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神秘主義を使用して日本の神々を再解釈する

この記事は神秘主義の思想を活用して日本の神々の役割や機能を再解釈することを目的としています。
これは個人の意見であり、いかなる特定の団体の公式な立場を表明するものではありません。
設定する日本の神々は以下のwikipediaを参考にしています。



3つの母の手紙(アレフ、メム、シン)

ユダヤ教のカバラの伝統における「3つの母の手紙」(アレフ、メム、シン)は、ヘブライ語のアルファベット22文字のうち、特別な意味を持つ3文字を指します。これらは『セーフェル・イェツィラー(創世の書)』という古代ユダヤの神秘主義テキストにおいて、宇宙の基本要素とその創造に深く関わる原理として説明されています。

  • アレフ (א): 空気を象徴し、精神的なバランスと統合を表します。宇宙の始まりと終わり、そして全てをつなぐ神秘的な力の象徴とされることもあります。

  • メム (מ): 水を象徴し、流動性、変化、純粋さを表します。生命の源として、創造と破壊の両面を持つとされます。

  • シン (ש): 火を象徴し、変容、エネルギー、浄化の力を表します。情熱、創造力、そして破壊の可能性も含む要素です。

これらの文字は、宇宙の創造における基本的な三要素を代表し、人間の存在と宇宙の構造を理解するための鍵とされています。『セーフェル・イェツィラー』では、これら3つの母の手紙を通じて、宇宙の物理的、精神的構造が語られ、それぞれが創造のプロセスにおける基本原理として機能します。また、これらは人間の体と魂、さらには時間の流れにおいても重要な役割を果たすとされ、カバラの教えにおいて深い象徴的意味を持ちます。

3つの母の手紙(アレフ、メム、シン)に設定される日本の神々

日本の造化三神は、宇宙の創造に関わる最初の三柱の神々であり、アメノミナカヌシ(天之御中主神)、タカミムスビ(高御産巣日神)、カミムスビ(神産巣日神)です。これらの神々は、宇宙の始まりと日本列島の創造に深く関わっています。

  • アレフ (א) - 空気: 空気は精神的なバランスと統合を象徴し、これに最も相応しいのはアメノミナカヌシです。アメノミナカヌシは、宇宙の最初に現れた神であり、全宇宙の中心として、バランスと調和の原理を体現します。

  • メム (מ) - 水: 水は流動性と純粋さを象徴し、この要素と関連づけられるのはカミムスビです。カミムスビは、創造と生命の力を持つ神であり、生命の水と純粋さ、生み出す力の象徴として適しています。

  • シン (ש) - 火: 火は変容とエネルギーを象徴し、これに合致するのはタカミムスビです。タカミムスビは、高い創造的エネルギーを持ち、世界と生命の創造における情熱と活動の力を象徴しています。

このように、日本の造化三神を『3つの母の手紙』に割り当てることで、宇宙の創造に関わる基本的な要素と、それを司る神々の役割を象徴的に結びつけることができます。これは、異なる文化間での共通のテーマ性や宇宙観の表現を探る興味深い試みとなります。

アイン-アインソフオウル-ツィツィム-アダムカドモン

アイン(אין、Ain)

アイン(אין、Ain)はヘブライ語で「無」を意味し、ユダヤ教のカバラ神秘主義において、神の最も抽象的かつ無形の側面を示す概念です。この概念は、神が創造以前の状態、つまり何も存在しなかった絶対的な「無」の状態を表します。アインは、神の存在がどのような特定の形態や属性も持たない、完全に超越した状態を指し示します。この「無」の概念は、アイン・ソフ(Ain Soph、無限)やアイン・ソフ・アウル(Ain Soph Aur、無限の光)と深く関連し、カバラにおける神の理解の基礎を形成します。

アインの意味と役割

アインは以下のような意味合いや役割を持ちます:

  • 絶対的な無形: アインは神がいかなる限定された形態も持たない状態を指します。これは、神が人間の理解を超えた存在であることを示唆しており、神の本質が無限であり、形而上学的な「無」であることを強調します。

  • 創造以前の状態: アインは創造が始まる前の、文字通り「何もない」状態を表します。この概念は、神が唯一の存在であり、全ての存在の源であることを象徴しています。

  • 神の超越性: アインによって、神の絶対的な超越性が示されます。神は、創造された宇宙やその中の存在とは根本的に異なる、完全に他なる存在であるとされます。

アイン・ソフ・アウル(Ain Sof Aur、אין סוף אור)

