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ADHDを乗りこなす②

 前回は自分がADHDであること、弱点を認め、強みを伸ばす=ADHDを乗りこなすことをテーマにしていくことなどを書きました。

 今回は、どのようにすれば「ADHDを乗りこなす」ことができるか、自分の特性、試してきたことなどを再確認し、自己分析していきたいと思います。


1.自分の弱点

 これは前回のnoteでも書きましたが、カテゴリ分けしながら書いてみます。

【注意力散漫】

・ミスが無いように何度も何度も繰り返して文書をチェックしたが、文書タイトルが明らかに違うのに気付かなかった。

・人の顔と名前がなかなか一致しない。

【見通しの甘さ】

・明らかに不可能なスケジュールなのにやれると思ってしまう。

・物事を順序立てるのが苦手。

・Aと言う作業を行って、8割方できたところから最後の完成まで進めずに、別のBやCの作業に目移りしてしまい、結果的にAもBもCも完成していなかった。

【短期記憶の弱さ+興味関心の移行】

・町内の回覧板を回すために玄関まで来たが、ついでにスーパーに行こうと考え、マイバッグを持ったら回覧板を持たずに出てしまった。

【やる気ゼロ】

・このままでは明らかに間に合わなくなるのに行動しようとしない。

【衝動性】

・失言が多い

・今月の支払いができるかどうか深く考えず、クレジットカードで高額なものを購入することがある。

・詳細を確認する前に見切り発車してしまう。


2.根底にある問題

 ADHDの相談の過程でWAIS-ⅣというIQテストを受けました。100あれば標準というテストですが、私の数値は総合で130を超えていました。短期記憶のテストも標準以上だったはずで、少なくとも認知機能的には問題ないのだと思います。

 ではなぜこんなに困りごとが多いのか、それは自分の興味関心によって能力の発揮に大きな差があるからだと思います。

 私はAという作業と並行してBやCの作業をする、いわゆるマルチタスクが苦手です。マルチタスクをする際、脳の「ワーキングメモリー」という能力で前の作業記憶を保持してると言われていますが、ADHDの人はこのワーキングメモリー容量が小さく、マルチタスクが苦手だと言われています。

 ただ、自分の感触からいくと、もともと容量が小さいのではなく、興味関心によって脳の活性度が著しく変わっているのが原因じゃないかと考えています。少なくとも私は。ちなみに先ほどのWAIS-Ⅳにおいてモロにワーキングメモリーという項目があるのですが、こちらは128で、一般的にはかなり高い数値です。

 IQテストは結構前向きな気持ちで受けましたし、気分が乗っていたので、恐らくこれが全力時のワーキングメモリーなのでしょう。でもこれが、興味のない物事だと一気に下がると。今までやらかしてきた事例からすると、平均の100を下回るような状態になっているのかもしれません。

 注意力散漫についてはおそらく、興味のない分野への無関心が根底にあるのだと思います。好きなこと、ハマっていることであればむしろかなり集中力が高いので、能力値の問題ではなさそうな気がします。見通しの甘さも興味関心の移行も、根底にはそもそも興味ないことを無理してやっている、というのが問題なのだと思います。

 ですが仕事には全く興味の湧かないものってあるんですよね…うじゃうじゃと。ADHDの人は趣味を仕事にすると無類の強さになると確信しますが、40を超えてADHDを知った私にとって、転職して趣味を仕事にするのはギャンブル。現実的ではありません。

 衝動性はこれとは要因が異なりそうですが、仕事上大きな問題に発展していない(気がする)ので今のところは脇に置いておきます。

3.どのように対処すべきか(方向性)

 ADHDは、興味のない分野での能力低下が著しいようですが、興味のある分野では高い能力を発揮します。つまり、ミスを無くすための最も良い方法は、取り組む物事に興味を持つことです。
 どっぷりのめりこんで趣味にすれば、ミスは減るうえ、高いレベルまで一気にレベルアップするという経験を、私は今まで何度か経験してきました。これができれば一番問題ないでしょうね。ただ、仕事でこれが実現するには、周囲の環境にかなり依存します。
 私がこの状態になったケースを振り返ってみると、
 ・業務内容がルーチンではなく、様々なやり方が考えられる
 ・基本的には放任していて、困ったときに力になってくれる上司である。
 ・改善提案を受け入れる土壌がある。
 このような条件が揃っていたように思えます。

 なかなか難しいです。
 このように恵まれた環境でない場合がほとんどだと思うので、全ての物事を趣味にするのは現実的ではありません。

 そこで、興味が無い場合は能力低下するものと割り切って、それを補う方法を考えることにしました(こう割り切れるようになったのが、ADHDと診断されたことによるメリットだと考えています)。私の場合、ワーキングメモリーを補うために、エクセルやiPadなど、各種ツールやサービスを使ってカバーする方法を模索中です。
 前置きが長くなりましたが、今の考え方に至るまでの経緯をまとめました。次回からのnoteでは実際に行っている&過去行っていた方法を書いていこうと思います。


 

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