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JBCF東日本ロードクラシック パワーデータ


クラス:Jプロツアー
開催地:群馬CSC
日程:7月23日
距離:120km
天候:雨のち曇り

出場チームメイト:281中島康晴、282山本元喜、283椿大志、284新城雄大、285山本大喜、288トマ・ルバ


レース前のミーティング

今回は前半に逃げが出来るようであれば、中島さん、椿、大喜で対応してもらい、危なそうな動きや逃げの打ち合いが長引くようであれば、他のメンバーも加わっていき、最終的には自分、雄大、トマの誰かで話し合いながら勝負するという作戦。


レースレポート

雨のCSCという事でスリップ注意でレースに挑む。
前回の公式レースはオーストラリア遠征のヘラルド・サン・ツアーだったので約5か月ぶりのレース。
自分も含めてレース走行に慣れていない選手や、室内トレーニングばかりの選手もいるはずなので、序盤の数周は落車や接触のトラブルに特に気を付けるようにする。
できる限りはキープフロントを意識し、有力選手が動くようであれば自分も動くようにしていきたいと思っていた。
半周のパレードを終えて1号橋を通過後にレースがスタートする。
レースはスタート直後からアタックの出入りが繰り返されるが、決定的な動きは発生せず。
大喜、椿、中島さんが交互に動いて逃げを狙ってくれているが、中々決まらない。
自分は先頭が見える位置をキープし、有事の際に動けるように意識も向けておく。
1周目が終わり、2周目も逃げが決まらないまま。
3周目の1号橋を通過後にトマを含む数名がアタックで抜け出す。
「トマが行ったか……、これは有力選手が前に集まる可能性が高い」と警戒する。

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案の定、心臓破りの坂の麓からマトリックスのキンテロ選手がブリッジを仕掛ける。
即座に反応するが後ろにはつけず、少し離れて追い続ける。
120回転近い高回転でブリッヂを追走し、心臓破りの坂の頂上で先行していた集団に追いつく。
後ろが離れていることで、先行している集団に逃げムードが高まり、ローテーションが始まる。
ちょうど3周目の中間スプリントがあり、キンテロ選手が1着通過。
それと同時に後ろから数名が追いついてきて、メンバーのシャッフルが起きる。
逃げの意思があるメンバーでローテーションが始まる。
15名程の大きい逃げ集団で、集団とタイムギャップが1分強。
その後、1人が遅れ14人になりつつ、メイン集団が活性化してタイム差が40秒まで詰まる。
それぞれの思惑に違いからローテーションが乱れることもあるが、基本的には逃げたい選手が多いこともあって、再びペースアップしタイム差が1分40秒まで開く。
5周目の途中でタイム差が2分を越えてくる。
ここまでくれば、とりあえずは逃げが決まったことは確定。
キナンの選手が逃げ集団内に一番多く、トマ、自分、雄大の3人。

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ミーティングで勝負すると決まっていたメンバーなので、キナンにとってかなり有利な展開ではあるが、逃げが潰れると一気に不利になる諸刃の刃状態。
とりあえず、6周目の中間スプリントを狙ってみるが、愛三の草場選手に取られる。
スプリントに挑むか躊躇していたところもあったので、少し中途半端な感じになってしまったが、最大出力1177Wだったので、自分的にはかかりが悪かったわけではない。
スプリンターでも無いので、特に落ち込む必要もない、と考え再び逃げを続ける。
6周目の途中でタイム差が3分差まで広がる。
このころには露骨に逃げたいメンバーとチェックで入った選手が分かれてくる。
逃げのメンバーは
マトリックス・小森さん
弱虫ペダル・織田選手、前田選手
ブリッツェン・増田さん、小野寺選手
ブラーゼン・柴田選手、佐藤選手
レバンテフジ・佐野さん、海野選手
キナン・トマ、自分、雄大
愛三・草場選手

