センター試験の思い出①
今日は大学入試共通テストの1日目。「ああ、もうそんな時期か。」とつぶやきながら、私はかつて受験生だった頃を思い出す。まだ共通テストが「センター試験」と呼ばれていた頃だ。あの時は志望校に合格すれば人生が良い方向へ進むとばかり信じて受験勉強に励んでいた。
私が目指していた大学の入試では、センター試験で通過した後に二次試験を受ける。センター試験の得点の1割強と二次試験の点数を合わせた結果で合格が不合格かが決まる。センター試験よりも二次試験で点数を取る方が重要になるが、受験というものは1点もしくはそれ未満の点差で合否が分かれるものなので、センター試験の方も1点でも多く取れるように念入りに対策をしていた。
センター試験、今は共通テストだが、そこで点数が振るわずに二次試験に進めなくなるなどして浪人が決まってしまった人も決して少なくない。塾やネットなどでそういう闇の深い話を聞いた当時の受験生だった私は、張り詰めた空気で試験に臨むものばかりだと考えていた。
しかし、試験の当日はその張り詰めた雰囲気というものはほとんど感じることはなかった。
当時私が通っていた高校は中高一貫の男子校で、世間的には進学校と呼ばれるところだった。東大や早慶、医学部に進学する人間は一定数いるが、受験一色で張り詰めたようなところではなく、3、4割くらいは浪人するようなある意味気楽なところであった。センター試験間近の登校日の時も試験対策よりも高校サッカーの話題で盛り上がってしまうほどであった。
現役生、つまり高校3年生がセンター試験を受ける場合、その高校に近いところにある試験場で同じ高校・クラスの人たちが同じ会場・同じ部屋で試験を受けることは結構あることらしい。私の高校の場合もそれに該当し、試験を受ける教室にいた人のほとんどが同じ高校の人たちで、場所が違うことを除けばいつもの教室とほぼ変わりは無かった。
全ての進学校に当てはまるとは限らないが、進学校が大学受験に有利な理由がどことなくわかった気がする。大半の生徒が一次試験を受けるのだから、同じ会場で同じ学校の人たちが同室で受験をすることになり、過度に緊張することなく受けることが大きなアドバンテージになるのだろう。
今年もまた高校の後輩たちが共通テストを受けている。試験会場は違っているかもしれないが、会場の雰囲気とういか空気感は私がセンター試験を受けていた頃とあまり変わっていないのだろう。
今後の人生に関わるかもしれない局面、けれどもいつもの学校にいる時と変わらないという妙な感覚。
2日間にわたる試験を終えた時は呆気なかった。あれほど緊張すると思っていた試験が恐ろしいほど平常心のまま終わってしまった。かと言って放心することはなく、帰ったら自己採点をしなければとそわそわとしてはいた。私の人生初のセンター試験の結果はどうなったか。センター試験を経験して、私は何を思ったか。次回に繋げる形で今回はここまでとする。
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