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アパートを売却する時、入居者には建物引渡しが完了するまでオーナーが代わることを知らせないことが一般的です。

理由は入居者が不安になって退去するか、逆に入居者に賃料値下げの材料にされる場合があることです。

銀行の融資を受ける場合など、売買契約締結日から引渡日までタイムラグがあるときは、入居者に変動がないに越したことがないですが、変動があることに備えて次の特約条項を売買契約書の条文に追記します。

「①買主は引渡日までに各賃借人の賃貸借契約に変動があっても、売主に対して違約及び解約、売買代金の減額請求等何等異議・苦情の申立てはできないものとします。」

「②また、本契約締結日以降に賃借人から解約通知があった場合、退去時の室内原状回復及び敷金清算返還義務は、引渡日までは売主、引渡日以降は買主が室内原状回復及び敷金清算返還義務を継承するものとします。」


中古アパートの場合、建物や付帯設備が経年変化のため自然消耗・老朽化していることが多いのと、入居中の部屋はプライベートの問題で、室内設備の確認ができないので
「③建物および付帯設備の売主の契約不適合責任(民法改正前の瑕疵担保責任)は免責とし、付帯設備確認表は交わさない」旨の特約条項も必須です。

いずれの特約も買主の同意が必要です。

各入居者より敷金を預かっているときは、売買代金とは別に買主に継承するのが通例です。引渡し時のお金のやり取りを減らすために、預かり敷金は売買代金から相殺するとよいでしょう。

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