同性婚

ちょっと如何にもならない気がしたから,洋酒のボトルを空にしてしまおうと,1人で呑み会が開催された.SKYY vodkaのなんともアメリカンな平凡かつ単純な大味ウオッカに文句をぼやきつつ,Claymoreをロックで飲んで「これだよ!やはりスコッチウイスキーは素晴らしい!!」なんて叫びながら冗漫に過ごしていたら深夜の2時.

日々頭脳労働に勤しむ故なのか,随分と脳みそは元気で,エアブレーキを展開しながらアフターバーナーで加速しようとする戦闘機や,自転車のブレーキを握りながら無理やりペダルを踏みこむような,そんな感じの脳出力の不安定さを味わいながら民放判例集を読み眺めたりしたのであった.これが酩酊というやつか.

どれだけ酒に混迷極めてゐようが,考え事に走り出してしまうのは学畜の性なのか.先日オフィスアワーで侃々諤々とした同性婚と憲法の話を思い出した.憲法24条に「婚姻は,両性の合意のみに基づいて成立し,夫婦が同等の権利を有することを基本として,相互の協力により,維持されなければならない」なんて書いてしまったものだから,この「両性」の扱いには随分と紛争の跡が見られた.

今更になって「同性婚は日本では許可されていない?パートナーシップ制度とは!」とちょっとそれっぽい記事よろしく解説する義理も価値もないだろうから,ここで偉そうに語るつもりはない.しかし,明瞭に私自身の立場を示すなら同性婚を事実上許さない現行法は改正するべきだと考える.

勿論それは自分自身が同性婚問題の当事者であった(今後なりえる)から,と云うのが理由だけではなくやはり憲法24条及び13条により保障される婚姻の自由を侵害と憲法14条1項の保障する法の下の平等への抵触である.

実際,2023年6月8日現在,5つの地裁のうち,札幌と名古屋が「違憲」,東京と福岡が「違憲状態」との判決を下している.

まあ,あんまり巷で喚く様な「意識の遅れ」とか「社会的影響」とかはあんまり考慮すべきではないような気がする.恐らく立法府はLGBT法制定の流れから同性婚の取り扱いの必要性を十分に認識したうえで,野党や世論に対しての体面上や地方公共団体への影響を考慮し逡巡の念にあることだと思う.

やはり,現行法から法改正となったときに,書類手続きや戸籍制度への影響を考えるとそう簡単に踏み出せるものではないのだろう.

一方で,パートナーシップ制度は都道府県条例未満のものであって,やはり法的効力が極端に弱いのが現状だ.結婚を視野に入れてるほどの相手に何かあったときに,医療機関や公的機関から家族と見なしてもらえない,法が権利を保護してくれないという遣る瀬無さは看過できないものがある.

まあ,所詮は法オタの戯言であるから,来週末もコーヒー片手にローゼミで語らうのを楽しみにしつつ国会答弁記録なんかを読み込むのが関の山である.兎に角,もう酔いもさめないし日が昇りそうだから寝るとしようか.

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