アイン・ソフ・アウル(Ain Sof Aur、אין סוף אור)はヘブライ語で「無限の光」を意味し、ユダヤ教のカバラ神秘主義における重要な概念の一つです。この概念は、アイン(無)とアイン・ソフ(無限)に続く、創造のプロセスにおける神の表現を象徴しています。アイン・ソフ・アウルは、神が自らを顕現し始めた状態を表し、神の内なる無限性から発出する光、つまり創造の初めの光を指します。この光は、全宇宙の創造とその後の展開の源泉とされています。

アイン・ソフ・アウルの意味と役割

アイン・ソフ・アウルは、以下のような深い意味合いや役割を持ちます:

  • 創造の始まり: アイン・ソフ・アウルは、神の創造行為の第一歩を象徴しています。これは、神が自己の無限性から創造のための最初の「何か」を生み出した瞬間を示しており、全存在の根源となる光です。

  • 無限から有限への橋渡し: この無限の光は、絶対的な無(アイン)から有限の世界の創造への橋渡しを行います。アイン・ソフ・アウルは、神の無限性(アイン・ソフ)から宇宙が生み出される過程における媒介として機能し、無形の神が有形の創造物を生み出す際の最初の現れとされます。

  • 神の顕現: この概念は、神の顕現、つまり神が自己を世界に表現する方法としての光を指します。これは神の内面から発する創造的な力の流れを象徴し、この光を通じて神は全てを創造し、維持し、展開させます。

ツィムツム(Tzimtzum、צמצום)

ツィムツム(Tzimtzum、צמצום)は、カバラ、特にルーリアニック・カバラにおける中心的な概念の一つで、「収縮」または「引きこもり」を意味します。この概念は16世紀のユダヤ神秘思想家イツハク・ルリアによって提唱されました。ツィムツムは、神(アイン・ソフ、無限なるもの)が自らを一時的に「収縮」させることで、自己以外の存在のための「空間」を作り出し、そこに宇宙を創造するプロセスを説明するものです。

この「収縮」によって神の無限性と絶対性から一定の距離を置くことで、有限で多様な存在が可能となります。このプロセスを通じて、神は自己の一部を隠し(隠された光)、有限の宇宙、物質的な存在、そして個々の生命が生まれる「空間」を創出します。ツィムツムは、神の完全性と無限性と対照的に、有限で不完全な世界がどのようにして存在することが可能になったのかを説明する試みです。

ツィムツムの後、神の光(オーラ)はこの「空間」に新たな方法で流れ込み、世界の創造が行われます。しかし、この光は容器(ケリーム)によって受け止められ、これらの容器の一部は光の強さに耐えられずに砕け散り(創造の過程で起きた「破壊の世界」)、その結果として生まれた「火花」は物質世界の至る所に散らばりました。カバラにおいては、これらの散らばった火花を集め、元の神聖な源へと還す過程(ティクーン、修復)が、人間の霊的な使命とされています。

ツィムツムは、神と世界、無限と有限、絶対と相対の関係を深く探求する複雑で神秘的な概念であり、ユダヤ神秘主義の核心的な教えの一つとなっています。

アダム・カドモン(Adam Kadmon)

アダム・カドモン(Adam Kadmon)は、カバラ、特にルーリアニック・カバラにおける重要な概念で、「原人」または「原初の人」と訳されます。この概念は、創造の過程における神の最初の現れ、または神的存在の原型を表しています。アダム・カドモンは物質的な存在ではなく、神の無限なる光(アイン・ソフの光)が初めて自己収縮(ツィムツム)の後に現れる形態として理解されます。

アダム・カドモンは、宇宙の創造とその構造を象徴しているとされ、全宇宙の原型や青写真とみなされます。この「原初の人」は、物理的な存在ではなく、神聖な光(セフィロト)の配置や流れを通じて、宇宙の秩序や構造を反映しています。カバラの伝統において、セフィロトは神の属性や活動の側面を象徴する10の力であり、アダム・カドモンを通じてこれらが宇宙に展開されるとされます。

アダム・カドモンから発する光は、その後さまざまな段階を経て、より具体的な世界や存在へと広がっていきます。この過程は、宇宙がどのようにして段階的に形成され、精神的な領域から物質的な領域へと展開されたかを象徴しています。