マトリックスのキンテロ選手が、中間スプリント後にメイン集団に戻ってくれたのがかなり大きい。
このメンバーの中で実力的に要注意なのは間違いなく増田さん。
草場選手と小森さんも露骨にローテーションに加わっていないので注意が必要。
特に、小森さんは安原監督から「後から他のメンバーに追わせるから、ローテーションに加わらんでいいからな」とハッキリと指示が出ている。
この辺りで、雄大とトマと話をして、最後の仕掛け合いでは自分が動き、スプリントになるようであれば雄大で勝負という事になる。
先ほどの中間スプリントでも負けたので、異論はない。
トマ的にもオッケーといった感じ。
脚を残している選手と勝負するために自分は脚を溜め、代わりに雄大とトマがしっかりとローテーションに入ってくれる。

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自分は脚の温存目的でローテーションから頻繁に外れるが、乱れそうな際には加わるようにする。
逃げを潰したいわけではないので、ローテーションが回らなくなるのを避けるための動きである。
タイム差は3分30秒まで広がるが、そこから右京がコントロールに入り、タイム差が動かなくなる。
9周目の中間スプリントを小森さんが1着通過する。
これは最終局面になると、小森さんの動きに注意を払う必要がある、と判断して小森さんをマークすることにする。
付き位置で脚を温存しつつ、残りの周回数が減り続ける。
逃げ切りたいメンバーの意思統一が出来ているので、逃げのペース自体は安定しているが、自分、小森さん、草場選手のローテ拒否組で時折、中切れの仕掛け合いが勃発し、他の選手も巻き込まれることがある。
集団の牽引においてはトマがかなりの力を発揮してくれている。
本当に自分で勝負でいいのか考えそうになるが、やると言った以上は勝負するしかないので、考えないようにする。
12周回にもなると、タイム差が3分10秒台まで縮まってくる。
ロードレースのセオリーで考えるのであれば、最大で1周30秒詰めるのが限界だろう。
それで逆算した際にタイムが多く残っていれば、逃げ切り確定が濃厚。
また、追いつかれたとしても、メイン集団はかなり消耗しているハズなので、逃げで脚を温存できていれば、十分に勝機は残っている。
そして、何よりトマと雄大がローテーションに入ってくれているので、簡単には逃げのペースが落ちないというのが、かなりの安心感を生んでいる。
残りの距離が減るにつれて、逃げの人数が絞られていく。
縮まったタイム差を広げ直すべくペースが上がった13周目に、佐野さんと柴田選手が遅れる。
ペースアップに合わせて、中切れの仕掛け合いも激化し、逃げの後方でインターバルがかかり始める。
無駄脚を使わないように警戒しながら、上手く立ち回り続ける。
14周目には海の選手がドロップする。
15周目に一気にタイム差が詰まってくる。
タイム差2分48秒。
「いよいよ、集団が協力して逃げを潰しに来たか?」と考えていたが、実際にはマトリックスが本格的に追走を開始していた様子。
それに合わせて、逃げ集団ではトマが強力な牽引を開始する。
15周目の終わり、ラスト5周でタイム差2分30秒。
逃げ切れるかどうかが微妙なところだが、個の追い上げ方は後ろのダメージも相当のハズ。
ラスト5周の1号橋を通過したあたりで、雄大の脚が完全に止まった感じで遅れる。
ラスト4周に入り、タイム差2分7秒。
これは逃げ切りが確定だろうと判断し、ゴールに向けた組み立てを頭の中で始める。
色々と考えた結果、自分の今の脚の余裕具合では最終周の心臓破りの坂の麓からゴールまでしか踏み切る余裕が無い、と判断する。
ラスト2周の心臓破りでアタックして、ラスト1周に入るというのも魅力的ではあるが、確実に他の選手が同じ動きをするはずなので、それに合わせた方が良い。
それを目標に、他の選手の動きを冷静に判断しつつ、無駄足を使わないように細心の注意を払う。
相変わらず、トマの強力な牽引は健在。
ラスト3周へ入り、メイン集団とのタイム差が2分13秒へ。
さらにトマの牽引によってタイム差2分27秒へ、ここからはタイム差を気にしない。
逃げ切りを確信した逃げ集団では、更なる抜け出しを狙いアタックする選手が出てくるが、トマがペースを維持してくれるおかげで、牽制がかからない。
そのおかげで、冷静に前を追う選手の動きに乗って脚を温存することが出来る。トマがペースを刻みながら心臓破りの坂を越える。
トマがペースを刻みながら心臓破りの坂を越える。

