったため、HACCP・ハラールの食品加工センターの立ち上げを行い、2014年には農林水産省フードアクション・ニッポンアワード優秀賞をいただけるまでに成長することができました。

デザイン会社と生産者団体の立ち上げ

その後は、自社商品のブランディング化を進化させるために、包材開発や包材デザインするため、地元のデザイン会社を買収しました。

生産者団体を立ち上げたタイミングで東京のベンチャーキャピタルとジョイントベンチャーを作って、加盟農家の野菜をブランディング化・包材デザイン・ラベルデザイン、ホームページ制作、Eコマースをおこなう法人として活動を開始しました。

運送会社の買収と台湾でのジョイントベンチャー、そして貿易業の開始

この生産者団体の立ち上げと同時に、地元の運送会社を買収し、自社物流網を構築することで量販店センターへの直納を手がける事業も開始しました。

また、台湾においてもジョイントベンチャーを立ち上げて、加工食品を開発して日本への輸入を開始、日本の農作物・加工食品も輸出し始めたりもしました。

2015年8月には、台湾の太平洋SOGOにおいて、日本全国から集まった特産品展示即売会において最終3日間連続で売上1位を記録するなど、商品力にも自信はありましたが、マーケティングの勝利を確信しました。

紆余曲折、向かう先には

この間で地域活性化という行政との仕事で様々な地域で、色々な人たちとお仕事をさせていただき、宿泊施設やレストラン、学校法人の経営などにも参画するようになり、若い世代とも関わる機会が増えました。

自社でもインターンを受け入れていく中で、次の世代へのバトンをどう渡していくのかを真剣に考えるようになりました。

地方には事業継承や地域交通の課題など、都市部とは違う課題を抱えていますし、もっと広い視野で考えても「環境」という側面においても課題は山積しています。

経営の根幹は人材であり、地方での課題を認識させた上で、活躍の場を提供したり、仕事へのやりがいを広めていきたいと考え、地方で起業やキャリアを考える社会人のために「コト起こしみらい塾」を開講しました。これが現在の「言の葉を綴じる杜」の活動に繋がっています。

この取り組みの中で開発した商品が、「挑む、繋ぐ、味わう」をコンセプトに大手百貨店、流通、外食事業者などが審査員を務め、国産農林水産物魅力を生かした優良な産品を選定する農林水産省フードアクション・ニッポンアワード究極の逸品入賞 2016年を受賞することができました。

そこから某上場企業から出資を受けたことをきっかけに、コンサルタントとして、海外におけるアグリ事業運営(農場経営)を受託し、そのまま会社を売却するということになりました。

俯瞰の目で見れば会社も商品ですから、売ることに抵抗は全くありませんでしたし、雇用に責任を持つ重圧から開放される安堵感の方が大きかったというのが正直な感想でした。

とにかく起業してから売却するまでの約7年間、すごく忙しくて、すごく失敗して、すごく成長した期間でした。

その後は、売却先の企業でアグリ事業、輸出入の通関業務、M&Aを担当し、独立後は企業のIPOや新規事業の推進、中期経営計画、ビジョン再構築など多岐にわたる活動を展開。

並行してコロナ禍まで、内閣府直下の組織である地域活性化支援機構(REVIC)においてファンドマネージャーとして活動。

今では、Research Concept Design Consulting Inc.(RCDC)のCEOとしてIPOサービスチームを牽引するとともに、資金調達の専門家として映画のプロデュースにも携わりながら、PEファンドの運営や就活塾の講師としても内定率100%の実績を持つ。

ファンドマネージャーとして日本に軸足を移し、知財・環境コンサルや醸造・栽培コンサルとして活動しており、週末は海辺でのんびり過ごし、狩猟期は山でハンターしています。

これからこのnoteでは、地方で起業やキャリアを模索したり、環境課題の解決に情熱を注ぎたい人のためにヒントとなる情報発信をさせていただきたいと思います。

その過程で事業への資本参加や運営のお手伝いもさせていただく機会に恵まれましたら幸甚に存じます。

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※ガバナンスの観点から、個人・法人ともにSNSは積極的な運用は行っておりません。ついてはChatworkを使ってコンタクトしてください。

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