アダム・カドモンはまた、人間の潜在的な完全性や神性の象徴ともされます。人間が自身の内にある神の火花を発見し、それを育てていく過程は、アダム・カドモンの完全性への回帰とも解釈され、これは個々人の霊的な進化や成長の過程における究極の目標とされています。

アイン-アインソフオウル-ツィツィム-アダムカドモンに設定される日本の神々

日本の神々の出現順とユダヤ教のカバラの概念に基づき、以下のように設定します。

  1. アイン(無): 神の存在しない状態、または神の本質がどのような形でも存在しない状態を指します。

    • 天之常立神: 最初に現れる神として、アインの概念に一致します。天と地がまだ分かれていない、形而上学的な無の状態から秩序をもたらします。

  2. アイン・ソフ・アウル(無限の光): 神の無限の光、または神の初めての現れを指し、創造の最初のアクションを象徴します。

    • 美し阿須賀日子神: この次に現れる神として、アイン・ソフ・アウルに対応させることができます。創造の光として、自然界の美と調和をもたらす存在と見なすことができます。

  3. ツィムツム(収縮): 神が自らを一時的に収縮させることで、自己以外の存在のための「空間」を作り出し、その中に宇宙を創造するプロセスを説明するものです。

    • 国之常立神(くにのとこたちのかみ): ツィムツムによって生み出された「空間」において、国土や自然環境の創造、そしてその基盤を固める力を象徴します。この神は、創造の空間における秩序の確立と、具体的な世界の形成を代表します。

  4. アダムカドモン(原初の人): 宇宙の創造とその構造を象徴し、全宇宙の原型や青写真とみなされる存在です。

    • 豊雲野神(とよぐもぬのかみ): アダムカドモンの概念と対応させます。この神は、創造された宇宙の豊かさと生命の多様性を象徴し、アダムカドモンが持つ全宇宙の青写真としての役割に合致します。豊かな自然と肥沃な大地を司り、宇宙の原型に基づく具体的な創造物を育んでいく力を持っています。

これらの設定は、カバラの神秘的な概念と日本神話の神々を、彼らの象徴的な役割や出現の順序に基づいて対応させたものです。異なる宗教や神話体系を解釈し、関連付ける際には、それぞれの伝統の背景と意味を尊重することが重要です。

オグドアド(Ogdoad)

オグドアド(Ogdoad)は、古代エジプト宗教においてヘルモポリス(古名: クヌム)で信仰された8神の集団です。オグドアドは、創造前の混沌とした初期状態を象徴し、4つの神祇のペアで構成されています。それぞれのペアは男神とその配偶者である女神から成り、共に原始的な要素や自然現象を司ります。

これらの神々は以下の通りです:

  1. ヌンとナウネト - 原初の水や混沌を象徴する。

  2. ヘヘウとヘヘウト - 無限、もしくは空間を象徴する。

  3. ククとクケト - 闇や夜を象徴する。

  4. アメンとアメネト - 隠されたもの、または見えない力を象徴する。

これらの神々は通常、人間の体に動物の頭を持つ形で表現されますが、その特徴は神によって異なります。例えば、ヌンとナウネトはしばしばカエルやヘビの頭を持つとされ、ククとクケトは闇を象徴するために、しばしば闇や夜と関連する動物で表現されます。

オグドアドの信仰は、創造神話の一部として、世界がいかにして現在の秩序ある状態に至ったかを説明するものでした。これらの神々から生まれ、あるいは彼らによって創造された神(しばしば太陽神ラーと結びつけられる)が、混沌から秩序をもたらし、世界を創造したとされています。オグドアドの神話はエジプト全土に広がり、多様な形で受け入れられたものの、特にヘルモポリスの地域で特に重要視されました。

オグドアドに設定される日本の神々

  1. ヌンとナウネト (原初の水や混沌)

    • 淤母陀琉神(おもだるのかみ)・阿夜訶志古泥神(あやかしこねのかみ): これらの神は原始の海や混沌の状態を象徴し、世界が形成される前の無限の可能性と混沌を代表します。彼らは創造の基盤を提供し、すべての存在の源泉となります。

  2. ヘヘウとヘヘウト (無限、もしくは空間)

