原口元気がnoteを始める理由
TwitterやInstagramに載せるには長すぎる。
僕が考えていることをツイートしようとすれば、10回に分けないといけないかもしれない。
映える写真が並ぶInstagramのタイムラインに、僕のトレーニングする写真とともに長文のメッセージが載っていたら場違いになるかもしれない。
そんな投稿をしたら、「原口は一体、どうしたんだ?」と心配されるだろう(笑)
でも、ブログに書いていくのでは、自己満足なもので終わってしまう気がする。
だから、noteが良いな、と思ったのだ。
どれくらいの時間や負荷をかけて筋力トレーニングをしたら、どのくらいの疲れや筋肉の張りが出るのか。週に2回の試合が組まれている時はどうなのか、日本で代表の試合を戦ってからドイツへ飛んだ週はどうなのか。マッサージを受けたり、交代浴をした時には、疲れや張りがどれくらい軽減されるのか。
そういった変化を細かく記録していた時期がある。ドイツでプレーするようになってからの2年間くらいはかなり丁寧に書いていたと思う。はじめのうちは発見もあった。
ただ、しばらくたてば感覚もつかめてくる。だから、いつしか、記録することもなくなった。もちろん、そうした変化を知れたことは成長につながったけど……。
それに、そうした記録は、将来的には機械がやってくれることなのかもしれない。
AIではできないことを、ヒトの手と頭を動かさないとできないことを、僕はやりたいと思っている。
そもそも、変化を記録するというのは「過去」を振り返ることだ。
そうではなくて--。
キレのある動きをするために、長い距離を走るためにどんな工夫をしているのか。
試合中に良い判断が出来るように、高いモチベーションとともに練習に臨めるように、どんなメンタルトレーニングをしているのか。
あるいは、もっと専門的な話もある。
熱い気持ちが乗り移ったプレーをしながら、冷静な判断を下すためにはどうしたらいいのか。
相手チームの選手と同じ目線ではなく、サッカーのピッチの上から見ているような視点を確保するにどうすればいいのか。
時には、自分の過去の失敗を分析することもあるかもしれない。将来的に大きな成果をつかむために取り組んでいることを紹介することもあるかもしれない。
僕が頭のなかでどんなことを考え、どんな分析をしているのか。心身共に良いパフォーマンスを引き出すために、どんなことに情熱を注いでいるのか。
「今」や「未来」につながることを、noteに書き連ねていこうと考えている。
原口ラボ(=実験室)みたいなイメージなのかもしれない。
僕は、自分が取り組んでいることの意義を分析したり、説明したりすることには大きな意味があると思っている。誰が読んでもわかるように、言葉で表わすことは、自分の思考を整理することになるからだ。
そうやって言語化して初めて、自分の感覚に従ってやっていたことの意味を僕自身が理解することにもなる。
僕はもう28歳だ。今シーズンが終わるころには29歳になる。サッカー選手としては、中堅からベテランの域にさしかかろうとしている。ドイツでプレーするようになって6年目のシーズンを迎えているし、日本代表にもコンスタントに選ばれるようになった。
その過程で僕は色々な専門家に話を聞いたり、指導してもらってきた。
例えば、2014年からは筑波大学の谷川聡教授の指導の下で、肉体改造に取り組んできた。速く走れて、正確に止まることができて、怪我をしづらい身体を作るためだ。noteに興味を持つきっかけも、谷川先生の研究室に所属していて、僕が日本で指導を受ける際にトレーニングに付き合ってくれた九鬼靖太だった。専門的な内容を定期的に発信していくなかで、彼は色々な発見や学びがあったと教えてくれた。
若いプロサッカー選手、高校生や大学生、サッカーチームの指導者、サッカー少年を持つ親御さん……。少なからず色々なことを勉強してきた上で、僕が取り組んでいることを公開することが誰かのためになったら嬉しいなと思っている。
しばらくの間は、無料で公開するつもりだけど、将来的には一部は有料のコンテンツも出していくことになるかもしれない。
無償で教えてもらうことって意外と頭に入ってこない。そもそも、僕が色々な人から教えてもらってきたことはきちんとお金を払うべき内容だった。ただ、この取り組みを通してお金儲けをしたいからではない。だから、有料にしたときには、売り上げの中から社会の役に立つような寄付をすることを計画していて、マネージャーともすでに話を進めている。
noteでファンのみなさん、読者のみなさんとの接点も作られていくかもしれない。だから、これから先にどんな風に進化していくのか、僕自身も楽しみだ。
これは僕の日々の戦いを記録したnoteだ。
それでも、あなたにとっても読み返す価値のあるnoteになることを願っています。
原口元気
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