こだわりがたくさん!──ゲンロンの今年出た本2023
ゲンロンに勤めてから3度目の年末を迎える野口です。今年もほんとうにいろんなことがありました……「いろいろ」についてはまたどこかでお話するとして、2023年、ゲンロンでは単行本を3冊、雑誌を2冊の計5冊、出版しました。どれも非常に丁寧に、こだわりが詰まった本ばかり。まずは単行本から、あらためてご紹介させてください。
『観光客の哲学 増補版』|東浩紀 著
第71回毎日出版文化賞受賞、紀伊國屋じんぶん大賞2018でも第2位にランクインした、東の代表作『ゲンロン0 観光客の哲学』。新章2章・2万字を追加し増補版として刊行しました。
橋爪大三郎さんから、毎日新聞2023年7月15日号にお寄せいただいた書評では「いまを思索する、世界的水準の仕事」といただきました。
関連グッズのクリアファイル、Tシャツも人気。特にTシャツは色味や裏面の襟下に入れたロゴの位置などもこだわって作っています!
『訂正可能性の哲学』|東浩紀 著
前述の『観光客の哲学』からの連続刊行。「52歳のぼくから27歳のぼくに宛てた長い手紙でもある」という一節は、「あとがき」のなかでも書かれている通り、『存在論的、郵便的』のから問い続けた「ひとは何故哲学をするのか」という問題についての「現時点での回答」であることに由来します。
また、以下のような書評もいただきました。
刊行から3か月以上経ったいまでも、多くの方に手に取っていただいています。未読の方、また『訂正する力』(朝日新書)でご興味を持たれた方は、年末年始にじっくり読んでみていただけたらうれしいです!
『革命と住宅』|本田晃子 著
「webゲンロン」での連載時より大きな反響をいただいていた本田晃子さんによるソ連建築論。社会主義という「家」を否定する思想が人々の生活をどう変えたのか。建築をはじめ、思想、政治、美術、映画などが縦横無尽に論じられた本書。社会主義国家の理想と現実の裂け目が様々な形で浮き彫りにするとともに、翻って現代の私たちの暮らしを考えるきっかけになった、という声も寄せられています。
ほかにもさまざまな雑誌・メディアやSNSでも取り上げられたり、本田さんのインタビューも行っていただきました!
「webゲンロン」で掲載中の、参考映像リストもぜひ!
続いて、雑誌です!
『ゲンロン14』
2023年最初に刊行したのは批評誌「ゲンロン」の第14号。この号からふたたび年2回刊行となりました。荒俣宏さん・鹿島茂さん・東の3名と、浦沢直樹さん・さやわかさん・東の3名による豪華座談会を2本掲載し、話題をあつめました。
表紙は梅津庸一さんによる《うさぎ、美術の良識からの逸脱 no.10》。10枚におよぶ連作となった作品群をずらっと会議室に並べ、これだ!という1枚を選びました。作品は3月に行われた友の会総会でも展示。その梅津さんの論考も、ぜひご一読ください。
『ゲンロン15』
『訂正可能性の哲学』の続編的位置付けとなる消費とリゾートをめぐる東浩紀の論考、アジアを代表する若手哲学者ユク・ホイ氏へのインタビュー、川上未映子氏によるエッセイ、原一男氏・大島新氏・石戸諭氏による鼎談、宮﨑裕助さんの「脱構築のトリセツ」など、豪華内容を収録した『ゲンロン15』が、今年最後に出版した1冊になりました。
webゲンロンでも多くの記事を試し読みしていただけます。
こちらの表紙は田中功起さんの作品で、愛猫「大福」を描いたもの。田中さんの美と政治をめぐる抽象的な思考と、家族的なケアの悩みを直結させた好評連載「日付のあるノート、もしくは日記のようなもの」も掲載されています。
年末年始は電子書籍セールも。雑誌「ゲンロン」は最新号も対象です!
さて、駆け足で「今年出た本」を紹介してきましたが、ゲンロンでは今日から年明け2024年1月8日まで、Kindle版電子書籍のセールを実施。対象となるタイトルは、紙版の半額でお求めいただけます!
雑誌「ゲンロン」は今年刊行した『ゲンロン14』、『ゲンロン15』も対象となっています。ぜひこの機会をお見逃しなく!
お読みになられた後は、感想もお待ちしています。
また、最後になりましたがゲンロンの出版活動は友の会のみなさまによって支えられています。本年も温かいご支援、まことにありがとうございました。
来年のゲンロンの刊行物も、どうぞお楽しみに!
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