ルドルフシュタイナーが発見したイエスキリストの哲学システムについて解説
以下の記事の続きになります。
イエスキリストの哲学システムの詳細に解説していきます。
ルシファー、イエスキリスト、アーリマンの哲学システムをカテゴライズすすると以下のように分類することができます。
ルシファー・・・一人称視点
イエスキリスト・・・二人称視点
アーリマン・・・三人称視点
二人称とは
二人称(ににんしょう)は、文法的な用語で、話し手が自分以外の相手を指す際の視点や文体のことを指します。具体的には、話し手が相手に向けて直接話しかけるときに使用される表現や言葉が二人称に該当します。代名詞や名詞、動詞、形容詞などが二人称になることがあります。
代表的な二人称の代名詞には以下のようなものがあります:
あなた
君(きみ)
お前(おまえ)
あんた(くだけた表現)
例えば、「あなたはどこから来ましたか?」や「君、手伝ってくれる?」などが二人称の使用例です。二人称を用いることで、話し手と聞き手との直接的な対話やコミュニケーションが生まれます。
二人称===シンクロニシティ
「二人称=シンクロニシティ」という概念は、自己と他者との間で共鳴現象が起こっていることを示しています。共鳴現象が生じるためには何らかの原因が必要です。プラトンは、「二人称=シンクロニシティ」の発生原因が神から発せられたイデア(元型)にあると考えました。
エメラルドタブレット
エメラルド・タブレット(Emerald Tablet)は、中世の錬金術の伝統において非常に重要な文献の一つです。これは、錬金術師ヘルメス・トリスメギストス(Hermes Trismegistus)に帰されるとされる、短い哲学的な文章の集まりです。エメラルド・タブレットは、古代エジプトの神トートとギリシャ神ヘルメスを結びつけたものとして知られています。
エメラルド・タブレットには、自然の法則や宇宙の秘密についての言及が含まれており、錬金術の実践者たちにとっては神秘的で象徴的なテキストと見なされています。その中でも、「上にあるものは下にある. 内にあるものは外にある」(As above, so below; as below, so above)という言葉が有名で、宇宙のマクロとミクロの対応を表現しています。
エメラルドタブレットによる記述では宇宙の魂と人間の体の一体性が存在し、占星術などの宇宙観測技術の発展は医療などの人間の体内へ影響を与える科学技術の発展に寄与すると考えられていました。
新プラトン主義
新プラトン主義(Neoplatonism)は、古代ギリシャの哲学者プラトンの思想を基盤にした、後代の哲学的・宗教的な運動です。新プラトン主義は、紀元3世紀から紀元6世紀にかけて主にローマ帝国やその後の東ローマ帝国で栄えました。これはプラトンの思想を発展させ、異なる宗教的・神秘的な概念と結びつけながら、新しい哲学的アイディアを提唱しました。
新プラトン主義の主要な特徴や概念には以下のようなものがあります:
一元論(Monism): 新プラトン主義は、プラトンの思想を基に、究極の現実は単一の原理または根源に帰結すると考えました。これは「一(the One)」や「無限(the Infinite)」などと呼ばれることがあります。
エマネーション: 一元の原理から派生する段階的な過程を通じて、より低い次元の存在や原因が生じるというエマネーションの考え方があります。神秘的な階層が存在し、物質界はこの過程を通じて派生したとされました。
アウグストゥス主義との結びつき: 新プラトン主義は、プラトンの思想とキリスト教の信仰を融合しようとしました。特に、古代ローマの哲学者でキリスト教徒のアウグストゥス(聖アウグスティヌス)との結びつきが見られます。
神秘主義的な要素: 新プラトン主義は神秘主義的な側面も持っており、直感や神秘体験を通じて、個人が神的な原理に結びつくことが強調されました。
代表的な新プラトン主義の思想家には、アンモニウス・サッカス、プロクロ、イアンブリクスなどがいます。新プラトン主義は、その後の中世やルネサンス期の哲学や神秘主義に影響を与えました。
ヌ―スフィア==シンギュラリティ
シンギュラリティは、通常、技術的な進展や人工知能の発展が急速で予測不可能な段階に到達する未来の出来事を指します。レイ・カーツワイルが提唱した「技術的シンギュラリティ」では、超人的な知性が人間を超越する瞬間を指しています。
シンギュラリティはヌ―スフィアによる地球の「理知の球」(sphere of reason)の発展から始まると考えられており、新プラトン主義やエメラルドタブレットなどによる「上にあるものは下にある. 内にあるものは外にある」(As above, so below; as below, so above) というアイディアと一致します。
ヌ―スフィアによる不動の動者の出現
アリストテレス(Aristotle)の「不動の動者」(Unmoved Mover)は、彼の形而上学的な概念の一部です。これは、「形而上学」(Metaphysics)と呼ばれる著作において重要な概念として取り上げられています。
アリストテレスは、物事の原因や変化について考え、彼の哲学的体系において最初の原因として「不動の動者」を位置づけました。以下はその主な特徴です:
永遠で不変: 不動の動者は永遠であり、変化せずに存在しています。アリストテレスは、すべての変化や動きの背後にある原因として、永遠で不変な存在が必要だと考えました。
他のものを動かすが、自体は動かされない: 不動の動者は他のものを引き起こす動きの原因でありながら、自らは動かされないとされます。これは、最初の動因として自発的で自律的な存在を表現しています。
最高の善と知識: 不動の動者は最高の善を具現化し、また最高の知識を有しているとされます。アリストテレスは、これによって不動の動者が完全で最も崇高な存在であるとの結論に至りました。
ヌ―スフィアの出現はアリストテレスの「不動の動者」(Unmoved Mover)に該当し、シンギュラリティによる技術発展の土台となります。
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