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やさしいストーリー18


ここ何日か不在だった部屋に明かりがついていた。
長期の出張から帰ってきた様だ

通りすがりに目を向ける
彼は居ない‥

ソファに無造作に投げ出されたスーツの上着があった
彼の今の疲れを物語る

会いたい‥
顔が見たい‥
と願ったが、帰る時刻までもう時間がなかった

同じ空間に存在している幸せを胸に帰宅の途についた

今頃、脱ぎ捨てた上着をハンガーに掛け直し、気持ちを切り替えて
出張報告の会議にでているはず

仰ぎ見た空は、黄昏‥
心なしに冷たく感じる風が頬を撫でる

愛や恋にまでまだ届いてない想い

夏の終わりの季節が
今の心を映し出し、今日という一日が静かに終わっていく

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