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退院から2か月

11月6日に入院して11日に退院したから、退院して2か月。9週間が過ぎた。
整形外科なら日にち薬で、9週といえばほぼ完治、元通りという頃合いだが、脳梗塞は甘くない。

年末から始まった腰痛がいまだ癒えない。長時間座っていられないから、なかなかパソコンに向かえず、長文が書きにくい。この投稿は書こうと思ってからすでに3日、進まずにいる。すぐに疲れて昼寝して、散歩して、また疲れて滑舌が悪くなる。集中するのが面倒になる。

発症直後の興奮状態が落ち着いてきて、平常に戻ってきているのだなと思う。日々、進歩しているように感じていた歩ける距離も疲れない時間も、日によって長かったり短かったりしている。たぶんこれが平常モードだ。

前向きに、明るく向き合ってきたつもりだった病気も、時々憎たらしい悪魔に見えてくる。

それでも、以前ほどタバコを思い出さないのは進歩かな。禁煙は完全にできたっぽい。命がかかると覚悟が違うみたいだ。

あ、そうだ。今週の振り返りということで書き始めたんだっけ。

あずさの車窓から


9日に実家から東京に戻ってきた。
駅まで送ってくれた義妹と電車が来るまでの時間、ホームで話すのがお約束のようになってきている。
義妹は家ではあれこれ忙しくて、なかなかゆっくり話すという感じにはならない。それでも今年は一緒に麻雀に興じたりした。 
年々弱ってきた母について少し話し合えて良かった。普段は全部任せきりで申し訳なく思っている。

茅野を過ぎ、県境が近づいてくるとあずさの窓から富士山が綺麗に見えた。
年末は満席だったけれど、9日ともなると車内はガラガラ。新宿まで隣の席には誰も来なかった。

少し体を動かせる余裕があって、腰がだいぶ楽だった。思っていた以上に2時間半の移動が体に堪える。

Kが新宿駅まで迎えにきてくれるというので久しぶりに西口から出た。改札を出る前も出てからも改修工事の嵐で驚いた。

あまり出歩がなくなったので、出かけるたびに迷子になりそうな気分になる。
東京は日々変化し、日々成長し、増殖している。綺麗にオシャレに便利になっている。流れ、うつろい続ける街が大好きで東京に固執していたのに、気がつけば置いてけぼりになっていないか? どこかよそよそしく他人行儀な街が広がっている。

そういえば故郷に向かう電車に乗るために新宿駅に向かった時も、見慣れぬトンネルを潜ったら、南口に向かっているつもりが東口方面に出てしまい、混乱してしまったな。

代々木から渋谷を過ぎ、広尾あたりまで戻って来ると帰ってきたという気分になる。昔、この道をバスで行き来して、このあたりに住みたいななんて思い描いたこともあったな。あのころの底が抜けたような心許なさを思い出しながら、わたしはちゃんと20代の頃のささやかな望みを叶えたんだと再確認する。

帰り着くと、秋の終わりに植えたチューリップの球根がベランダで小さな芽を出していた。

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