    • 意富斗能地神(おおとのぢのかみ)・大斗乃弁神(おおとのべのかみ): 無限と空間の広がりを象徴するこれらの神々は、宇宙の広大な空間と、その中での存在の可能性を表します。彼らは空間と無限の概念を支配し、物質世界の展開を可能にします。

  3. ククとクケト (闇や夜)

    • 角杙神(つぬぐいのかみ)・活杙神(いくぐいのかみ): 闇と夜を象徴するこれらの神々は、未知と再生の象徴として、闇の中に秘められた可能性と生命の循環を表します。彼らは闇の中での秩序と秘密を保持し、光が訪れる前の静けさと準備の時期を司ります。

  4. アメンとアメネト (隠されたもの、または見えない力)

    • 宇比地邇神(うひぢにのかみ)・須比智邇神(すひぢにのかみ): 隠された力と見えない現象を象徴するこれらの神々は、物質世界の背後にある精神的な力と原理を表します。彼らは目に見えないが、宇宙の秩序と調和に不可欠な力を掌握しています。

カバラ

カバラ(KabbalahまたはQabalah)は、ユダヤ教の神秘主義や宗教哲学の一派であり、神秘的な知識や宇宙の奥深い理解を追求する体系です。カバラの言葉はヘブライ語の "קַבָּלָה"(kabbalah)から派生しており、「受け継ぐ」や「伝える」といった意味を持ちます。

カバラにおいて、宇宙や神の創造に関連する階層的な概念がいくつか存在します。以下は、一般的なカバラの階層の一例です:

  1. エン・ソフ(En Sof): これは「無限」または「無の存在」と訳され、神の無限性を表現します。エン・ソフは絶対的で、限定されていない存在とされます。

  2. エン・ソフ・オーラ(En Sof Aur): エン・ソフからの最初の表出で、無限の光を指します。これは神の最初の創造的なエネルギーです。

  3. セフィロート(Sefirot): セフィロートは、10の異なる属性または領域で構成される階層的な構造で、神の創造的なエネルギーが段階的に表れるプロセスを表現します。セフィロートは「数」や「属性」とも訳され、神の様々な側面を象徴します。

  1. ケテル(冠): 海王星 - 究極の神秘と統一の象徴。ケテルの持つ全ての可能性と精神的な純粋さを表します。

  2. ホクマ(知恵): 天王星 - 革新、変革、そして無限の可能性。ホクマの持つ突破的な知識と洞察の力に対応します。

  3. ビナ(理解): 土星 - 制限、構造、そして時間。ビナの持つ深い理解と形成のプロセスを象徴します。

  4. ダアト(知識):冥王星- は通常、セフィロトの数には含まれず、従って「隠されたセフィラ」とも呼ばれます。それは、生命の樹上でケテル(無限・絶対の神の最も純粋な表現)の下、そしてビナ(理解)とホクマ(知恵)のセフィロトの間、つまり彼らを結びつけるポイントに位置します。

  5. ヘセド(慈悲): 木星 - 拡張、寛大さ、保護。ヘセドの慈悲深さと与える力を表します。

  6. ゲブラ(力): 火星- 衝動、勇気、そして闘争。ゲブラの行動と力の表現に相応しい。

  7. ティファレト(美): 太陽 - 光、生命、完全性。ティファレトの美と調和、中心となる役割を象徴します。

  8. ネツァハ(永遠): 金星 - 愛、美、調和。ネツァハの持つ創造性と情熱に対応します。

  9. ホド(栄光): 水星 - 知性、コミュニケーション、適応性。ホドの理解と伝達の力を象徴します。

  10. イエソド(基盤): - 変化、直感、無意識の世界。イエソドの形成と現実化の過程に相応しい。

  11. マルクト(王国): 地球 - 現実化、物質世界、実現。マルクトの具体化と実生活における表現を象徴します。
    これらのセフィロートは、神のエネルギーが下降する過程や、宇宙が創造される過程を表現しています。

セフィーロ―トに設定される日本の神々

  1. ケテル(冠)- 海王星: 無限や絶対の始原を象徴し、全ての存在の源です。ここにイザナギを割り当てるのは、イザナギが日本神話において創造の神であり、多くの神々の父とされているため、始原や創造の象徴として適していると考えられます。

  2. ホクマ(知恵)- 天王星: 神の計画が宇宙に広がる過程を象徴します。イザナミをここに配置するのは、彼女もまた創造に深く関わっており、イザナギと共に日本の多くの島々や神々を生み出したからでしょう。彼女の創造的な知恵はホクマの概念と一致します。

