京葉線東京駅

終電一本前、下りのエスカレーター。振り返ると後ろには誰もいない。さっき歩いていた床はすでに自分より頭が高い。今まで意識せず過ごしていた幸せが次第に遠くなり、最後には手に届かないどころか全く視界には入らない。酔った視界とってこのベルトの出口は点に見える。階数だと地下4階だろう。流れに身を任せればどうしても元いたフロアを見ることはできない。元カノから誕生日プレゼントで貰ったAirPodsからはローリンヒルの枯れるようなベースラインがこの一本道を歓迎してくれる。四半世紀の我が人生はこの下り40秒程で完結してしまうようだ。

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