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「デリバリーで美味しくリーズナブルなふぐ料理を届ける」時代に合わせて変化し続ける、とらふぐ料理店の挑戦

高級なとらふぐを安く・美味しく提供する、ふぐ料理専門店『とらふぐ料理 玄品(以下、玄品)』。運営するのは、ふぐ取扱高で日本一の実績を誇り、業界のリーディングカンパニーである株式会社関門海(以下、関門海)です。

メイン事業は国内外の「玄品」店舗(全69店)の運営のほか、大手通販会社やECショッピングモールでのふぐ商品の販売などです。「ふぐ料理を世界へ広める」をビジョンに掲げ、シンガポール店については先日リニューアルオープンするなど、海外展開にもさらに力を入れています。

そんな関門海の新たな挑戦が、「Uber Direct」と提携した自社デリバリーサービス、『玄品デリバリー』の導入です

「以前から自社デリバリーサービスの構想を練っていた」と話すのは、商品・営業企画部 シニアマネージャーの​​伊熊 明子(いくま あきこ)さん。

伊熊さんは海外留学の経験から語学が堪能で、「玄品」上海店の立ち上げや、シンガポール店の運営に携わっています。

ふぐ料理というと、料亭などでいただくイメージがありますが、なぜデリバリーサービスを始めることにしたのでしょうか。

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【ライティング】
株式会社ストーリーテラーズ 
ストーリーライター ヤマダユミ
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気軽に・リーズナブルにふぐを楽しんでもらいたい

「『ふぐ料理は敷居が高いと感じている人に、気軽に・リーズナブルに自宅でふぐを楽しんでもらいたい

その想いで社員や役員と話し合いを重ねた結果、自社デリバリーサービス『玄品デリバリー』を導入することに決めました」

そう語る伊熊さん。

ふぐといえば、「高級品」「かしこまったお店でいただく、ハレの日の料理」というイメージを持っている人は少なくないと思います。「普段とは違う特別な一品」であるふぐ料理を、あえてピザや寿司のようにデリバリーする。簡単なようですが、ブランドイメージへの影響や料理の味わいなど、懸念点もあったのではないでしょうか。

サービス導入の背景やお客様への想いについて、詳しく伺いました。

特許技術とリラックスできる店構え・接客でリーディングカンパニーに

創業以来、関門海は「美味しいふぐ料理を、日本全国の人にリーズナブルに食べてもらいたい」という想いで経営を続けてきました。

しかし、ふぐ料理は一般的には「敷居が高い」と思われており、多くの方にその魅力が伝わっていません。「玄品」はその固定概念を覆そうと、これまでにさまざまな取り組みを行ってきました。

なかでも力を入れたのは、美味しいふぐ料理を「リーズナブルに」「安定的に」「気軽に」お店で提供することです。

「玄品」で提供しているのは、ふぐの王様と呼ばれる「とらふぐ」。呼び名の通り、ふぐのなかでも最も高価で、天然物は漁獲量の少なさから高級食材とされています。事業を始めた当初、全店舗に美味しいふぐを安定的に提供し続けるのは、至難の業でした。

そこで「玄品」は、養殖の「とらふぐ」を大量に買い付けることで、提供価格を低減。「玄品技術」と呼ばれる特許技術を活用し、養殖でありながらも天然に近い味を実現しました。

さらに、店舗は敷居の高さを感じさせないよう、どんなお客様でも気軽に足を運びやすい店構えに。お客様にリラックスして料理を楽しんでいただけるよう、真心を感じさせる接客を心がけています。

丁寧にふぐと向き合い、心を込めてお客様と接してきた結果、「玄品」は業界のリーディングカンパニーといわれるようになったのです。

美味しくリーズナブルなふぐ料理を、デリバリーでも

常に新たなチャレンジを続けながら、会社を成長させてきた「玄品」。そこへ、予期せぬ事態が襲い掛かります。それは、2020年に始まったコロナ禍でした。

度重なる緊急事態宣言を受け、多くの店舗が臨時休業を余儀なくされる事態に。先の見えない外出自粛ムードが続くなか、急速的に国内で広がったのが、飲食店のデリバリーサービスでした。

