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準備で経験値は変わるという話

こんにちは。
診療放射線技師のだーはらです。

今回は、スキルアップに関するお話です。
私は診療放射線技師として10年以上勤務する中で、多くのことを学んできましたが、30代に突入してからは、スキルアップというものに特に力を入れてきました。

今回は、しっかり準備をすることで、同じ仕事でも得られる経験値が全く違うというお話をしていきたいと思います。
今回は診療放射線技師向けの内容となりますが、別の職業の方でもスキルアップを目指して日々頑張っているという方は最後まで読んでいただけると嬉しいです。何かヒントになるものが見つかるかもしれませんよ。
もし質問等あれば、お気軽にコメントしてください。

準備をすることを習慣化する

診療放射線技師の検査業務には、“予約検査“と“当日オーダーの検査“の二種類があります。
CT検査やMR検査、核医学検査は予約検査であることが多いですね。
あなたは検査を担当する時、予約検査に対してどれくらい準備をしますか?
もし準備を全くすることなく検査に臨んでいるのであれば、今日からは必ず準備をするように心がけましょう。
では、どのような準備をするのか解説していきます。

検査依頼内容の確認

まずは検査依頼内容を確認します。
検査部位と目的に相違がないか。
検査問診票や同意書の内容に不備はないか。
禁忌事項や要確認事項はないか。
事前に確認しておけば防げる事故も多いので、必ず確認するようにしましょう。

過去の検査歴と過去画像の参照

次に同一部位の検査歴の有無を確認し、過去画像があれば必ず参照します。
画像診断において過去画像との比較はとても重要です。
病変が見つかった時、ちょっと気になる場所があった時、まず確認すべきは過去画像がどうなっているかです。
MPRやVRが作成されているときは、その断面や作成の内容を確認します。
検査歴と過去画像は必ず確認しましょう。

検査体位の確認

画像を確認したら、検査時の体位を確認します。
特に単純X線撮影では、立位と臥位で意味合いが大きく変わります。
CTやMR検査では基本的に仰向けに寝ている状態で検査が行われていますが、稀に医師の指示で横臥位や腹臥位の検査をしている場合や、拘縮により可能な体位が決まっている場合があるので、事前に確認しておくことが重要です。

どのようにして準備をするのか

では、具体的な準備の方法として、私が実践している方法を紹介します。
私の実践している方法は、PCのメモ帳機能を使用して“検査メモ“を作成する方法です。
電子カルテ端末のメモ帳機能やワードパッド機能を使用できれば作成可能です。
検査装置が決まっている場合などは準備し易いですね。
①テンプレートを作成
テンプレートは、
・誰の検査かわかるもの(イニシャルなど・名前はNG)
・検査部位
・過去画像の有無・直近の検査日時
・必要であれば検査体位
・気をつける点・工夫したい点など
といった感じで記録したい情報を記入する欄を作っておきます。
テンプレートを作成する事により、記入する内容のルールを決めると、記入がとても楽になります。
テンプレートが完成したら、毎回コピーしてその日の検査メモを作成します。
②前日又は検査開始前の時間に記入を行う
忙しさや体調は日によって違うため、義務感を持ってやるのではなく、自分の可能な範囲で検査メモを入力していきます。
最初は気になる検査やチェックしておきたい検査のみでもいいと思います。
検査メモのタイトルは日付などにしておき、すぐに閲覧できるようにしておきます。
③撮影の際には検査メモを確認しながら行う。
④検査後は、検査メモに気づいた点・工夫した点などを追記する
検査が終わったらその検査について気づいた点や、自分で工夫した点・気になった点などについて追記します。
⑤読影所見と照らし合わせる
CTやMR検査では放射線科医の読影所見が閲覧できるので、撮影した画像がどのように読影されたかを必ず確認しましょう。
放射線科医に質問ができる環境であれば、気になった点があれば質問するようにしましょう。

以上が、私が行なっている準備の流れになります。
私は普段から放射線科医と話す機会を持つようにし、気になったことは質問するようにしています。
このように検査メモを準備しながら検査していると、準備を行うことが習慣化され、1日の流れの中で自然と検査準備を行う時間を作ることができるようになります。
一度試してみてはいかがでしょうか。

準備が検査の経験値をアップさせる

学生の頃“予習と復習“をやるように教師から指導されたことはありませんか?
検査メモの作成は“予習“、検査後に読影所見を見ながら“復習“する。
学生の頃の勉強と同じ流れで効率的にスキルアップすることができます。
同じ検査を経験したとしても、その検査で得られる経験値はやり方によって大きく異なります。
目の前にある検査をただこなしていくだけでも、もちろん経験値を得ることはできます。作業に慣れれば検査のスピードは上がっていくでしょう。
しかし、スピードがある程度まで上がれば、そこから求められるのは“質“へと変わっていきます。
“検査の質“を高めるには多くの経験値を得るしか方法は有りません。
一つの検査から、少しでの多くの経験値を得るには、事前に情報を集め、検査画像と比較し、自分なりの創意工夫を繰り返す必要があります。
準備として“検査メモ“を『作成すること』、検査の前に『確認すること』、検査後に『復習すること』
この三つの工程が必ず経験値をアップさせてくれます。
あなたのスキルアップには、“準備“が第一歩となります。

最後に

今回は、スキルアップのためには事前の準備が重要というお話でした。
検査に限らず、仕事の速度は仕事をこなしていれば自然と早くなっていきます。
しかし、その先に求められるのは仕事の質です。
仕事の質を上げていくには、より多くの経験値を積むことが何より重要です。
同じ仕事量をこなしながら効率的に経験値をアップさせるには、一つ一つの仕事から多くの経験値を得ていく必要があります。

診療放射線技師が行う検査という業務に関して言えば、事前に準備をしておくことで、予習復習により多くの経験値を積むことができます。
また、準備の際に得られた情報により、検査方法を十分にシミュレートすることができるため、結果的に事故を減らす事もつながります。
朝に行う5分の情報収集が、あなたの経験値を高めます。

あなたのスキルアップのために、そしてより良い検査のために、準備を頑張ってみてください。応援しています。

今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
質問等があれば、ご気軽にコメントしてください。

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