「花腐し」 女優 さとうほなみの魅力
男女の性愛を描くのに長けた荒井晴彦監督の演出によって、さとうほなみの輝きがスクリーンに照射される。モノクロの画面に心中してしまった祥子が、雨に腐る情けない二人の男の記憶の中でカラーの画面で生きた女としてよみがえる。荒井監督の好きな大滝詠一「君は天然色」の歌が効果的に使われている。
「顔、ぶたないで。私、女優なんだから」薬師丸ひろ子「Wの悲劇」の台詞が引用される。「ヒミズ」の二階堂ふみや「タイトル、拒絶」の伊藤沙莉のときと同じように、私はこの映画で女優さとうほなみを発見した。