  3. ビナ(理解)- 土星: 神の意志が具体的な形として理解される場所です。サルタヒコをビナに割り当てるのは、彼が天と地を繋ぐ神とされ、また天孫降臨の際に天照大神の孫である瓊瓊杵尊に地上の道を教えた神話を持つからです。このように、サルタヒコは天と地、神と人間の間の理解や橋渡しの役割を果たしており、ビナの象徴する「理解」や「橋渡し」の概念に合致します。

  4. ダアト(知識)-冥王星- オオナムチ(大国主命)が適しています。ダアト(知識)は通常、セフィロトの数には含まれず、従って「隠されたセフィラ」とも呼ばれます。彼が地上の支配から手を引き、見えない世界、すなわち死後の世界に撤退したという逸話は単に力の放棄ではなく、より高次の精神的な存在への転換を示していると解釈することができます。

  5. ヘセド(慈悲)- 木星: 寛大さと保護を表すため、大黒天 が適しています。豊穣と繁栄をもたらす神として、ジュピターの慈悲深いエネルギーと一致します。

  6. ゲブラ(力)- 火星: 勇気と闘争を象徴するため、ヒノカグツチ(火之迦具土神) を選びます。破壊と再生の力を持ち、マーズのエネルギーと相通じます。

  7. ティファレト(美)- 太陽: 光と生命を象徴するため、アマテラス(天照大神) が最適です。太陽そのものを神とし、宇宙の中心としての役割を果たします。

  8. ネツァハ(永遠)- 金星: 愛と美を象徴するため、コノハナサクヤヒメ(木花開耶姫) を配置します。花と美、愛の神として、ヴィーナスの特性を体現します。

  9. ホド(栄光)- 水星: 知性とコミュニケーションを象徴するため、ミズハノメ が適しています。ミズハノメは水の恵みを通じて生命を育む力を持ち、この力は情報や知識の伝達、具体的な形での知恵の表現というホドのテーマに反映される可能性があります。

  10. イエソド(基盤)- 月: 変化と直感を象徴するため、ツクヨミ(月読命) を配置します。夜と月の神として、イエソドのエネルギーに対応します。

  11. マルクト(王国)- 地球: 現実化と物質世界を象徴するため、スサノオを配置します。自然界と人間界に大きな影響を与え、実生活における挑戦と勝利の神として、マルクトのエネルギーを体現します。

各カバラに所属する神の役割

ケテル(冠)- 海王星- イザナギ

ユダヤ教のカバラにおけるケテル(冠)に対応する天使の階級は「ハイオト・ハ・カドシュ」です。この言葉はヘブライ語で「生命の聖なる者たち」という意味を持ちます。ハイオト・ハ・カドシュは、セフィロトの樹の最上位に位置するケテルに関連し、神の意志と最も直接的に繋がる存在とされています。彼らは神の玉座を支え、創造の初動を司るとも言われ、神聖なる四生物の姿で表現されることがあります。

ホクマ(知恵)- 天王星- イザナミ

ホクマ(知恵)における天使の階級は「オーファニム」または「輪の天使」と訳されます。この階級の天使は、しばしば車輪のように描かれ、宇宙の深い知識や神の計画に精通しているとされます。オーファニムは神の創造的な側面と直接関連しており、ホクマに位置することで、神の無限の知恵と宇宙の原理を象徴します。彼らは神の意志を宇宙に伝え、神聖な秩序の実現を助ける役割を担っていると考えられています。

ビナ(理解)- 土星- サルタヒコ

ビナ(理解)に所属するユダヤ教の天使の階級は「アラリム」です。アラリムはヘブライ語で「力の王たち」または「偉大なるものたち」と訳され、セフィロトの樹の第3の位置にあるビナに関連付けられています。この天使の階級は、宇宙の法則と秩序を維持し、神の理解と知恵の深化を支える存在とされています。アラリムは、創造の構造を確立し、宇宙の限界と可能性を定める役割を担っており、ビナの属性と密接に関連しています。彼らは、物質的な世界と精神的な実現の間の橋渡しをするとともに、神の意志を具現化する過程において重要な役割を果たします。

ダアト(知識)-冥王星-オオナムチ(大国主命)

