机上の空論にならないモノマネ動作分析

とある患者さんにこんなことを言われた

「理学療法士さんたちは素晴らしい才能を持っている
 だって、みなさん人の動きのモノマネがとてもうまい
 患者さんの姿勢や動作を真似て、
 どうやったらうまく動けるかを的確に伝えてくれる。」

正直言って
そんなふうに理学療法士を考えたことがなかった
でも、よく考えてみると
歩行分析をするときは必ず患者さんのモノマネをする
ベテランになればそれを内部モデルだけで想定できるようになる
動作のモノマネという点においては
この仕事を続ける限り
何千回、何万回とモノマネを続ける
他にこんな職能集団はあるだろうか?
もしかすると、
僕たちは大変な才能を見落としているかもしれない!

「モノマネ動作分析学」

こんな学問はないが
理学療法士たちが、歴史の連続性の中で
無意識に継承し続けてきた才能
それにあえて名称を付けるのであれば
「モノマネ動作分析学」が
ふさわしい気がする

さて、この「モノマネ動作分析学」
どんなことを体系化していったらいいだろうか
ここで大切なキーワードは
「モノマネ」
である。

では「モノマネ」を理学療法的に記述してみよう
段階としては大きく捉えて3つの相がある

第1相:対象動作の認知

視覚的に受け取った映像に対して
内部モデルを生成する

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