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【再掲】2016年 最高の小説ベスト6


音楽ベスト10をやったら


小説もやりたくなりやした

休日の度ごとに喫茶店と丸善とブックオフに足繁く通い

読み重ねた小説は以下のとおり



結果24冊でした。一ヶ月2冊ペースか。思ってたより遅い。


ピースの又吉が言ってました


「読書に出会ってから暇だった時間が一秒もない」


それは確かに!となりました。

僕はどう考えても人生あと60年くらいでこれまで人類が刊行してきたすべての本を読むことは不可能です。

それならせめて生きてる間少しでも読みまくって、自分にグッとくる物語、言葉、セリフ、生き様を探し続けていきたいと考えています。

セレンディピティを大切に生きています。



第6位 「逃亡者」折原一

逃亡者 (文春文庫)

持ちかけられた交換殺人に乗ってしまい、知人の夫を殺した罪で逮捕された友竹智恵子だが、警察の不手際で脱走に成功。顔を変え、身分を偽り、日本全国を逃亡し続ける。智恵子を追いかける警察の執念。時効の壁は15年。逃亡劇は驚愕の結末へ突き進む。


折原一は叙述トリックの名手として知られています。叙述トリックというのは、あえて重要な事実を隠すことで、結末に大きなどんでん返しを与える手法です。

必ず騙されます。叙述トリックだってわかってても騙されます。ミステリとしてもおもしろいし、智恵子の逃亡劇は人間ドラマとしても面白い。582ページ全く退屈しなかった。徹夜本。



第5位 「密室殺人ゲーム王手飛車取り」「密室殺人ゲーム2.0」「密室殺人ゲーム・マニアックス」 歌野晶午

密室殺人ゲーム王手飛車取り (講談社文庫)

密室殺人ゲーム2.0 (講談社文庫)

密室殺人ゲーム・マニアックス (講談社文庫)

頭狂人”“044APD”“aXe(アクス)”“ザンギャ君”“伴道全教授”。奇妙なニックネームの5人が、ネット上で殺人推理ゲームの出題をしあう。ただし、ここで語られる殺人はすべて、出題者の手で実行ずみの現実に起きた殺人なのである...。


シリーズ物です。

ネットで会話する5人のミステリマニア。5人は殺人事件のクイズを出し合っています。それはただのクイズではなく、実際に自分が犯した犯罪が問題となるクイズなのであった。

人死にまくります。トリックを当てるのがメインなので、人間ドラマはございやせん。人は簡単に殺します。推理がおもしろい。普通の殺人事件ではなく、まさに愉快犯の殺人なのでトリックが凝っています。


第4位 「その女アレックス」 ピエール・ルメートル

その女アレックス (文春文庫)

おまえが死ぬのを見たい―男はそう言ってアレックスを監禁した。檻に幽閉され、衰弱した彼女は、死を目前に脱出を図るが...しかし、ここまでは序章にすぎない。孤独な女アレックスの壮絶なる秘密が明かされるや、物語は大逆転を繰り返し、最後に待ち受ける慟哭と驚愕へと突進するのだ。


外国の小説は正直苦手。登場人物を覚えるのが大変だからです。でもこの小説はキャラがとても立っていてとても覚えやすい。ちびの刑事カミーユ、金持ちルイ、けちんぼアルマン、でぶル・グエン。一人ひとりがとても魅力的。


あとピエール・ルメートルという作家、あるいは橘明美という翻訳家は、人の心を揺さぶってくるのが大変お上手です。アレックスが監禁されているシーンをカフェで読んでいた時は、あまりの閉塞感描写に本当に息苦しくなり、カフェを出たこともあるくらい。そんくらい感情移入させられます。

今、同じ作家の「天国でまた会おう」という作品を読んでいますが、その作品も戦争で負傷した兵士の痛みや心の傷なんかを抉いぐらい浮き彫りにしてきて心が動かされます。


第3位 「火の粉」 雫井脩介

火の粉 (幻冬舎文庫)

元裁判官の家の隣に、かつて無罪判決を下した男が引っ越してきて以来、不吉な事件が連続して起こる。人は、火の粉が自分の身に振りかかって初めてその恐ろしさに気付く。


いわゆる「怖い隣人」モノです。本当に誰がおかしいのか最後までわからなくなってます。どきどきはらはら読み始めたら止まらない徹夜本です。ドラマ化されてて、ユースケ・サンタマリアの怪演が光ります。普段草彅剛とぷっすまやってるエロおやじとはまた一味違う。



第2位 「白夜行」「幻夜」 東野圭吾

白夜行 (集英社文庫)


幻夜 (集英社文庫 (ひ15-7))

19年前(1973年)、大阪で起きた質屋殺し。何人もの容疑者が捜査線上に浮かぶが、決定的な証拠がないまま事件は迷宮入りに。被害者の息子・桐原亮司と容疑者の娘・西本雪穂は、その後別々の人生を歩んでいくかに見えた。だが、二人の周囲には不可解な凶悪犯罪が次々と起きる。人の心を失ったゆえの悲劇を、叙事詩的スケールで描いている。


叙情詩的。これ一番好き。叙情詩でなく、叙情詩的。この小説のすごさは主人公の主観が書かれてなくて、淡々と客観的状況が描写されているところ。ほかの小説とは一線を画す構造になってます。そして主人公の桐原亮司と西本雪穂の数奇な運命。幸せになりたいのに・・・。

われらが大阪府立大学のエース東野圭吾先生の素晴らしいのは伏線回収にあると思います。これがここに・・・。っていうのを何回体験したか。これは読書でしか味わえないカタルシスだと思います。ホンマにぜひみんなに読んでほしい。亮司と雪歩の人生を共に体感してほしい。

幻夜は違う作品でありながら似通った設定なので続編と言われています。東野圭吾は明言してないので、そこは読者に委ねられているという趣でしょうか。


第1位 「新世界より」 貴志祐介

新世界より 文庫 全3巻完結セット (講談社文庫)

1000年後の日本。人類は「呪力」と呼ばれる超能力を身に着けていた。

注連縄に囲まれた自然豊かな集落「神栖66町」では、人々はバケネズミと呼ばれる生物を使役し、平和な生活を送っていた。その町に生まれた12歳の少女・渡辺早季は、同級生たちと町の外へ出かけ、先史文明が遺した図書館の自走型端末「ミノシロモドキ」と出会う。そこから彼女たちは、1000年前の文明が崩壊した理由と、現在に至るまでの歴史を知ってしまう。

禁断の知識を得て、早季たちを取り巻く仮初めの平和は少しずつ歪んでいく。


これはたまげました。小説で、ただの文字の羅列でここまでの世界観をこしらえることができるのかと。上のあらすじだけ読んでもなんかファンタジーなアニメっぽい作品に見えますけど、そこにあらゆるテーマが詰まっていて、それでいてオチは衝撃。ひっくり返ります。全部。

ちなみに

新世界より コミック 全7巻完結セット (週刊少年マガジンKC)

漫画も買いました。ロリレズ漫画に見えますが、そう見える人は多分中を読んでいない人です。ほんとに深いんです。思いも付きません。貴志祐介の頭の中はどうなっているのでしょうか。こんなん凡人には書けん。思いつかん。


来年も読書に励みます。


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