ダアト(Da'at)自体は、ユダヤ教神秘主義、特にカバラにおけるセフィロト(生命の樹の属性の一つ)の概念であり、直接的には堕天使の概念と関連づけられるものではありません。ダアトは「知識」を意味し、セフィロトの木における隠されたセフィラとされています。これは、神秘的な真理への深い理解や啓示を象徴しており、霊的な進化の過程での重要な段階を表します。

ヘセド(慈悲)- 木星- 大黒天(だいこくてん)

ヘセド(慈悲)に所属するユダヤ教の天使の階級は「ハシュマリム」です。ヘセドはセフィロトの樹の第4の位置にあり、無条件の愛、慈悲、寛大さ、そして神の恵みを象徴します。ハシュマリムは、この無限の慈悲と寛大さを宇宙に拡散する役割を担っているとされ、神の愛と慈悲を具現化し、全存在に対する慈愛の行動を促進します。ヘセドとハシュマリムは、創造物に対する神の無条件の愛と、その愛を反映し伝える天使の働きを象徴しています。

ゲブラ(力)- 火星- ヒノカグツチ(火之迦具土神)

ゲブラ(力)に所属するユダヤ教の天使の階級は「セラフィム」です。セフィロトの樹において、ゲブラは第5の位置にあり、力、勇気、判断、および神の厳格な正義を象徴します。セラフィムは、その名が「燃える者たち」を意味するように、神の栄光と純粋さの炎によって燃える存在とされています。彼らは神の栄光を賛美し、神の絶対的な権威と正義を体現し、創造物に対する神の意志の実行に関わるとされます。ゲブラとセラフィムは、宇宙における秩序の維持と、神の意志に対する絶対的な服従の重要性を強調します。

ティファレト(美)- 太陽-アマテラス(天照大神)

ティファレト(美)におけるユダヤ教の天使の階級は「マルキム」です。セフィロトの樹において、ティファレトは中心に位置し、美、調和、平衡を象徴します。太陽に関連付けられ、宇宙の心臓部として、すべてのものを生命で満たし、異なる力を統合して一つの完全な全体を形成する役割を担います。マルキムは、このセフィロトの属性を反映し、宇宙の調和とバランスを維持し、神の美と栄光を創造物に伝える使命を持っています。彼らは、美と調和の原理を通じて神の愛と光を反映し、分散された神聖な火花を統一することによって、創造物全体の完全性を促進します。

ネツァハ(永遠)- 金星-コノハナサクヤヒメ(木花開耶姫)

ネツァハ(永遠)に所属するユダヤ教の天使の階級は「エロヒム」です。セフィロトの樹の第7の位置にあるネツァハは、永遠性、勝利、創造性、そして情熱を象徴します。金星と関連付けられることが多く、美、愛、芸術の力を反映しています。エロヒムは通常、神の力と創造性の表現者として理解され、ネツァハのセフィロトにおいては、これらの力を通じて宇宙に美と調和を広げる役割を担っています。エロヒムは創造のプロセスに深く関与し、生命の多様性と豊かさを促進する天使とされます。

ホド(栄光)- 水星-ミズハノメ

ホド(栄光)に所属するユダヤ教の天使の階級は「ベネイ・エロヒム」です。セフィロトの樹において、ホドは第8の位置にあり、知性、コミュニケーション、そして真理への認識を象徴します。水星と関連付けられ、知恵と情報の伝達、思考の明晰さを司ります。ベネイ・エロヒムは、「神の子どもたち」を意味し、この天使の階級は宇宙の法則と秩序を理解し、その知識を広める役割を担っています。彼らは真実の啓示と、宇宙の深遠な理解を促進する存在とされます。

イエソド(基盤)- 月-ツクヨミ(月読命)

イエソド(基盤)に所属するユダヤ教の天使の階級は「ケルビム」です。セフィロトの樹で第9の位置にあるイエソドは、月と関連付けられ、宇宙の基盤、形成、直感、夢、および無意識の世界を象徴します。ケルビムは、聖なる存在を守護し、神の栄光の直接的な見守り人として機能します。この天使の階級は、創造の秩序と構造における基礎的な役割を担い、宇宙の深淵から湧き出る生命の流れと接続します。イエソドとケルビムは、物質界と精神界の間の架け橋としての役割を果たし、全てのセフィロトを統合し、創造物を支える基盤となります。

