主催者対象研修会を開催しました
ルーターズは「福島のスポーツボランティアを普及、育成し、ささえるスポーツを新しい文化として社会に根付かせる」という壮大なミッションを持っています。
「文化」となるには、すべての人とはいかなくても、多数の人がこれを知り、体験し、面白い、またやりたいと感じなければなりません。それは、ボランティアだけが頑張ってもできるものではありません。
私たちはここ数年、「主催者を対象とした研修会」を開催しています。ちょっと偉そうな感じがしてしまいますが、ボランティアとスポーツイベント主催者がWINWINの関係になるのに、大きな効果があると感じています。
今年の研修会は、はじめて「講演会とパネルディスカッション」という形式で行いました。
講演は「東北風土マラソン&フェスティバル」を主催する竹川隆司氏。そして、パネルディスカッションには、「ゲレンデ逆走マラソン」の提案者であるホテルリステル猪苗代の佐藤勇一氏、そして㈱ももがあるの齋藤由芙子氏にご参加いただきました。
手前味噌になりますが、これはなかなか豪華ラインナップだったと思います!
竹川氏は「マラソンで東北と世界をつなぐ」という大会ミッションを掲げ、起業家らしくビジネスの手法を取り入れた運営を多くのボランティアとともに行っています。単なる「ランナーのための大会」ではなく、老若男女、マラソンを走る人も走らない人も楽しめるしかけをちりばめ、参加者は5年で5倍にもなりました。参加費と協賛金を主な収入源とし、なんと助成金は使っていないそうです。
参考にしたのは、自身も参加しているフランスのメドックマラソン。地域の美味しい食材そして特産のワインを味わいながら走るマラソン大会で、8000人のランナーに対し家族や友人など3万人以上の来訪があり、30億円以上の経済効果が地域に対してもたらされるそうです。そして、30年という月日を経て、メドックというブランドが、世界に認識され、商品価値が上がったということです。
パネルディスカッションにご参加いただいた㈱ももがあるの齋藤由芙子氏は、福島の完熟桃が風評などで廃棄されるのを「もったいない」と商品化、また「桃の漬物」など個性的な商品を開発し、東北風土マラソン&フェスティバルにも毎年提供し、多くのランナーに喜ばれているそうです。スポーツとの相性の良さが、ブランド価値を上げることになりそうですね。
福島には、同じように震災後始まり、そのユニークな発想と個性で確実にリピーターを獲得して話題となっている「ゲレンデ逆走マラソン」があります。ルーターズのボランティア活動の中でも大変人気のある活動です。それは「ボランティアにも楽しんでもらう」ことが徹底されているからではないでしょうか。一緒に大会を作り上げる仲間、という佐藤さんたちの感覚がボランティアにとって心地よく、頑張ろう!という笑顔につながるのだと思います。
竹川さんも、大会の前には「100軒くらいの家を回って話す」とおっしゃっていました。
やはりそれだな!
そういう「気持ち」はボランティアに伝わるのです。
この人を助けたい、喜んでもらいたい。そう思うのです。
しっかり、種をまき、そして手をかけ、コミュニケーションを取りながら、育てていく。
その丁寧で、心のこもった方法が大会を作り上げ、地域を元気にし、ブランド効果や経済効果をもたらす。特別簡単な道などないのだ!
あたりまえのことを確信して、私たちボランティアも元気になることができました。
素敵な研修会となりました。
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