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読書録:USJを劇的に変えたたった1つの考え方

先日読んだ「マーケティングは組織改革」の著者である森岡毅さんがUSJのCMOをされていた時に書かれた本。

何か学びたいことがあって読んだというより、盛岡さんが別で出版されている「確率思考の戦略論」の前にこの本を読むことをオススメされていたので手に取った。

本書は、①低いマーケティング力という日本企業の課題、②マーケティング力とそれを高めるための考え方、③マーケター含めキャリアをどう作るのかについて書かれており、②については簡潔にかつ分かりやすく整理されていた。

また日本企業の課題では特定の企業名も出されており、一般的な話をされるよりも説得力が高くなっているが、他社の悪い面をハッキリと言ってしまうのは、なかなかできることではなくカッコいいと感じる。

以下、内容に関する自分の考え

マーケティングとは、商品が売れるようにする仕事であり、そのために市況などの戦況分析、目的の設定、誰に何をどのように届けるのかという戦略と戦術を策定し、実行する。

社内DXの推進で考えると、専任部署以外の人がDX達成に向けて積極的に関与する状態にすること、となる。

この目標向けて、取り入れたい考えは下記の通り。

・市場構造を逆らった戦略の成功は難しい

市場はメーカーの事情、流通の事情、無数の消費者の事情など様々な事情がぶつかり合って一定のやり方に収まっており、ある種の安定状態になっている。その仕組みに逆らった戦略は、仕組みに沿った戦略と比べて多くのエネルギー(リソース)を必要とするため成功することは難しい。

DX推進を共に進めたい各部署には大なり小なり特有の事情があるはずなので、こちらの事情を一方的に押し付けても、流れに逆らってしまうことになり成功は難しい。全社的に見て良いか悪いかはいったん脇に置いて、理解してする姿勢を持ち、必要であれば変えていくやり方が望ましい。

・失敗の鍵は全員を喜ばせようとすること

商品を買う確率やニーズは消費者によって偏りがあるため、万人受けを目指すと誰に対しても中途半端なものになり、誰からも選ばれなくなってしまう。

社内でもDX推進に積極的なところ消極的なところといったように社員を巻き込めるかどうかの期待値に違いがあったり、DX推進によって利益率を高めることの影響度は部署によって異なる。ターゲットを絞って施策を検討するのも1つかもしれない。

・消費者が欲しいのはドリルではなく穴

お客さんがUSJに求めているのは「アトラクション」ではなく「感情」。

東京ディズニーリゾートでは「幸せ」、ゲストへの聞き取りでは「ミッキーに会うこと」といった回答が返ってくるが、その結果どうなりたいのか?と繰り返し問うことで、本当に得たいものに辿り着く。ここを適当にしてしまうと誤った訴求をしてしまうことになり失敗する。

社内のDX推進で考えると、「なぜDXに取り組む必要があるのか?」の前に、「なぜこの会社で働くのか?」という問いから始め、DXの達成で求めているものが手に入りますよ、という訴求が必要なのかも?と感じた。

・キャリアについて

最後の方にかかれている、キャリアをどのように作っていくか、については大学生の時に読みたかったと率直に思った。

概ね満足のいく社会人生活を送っているが、何となくで決めた就職先のため、もっと色々考えていればなぁという若干の後悔とともに今から頑張ろう、と気持ちを新たにした。

おわり

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