見出し画像

伝えたいこと①

 前回は現在試行中のADHD対策を紹介しました。今後そのうち、上手くいった、いかなかった時のシチュエーションを記録していこうと思います。また、以前やっていたADHD対策を紹介するとともに、上手くいかなかった理由を分析し、改めて採用する余地はないか確認してきたいです。

 さて、今回からは数回にかけて、「健常」の人たちや、同じような悩みがある人たちなど、様々な立場の人に、自分なりに伝えたいことを書いてみます。

今回
・健常者のADHDへの関与の仕方について

次回以降
・今悩んでいる人へ 
・ADHD疑いのある子を持つ親へ
・ポストコロナにおけるADHD

1.健常者のADHDへの関与の仕方について

 だれしもが得意不得意があります。自分にできることを誰しもができると思ってはいけない。あなたができる普通のことは、他の人にとっては超人的な努力を要するものかもしれない。逆も然り。
 だから不得意の矯正に多大なパワーを浪費させるより、得意を更に伸ばしたほうがwin-winでしょう。ADHDの不得意は健常者からは目立つし、サボってるようにしか見えないのかもしれません。ただ、生まれ持ったこの特性は脳の機能によるもので、薬を使って対症療法は行えるものの、根治はしません。薬を出せない一般人にとって、この矯正を行うのは多大な労力ですが、本当にやりますか?
 私の人生では前職の社長がこの私の特性を矯正しようと、6年間多大な労力を払って指導してきました。この社長は超人的な努力家で、高い能力や見識、自らを律する強い意志があり、独立前は同業界の大手で副社長をしていたこともあり、前職の世界では全国的にも一目置かれる存在でした。私にとっては神様みたいなもので、尊敬の対象でした。
 中小企業とはいえ、社長業の貴重な時間を使って、私のような末端に多大な時間と多大な労力を払い、管理し、叱責し、薫陶し、時には食事や温泉に誘い、あの手この手で決して諦めずに私という超問題児に取り組んでくれました。
 こんなこと、普通の人にできますか?無理ですよね絶対。同じように私の特性に挑んだのが現職における前の上司ですが、数か月でブチ切れ。あとは感情的に叱責するだけで、お互いに疲弊しつくしてしまいました。あの社長のような関与は誰しもができることではないでしょう。
 でも、そんな超人的な人ですら、ADHDの特性を理解していなかったために、最後まで私が変わることはありませんでした

 ダメなものは何をやってもダメなのでしょうか?

 しかしこんな私でも、市役所に努めた8年間で、何度か非常に高いマインドを持ち、能力を発揮し、成果を出したなと感じることができた時期があります
 その時の上司は上記のようなマイクロマネジメントはしておらず、ほとんど放任でおおざっぱに仕事を任せていて、最後の仕上げで補助をして成果をまるごと手に入れる、そんなタイプでした。ミスは当然あるのですが、そこに関して叱責はなかったと思います。良く言えば懐が深い。悪く言えばテキトーでユルユルなのかもしれません。
 ですがこんな関わり方こそ、私にとっては最高でした。自分で目標設定し、自分で方法を検討し、自分で解決を目指す。この仕事に対する自主性と自己コントロール感が、私のやる気を高め、仕事に没入させ、様々なアイデアを形にして成果を出せたのだと思います。この条件はADHDとか健常者とか関係ないのではないでしょうか。

2.ADHDを戦力にする

 つまり、
①弱点ではなく強みを見出す
 →②強みを伸ばせる環境を用意する
  →③勝手に突っ込んであれこれ仕事を仕上げてくる
   →④修正すべき点を最小限の労力で修正して成果を得る
 このような上手い使い方をすれば、ADHDでも十分力になれますし、健常者より高い成果を出すことも期待できるでしょう。

 しかし、ADHDはその弱点が目立つがゆえに、一般社会においては以下のような扱いを受けやすくなります。
①ミスを叱責され、低評価を受け、時には余計な関与をされる
 →②やる気が減退して更にミスが多発する
  →③見過ごせないミスが多発するため、周囲が更に関与を強める
   →④更にやる気が減退して更に更にミスが多発する→(ループ)
このような負のスパイラルに突入すると、誰もが不幸になります。

 大人のADHDは数パーセントいると言われています。30~50人いれば一人はいる計算です。大体どこかにはいるもんで、誰もがいつかは深く関わる時がくるでしょう。
 その時にお互いが不幸にならずに済むよう、ADHDへの理解が深まり、適切な対処の仕方を共有していってほしいと思います。マネジメント能力としても、他の人が持て余したADHDを上手く使いこなせる方が人事評価が高まるんじゃないでしょうか。知らんけど。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?