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「薄い朝」

もうこれで何回目か分からなくなった
宮下くんとのLINEは、やっぱり現実に残っていた
それで、どうするの?実行するの?しないの?
正直、彼の本気度がどれくらいか分からない
そもそも、ワタシの人生の本気度も分からない
スズメが鳴いている
トラックの音が聞こえる
なぜ皆はあんなにも幸せそうなのか分からない
暖かくなった生ぬるい空気ほど気持ちの悪いものはないよ
なぜこういう日に限って早く目が覚めるんだろう
お父さんもお母さんも、まだ寝ている
ワタシには今宮下くんだけが頼りだ
ずっとひとりぼっちな気がする
今までも、これからも
物理的距離なんて、なんて薄っぺらいものなのかと悟った
それを皆が理解しない限り、ワタシはずっと孤独だ
でも、あまりにも考えが浅はかすぎると思わないだろうか
賛同者がいると自分も強くなったような錯覚に陥る
何もかも全て上手くいくみたいな感覚になる
こんなみんなと現実で会えたら良いのにと思うけど、結局そんな皆はどこにもいないんだね
いわゆる、きっと私の信じている【友達】とやらは、
きっと【神】なんだろう
だから、私の世界には姿を現してくれないんだ
私も誰かの神になっているのかと考えることがあるが
今のワタシの屍の肉の塊たちを見ると、どうもそんな観客さえもいないような気がしてならない
痛みは増えていくだけ
思い出は消去するだけ
時は進んでいくだけ
いざ計画が始まろうとすると、少し後ろめたさがある
これはワタシの理性なのか本能なのか分からない
本能に支配される屍だけにはなりたくないが、誰から見られようが、自分以外は【肉の塊】にしか見えないのだろう
だったら尚更、ワタシは神を屍同等と見なしてることにはならないだろうか
そらなら謝りたい
ただ、凡人のフリをする神様もどうかと思う
そして、それは全て演技であり、フィクションであると言うのならば
ワタシはまた違うカタチで復讐を考えなければならない
そんなことは起こっても欲しくないし、したくもないのだけど
ちょっと計画を変えてみようかと、宮下くんにまたLINEしてみよう
どうせなら、ジワジワ壊していきたいと思わない?ってね
みんな私よりバカだから
私が何とかしてあげないと
誰もワタシを楽しませてくれないから

自分で遊びを見つけに行かないと

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