『すべてがFになる』の感想 理系ミステリの金字塔‼

『すべてがFになる』は犀川創平と西之園萌絵が主人公であるS&Mシリーズの第一作です。
犀川創平は大学の助教授であり西之園萌絵はその教え子であるため、会話の節々にあるインテリを感じさせる言い回しがつい癖になり読み進めてしまいます。


あらすじを紹介するその前に、皆さん天才は好きですか?

このシリーズには数多くの天才が登場します。例えば、西之園萌絵は4桁同士の掛け算を瞬時に計算し、チェスの盤面を記憶して対戦することができます。いわゆる天才です。
そんな彼女がワトソン役になり、探偵役の犀川創平が彼らに引けを取らない頭脳を持つ犯人と対峙する。これがこのシリーズの醍醐味となっています。

そしてシリーズの中で最も天才だといわれているのが第1巻『すべてがFになる』で登場する真賀田四季です。

『すべてがFになる』の舞台になっているのは孤島の研究所。真賀田四季は少女時代から研究所内の隔離された部屋で生活していました。ある時、孤島の中の隔離された部屋という2重の密室である彼女の部屋からウェディングドレスをまとい、両手両足が切断された死体が現れます。
偶然にも島に訪れていた犀川創平たち研究室メンバーは事件に巻き込まれ、この不可能にも思える密室殺人の謎に挑みます。


感想
理系ミステリの金字塔‼という宣伝文句に惹かれ、かろうじて理系の学部に通っている自分にも面白く読めるのではないかと思い読んでみました。登場人物がたびたび披露する天才っぷりにワクワクしつつも、ストーリーの核となる謎とトリックはものすごく本格的で理系や文系問わず満足できます。真相が近づくにつれ増す緊迫感も、解決編で訪れる衝撃も本格ミステリに引けを取らない威力を持っています。
あなたが物語を読み進め、タイトルの意味が分かったとき底知れない頭脳に放心すること間違いなしです。


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