「玄品」は新たに始めていたテイクアウトサービスに加え、「Uber Eats」を導入。店舗で一番人気のコース料理を、看板メニューとして売り出しました。

「店舗では多くのお客様がコース料理をご注文されるので、『Uber Eats』にも同じメニューを掲載しました。ところが…そのコース料理がまったく売れなくて。

『一番の人気メニューがなぜ売れないのか』
『ふぐ料理はデリバリーしてまで食べたいとは思ってもらえないのか』

悩みながらも、『どうしたら家でふぐ料理を食べてもらえるのか』を必死で考え、『ふぐ唐揚げ』や『てっさ(ふぐ刺し)』・『てっちり(ふぐちり)』を単品で販売することにしました。すると、単品注文のお客様が徐々に増え始めたんです。

デリバリーを頼むお客様は、『メインの料理だけ』『追加であと1品』など、単品料理を求めていたのだとわかりました」

来店されるお客様とデリバリーのお客様では、ニーズが異なることに気づいた伊熊さん。さらに、両者は客層もまるで異なっていたのだそうです。

「デリバリーサービスを導入したことで、図らずも『ふぐ料理はコースで楽しむもの』という固定概念を崩しつつあると感じています。また、これまでふぐ料理に馴染みがなかったであろう新たなお客様にも、美味しい料理を楽しんでいただけていることをうれしく思っています」


そして2023年10月、「玄品」は「Uber Direct」と提携し、自社デリバリーサービス「玄品デリバリー」のサービス開始に踏み切りました。

「『Uber Eats』のデリバリーで、ふぐ料理を楽しんでいただけるお客様が増えたのはうれしいのですが…配達料やシステム手数料の関係で、どうしても店舗より割高で提供せざるを得ません。でも、自社のデリバリーサービスを立ち上げれば、もう少し割安で提供できるんです。

コロナ禍を経てライフスタイルが変化した今、デリバリーは店内飲食・テイクアウトと並び、外食の選択肢の一つになりました。『美味しいふぐ料理を、日本全国の人にリーズナブルに食べてもらいたい』という創業当初から大切にしている想いを、デリバリーでも実現したいんです

伊熊さんの言葉通り、「玄品デリバリー」で販売される商品は、「Uber Eats」の販売価格より1〜2割程リーズナブルに設定されています。「てっちり」はお鍋で温めるだけでお店と同じ美味しさを、デリバリー人気ナンバーワンの「ふぐ唐揚げ」は揚げ立てのジューシーさを、「てっさ」は鮮度抜群の魚の旨味を、それぞれ心ゆくまでご家庭で味わえます。

時代に合わせて変化し、ふぐ料理の固定概念を変えていく

「ふぐ料理は定番の『てっさ』・『てっちり』以外に、『唐揚げ』・『寿司』など食卓に馴染みのある料理もあります。

『今日はおうちでプチ贅沢したい』
『お店の暖簾をくぐるのはちょっと気が引ける』

そんなときは、外食の一つとして『玄品デリバリー』を利用していただけるとうれしいです。

『ふぐを食べたことがない』『食べるのは年に1回』という多くのお客様に、1,000円代から楽しめるデリバリーで、ふぐの魅力を知っていただきたいです

伊熊さんはそういって笑顔を見せました。


関門海の今後の目標は、「玄品」の事業を通じ、「100年以上続く企業になる」こと。

そのためには、「『おいしい商品を提供し続けること』はもちろん、時代に合わせて柔軟に変化し、ふぐの新たな可能性を見出し続けることが必要」だといいます。

創業以来、定番のふぐ料理を提供し続けている「玄品」ですが、2021年以降これまでのふぐ料理のイメージを覆す、一風変わった食べ方を提案してきました。

若い世代に馴染みのある、ハンバーガーから着想を得た「ふぐの【王様・女王】バーガー」。
ラーメン業界の最高峰 、「らぁ麺 飯田商店」プロデュースの「ふぐらぁ麺」と「ふぐメキシカンコース」。

「格式高い日本料理」のイメージを覆す斬新なメニューは、「ふぐの美味しさを知らない人にも、その魅力を届けたい」という一心で生まれました。

『ふぐ=料亭の料理』という固定概念も、少しずつでいいから崩していきたいですね。貴重な日本の食文化を残していくためにも、現代の生活スタイルの変化とともに、私たちも臆することなく変化していきます

伊熊さんは力強く語りました。

コロナが終息した今、心おきなく家族や友人とのホームパーティーが楽しめるようになりました。「玄品デリバリー」によって、ふぐ料理がパーティー料理の定番に加わる日も、そう遠くないかもしれません。

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