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大人になるということ?

自分とは何か、個性とは何か、自由とは何か、大人になるとはどういうことか、引用という形でしかこんな大問題をえらそーには語れない。全部自分ができなかったことばかりだから。

●自分探し
なにをしても自分は見つかるし、なにをしても自分は高まる。まずは考えないで、行動することだと思う。考えるのはそのあとで良い。難しいのは、考えることであり、さらに難しいのは考えすぎないことだ。
「他者」を認めること、それが「自分」を確立する。認めるというのは、存在を認め、立場を認め、意見を聞き、人格を尊重し、必要であれば守り敬う、ということである。
(森博嗣「自分探しと楽しさについて」・ブログ「一日一冊」より)

●「頭を下げる」(敬意を持つ)と「ひれ伏す」(屈服する)ということは結構違う。「ひれ伏す」のが嫌で「頭を下げる」ことさえも拒絶して、話がややこしくなっている状況をずいぶん見かける。
●お金に対して、雑に「頭を下げる」ことを「ひれ伏す」と同じ意味にとらえてしまっている人が割と多い。(←いわゆるカスハラか。)
●「敬意を持っているけど、屈服まではしない。」そう言葉で確認しておくだけでずいぶん円滑にいく「人間関係」「お金問題」があるように思う。
(白川密成・ミシマ社ブログ20190903)

●個性などというものを信じてはいけない

●個性などというものを信じてはいけない。それは自分が演じたい役割ということにすぎない。
●ひとはよく自由について語る。そこでもひとびとはまちがっている。私たちが真に求めているものは自由ではない。私たちが欲するのは、事が起こるべくして起こっているということだ。そして、そのなかに登場して一定の役割をつとめ、なさねばならぬことをしているという実感だ。
●なにをしてもよくなんでもできる状態など、私たちは欲してはいない。あの役を演じなければならず、その役を投げれば、他に支障が生じ、時間が停滞するー欲しいのはそういう実感だ。
(福田恒存「人間・この劇的なるもの」・ミシマ社ブログ20130806・平川克美+中島岳志の対談より)
(←「生きがい論」は自分が何者であることを前提としているが、そうではなくて、自分はしょせん偶然にすぎないが、その中でその場で責任をとること。「大人」という役を演じることが重要。いつまでも若々しくというモデルなんかではない。)

●フリーランスについて
「自由」ということで、もうすこし表面的なレベルでの「フリーランス」について、小田嶋隆はつぎのような皮肉を書いている。
●「フリーランス」:自由とはこの場合、自らの自由ではなくて、クライアントの自由にされること。
●悪くすると「フリーオブチャージ(無料奉仕)」、「自由契約」とはプロ野球の場合、クビを意味する。
●いま流行のノマド=遊牧民にしても、遊んでいるのではなく移動を強制されているにすぎない。マックブックひとつ与えて、机を取り上げて、窓際社員を野に放つ:ノマド=「野窓」というオチ。
(小田嶋隆・アピースオブ警句20120427)
(←そういえば、かつて、ある人が新社長になりたてでさっそく社内レイアウトの革新として、イトーキとかコクヨとかの家具屋に騙されて、フリーデスクと称して、まだ使える高級ヨーロッパ製の個人デスクセットを惜しげもなく捨て去って、安い中国製のみすぼらしい大テーブルに置き換えて意気揚々としたという話を聞いたことがある。そういうことで内向きに権力行使をしたがるひとっているよね。)

●人は好きで大人になるわけではない。
●余儀なく大人になる。大人として振舞わざるを得ない立場に追い込まれる。
●結局、大人とは役割であり契約であり義務であり責任なのだ。
●逆に考えれば、子供であることは、ひとつの特権なのだ。子供として振舞うことは、事実上の権力行使なのだ、というふうに言い換えてもよい。(←たしかに独裁者やワンマン社長は幼児の如く有能である。)
●芸術家も子供として世界と対峙している存在だ。
(小田嶋隆・日経ビジネスオンライン20110506)
(←だから僕も、結局大人になりきれず退職して、絵などを描いています。)

●ディック・フランシスの作品から、実現するとはどういうことか、フェアとはどういうことか、戦わなければならないというのはどういう場合か、「大人の倫理」が学べるはずである。
●いつも私はイギリス人に感心する。むろん出来のいい人の場合だが。
●どこの世界でも、実際にものごとを進め、片付けるのは、フランシスの主人公たちだと読者に思わせる。
(養老孟司・毎日新聞の書評20100321)
●25歳でリベラルでない者は情熱が足りない。35歳でコンサバティブでない者は知性が足りない。(チャーチルの言葉・出典不明)
「夢を持て」と励まされ、「夢を見るな」と笑われる。(「旅旅沈沈」世界一周社長のブログ20110410)

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