マルクト(王国)- 地球-スサノオ

マルクト(王国)に所属するユダヤ教の天使の階級は「イシム」です。セフィロトの樹の最下部、第10の位置にあるマルクトは、実体化、物質界、および日常生活における神の存在を象徴します。地球と密接に関連し、神の創造物としての人間界と自然界の実現を表します。イシムは、このセフィロトの精神を反映し、最も身近な天使の階級とされ、人間との関わりが最も深いとされています。イシムは人間に最も近い形で神の意志を示し、人間世界での神の目的と計画の実現を助ける役割を果たします。

マザロート

「マザロート」は、ヘブライ語で用いられる言葉であり、その最も直接的な言及はユダヤ教の聖書、特に『ヨブ記』38章31節に見られます。この節では、神がヨブに語りかけ、宇宙の壮大さと人間の限界を示す一環として、「マザロート」の絆を解くことができるかと問います。この言及から、「マザロート」は天体や星座、特に黄道十二星座を指すことが示唆されますが、聖書内での言及はこの一箇所のみであり、その意味は具体的に定義されていません。

マザロートの解釈

「マザロート」に関する解釈は、文脈によって異なります。一般的には、宇宙の秩序や季節の変化を示す天体の配置と関連付けられています。

  • 天文学的観点: 天文学では、「マザロート」はしばしば黄道帯やその内を移動する太陽と黄道十二星座を指します。これは、地球から見た太陽の見かけの年間通過路を形成する星座群です。

  • 占星術的観点: 占星術では、「マザロート」は人間の運命や性格に影響を与えるとされる天体の配置と結びつけられます。しかし、ユダヤ教の伝統では占星術への依存は一般に否定されており、神の意志と直接的な関係に重きを置きます。

  • 神秘主義的観点: ユダヤ教の神秘主義、特にカバラでは、「マザロート」は宇宙の精神的な側面や神の創造の深遠な側面を象徴すると考えられています。カバラでは、宇宙の物理的な構造と同じくらい精神的な構造にも焦点を当て、天体はこの高次の実在の反映と見なされます。

文化的・宗教的な役割

ユダヤ教の伝統の中で、「マザロート」は人間の認識を超えた宇宙の秩序や神の計画の一部として尊重されています。『ヨブ記』での言及は、神の創造の壮大さと人間の謙虚さを思い出させるものです。また、ユダヤ暦と祝祭日の決定において天体の周期が重要な役割を果たすことから、マザロートの概念は日々の宗教実践とも密接に関連しています。
ユダヤ教では、宇宙や自然現象を通じて神の存在や創造を反映し、理解することが奨励されています。このため、「マザロート」のような概念は、創造の秩序への敬意と神への畏敬の念を深めるための手段として存在しています。

マザロートに設定される日本の神々

  1. 宮毘羅大将: 弥勒菩薩の化身として、人々の心を癒やし、良い運命へと導く力があるとされます。

  2. 跋折羅大将: 勢至菩薩の化身として、信者の意志と決断力を強化し、困難を乗り越えさせる支援を提供します。

  3. 迷企羅大将: 阿弥陀如来の代理として、無限の慈悲と救済を示し、信者を極楽浄土へ導きます。

  4. 安底羅大将: 観音菩薩の力を借りて、信者を苦しみから救い出し、平和と安心をもたらします。

  5. 頞儞羅大将: 如意輪観音の化身として、願いを叶え、人生を好転させる力を授けます。

  6. 珊底羅大将: 虚空蔵菩薩の代理として、知恵と記憶を向上させ、学問や知識の追求を助けます。

  7. 因陀羅大将: 地蔵菩薩の化身として、地獄や苦界で苦しむ者たちを救い、六道のすべての生きとし生けるものを守ります。

  8. 波夷羅大将: 文殊菩薩の力を通じて、真理と智慧を開き、誤解や無知から信者を救います。

  9. 摩虎羅大将: 大威徳明王の化身として、邪悪を打ち払い、正義と勇気を信者に授けます。

  10. 真達羅大将: 普賢菩薩の代理として、善行と菩提心を促し、慈悲深い行いで世界を満たす力を与えます。

  11. 招住羅大将: 大日如来の力を借りて、宇宙の法則と調和を保ち、信者に究極の真理の理解を促します。

  12. 毘羯羅大将: 釈迦如来の化身として、全ての生きとし生けるものへの慈悲と啓発を行い、煩悩からの解放を助けます。

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