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生薬百選8 曼陀羅華(まんだらげ)

今回は、歴史的な大手術に使用された生薬を紹介します。

西暦1804年10月13日、華岡青洲は世界で初めて全身麻酔下で乳癌の摘出手術を成功させました。これはアメリカでエーテル麻酔を用いた手術より、40年も前の出来事です。

この手術に用いられた全身麻酔薬(通仙散)は主に曼陀羅華(まんだらげ)という生薬を主成分とするものでした。

曼陀羅華とはナス科のチョウセンアサガオのことで、草丈は1m程で夏にアサガオに似た白い花を咲かせる植物です。

全身麻酔薬の開発においては動物実験の他、最終的に投与量などを決めるために人体実験が必要でした。このことで苦悩する華岡青洲を見かねた母と妻が実験台になることを申し出ました。二人の献身的な人体実験のおかげで全身麻酔薬を完成させることが出来ました。

その後、華岡青洲は約150例にもおよぶ乳癌摘出手術を行なったそうです。 華岡青洲は医療に貢献した人として、曼陀羅華と共に切手にも描かれています。

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