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ホームストレートの手前でトマから「ゴールスプリントか?」と聞かれたので、「ラストの登りでかける」と伝える。
ラスト2周へ、ここからの動きは状況次第で、そのまま逃げ切りに繋がるので絶対に外せない。
下り切り、2号橋を通過したあたりで増田さんがアタックする。
先頭に居たトマがそのままペースを上げて追ってくれたおかげで一気に差は広がらない。
増田さんの勝ちパターンの動きなので絶対に追いつかないといけないが、トマが差を維持してくれている間は、増田さんが消耗し続けるので待ちたい。
心臓破りの坂で一気にブリッヂを仕掛けることに決め、脚と心を整える。
そして心臓破りの坂の麓から一気にアタックし、ブリッヂを仕掛ける。
しかし、流石は増田さん、登坂の速度が想像以上。
データでは心臓破りの坂を41秒579Wで踏み切ったのだが、追いつけなかった。
ここで差を詰め切るつもりで踏み切ったので、かなり脚を使ってしまっていて、ここから詰める余裕が無い。
「無理に追い込んで失速するより、ペースを維持して2位を守るべきか?」という迷いが生まれ、後ろを振り返ると織田聖選手が付いて来ていた。
2人なら、さらに後ろの選手から追いつかれにくいし、まだ、増田さんに追いつける可能性が残っている。
2人で交代しながら増田さんを追いかける。

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織田選手もかなり辛そうで、時間をかけていては増田さんに追いつくのは無理だろう。
踏める直線で踏み倒し、17秒553W、31秒417W、57秒395Wを順に出して、限界寸前の状態で増田さんに追いつく。

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3人で最終局面へ。
下り切ったところで、増田さんがアタック。
一瞬遅れて織田選手が反応し、自分が後ろに付く。
10秒間634W。
1号橋辺りで織田選手が追いつく。
「二人とも今の動きで疲れている、イケる!」と咄嗟に判断しカウンターアタック。
5秒737Wで加速し、一気に差が広がるが、自分の脚にも限界がきているのでペースを維持するのは容易ではない。
体を小さくして少しでも空気抵抗を減らし、少ない力で速度を維持できるように工夫する。
頻繁に後ろを確認するが、差が広がっている感じは無い。
2対1なので追いつかれる可能性も高い。
心臓破りの坂へ差し掛かる。
坂の頂上からゴールまでは1km以上の距離がある、ここで脚を使い切ってしまうと残りで失速してしまい、確実に追いつかれるので一気に踏み切りたい気持ちを抑える。
やはり、登りでは増田さんに完全に分があり、心臓破りの坂の頂上で織田選手も一緒に追いつかれて3人になる。
ラスト2kmを切っている。
若干のけん制が入りつつ、3人でローテーションを回る。
いつもであれば、ラスト1kmでのアタックや、500mからのロングスプリントで勝負に出る。
だが、今日はゴールスプリントで勝負することに決める。
ラスト1kmを切ったところで、織田選手が先頭で自分が2番手。
先頭交代を拒否し、織田選手、自分、増田さんの並びでゴールへ向かうこととなる。
冷静に落ち着いて、自分の全力でスプリントした結果、まさかの優勝。

今までスプリントで勝てたためしが無かったので、自分自身で驚き過ぎてガッツポーズすることを完全に忘れていた。

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JPT初戦の優勝という事で、ルビーレッドジャージを獲得した。

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感想

レース展開は最初の作戦とかなり違うものになってしまったが、それが上手く嵌ってくれて良かった。
最終局面に向かうまでの間で、逃げ集団ではトマと雄大が積極的にペースを引き上げてくれ、メイン集団では残ったメンバーが上手く集団をコントロールしてくれていたので、本当に助かった。
特に逃げに一緒に入った二人のおかげで存分に脚を温存することが出来たので、万全の状態で最終局面を迎えることができ、展開を有利に運ぶことが出来たと思う。
自分だけではこの結果を得ることは絶対に無理だった。

最終局面での判断はおおむね冷静に対応できていたと思うが、カウンターアタックに関しては、「早く勝負を決めてしまいたい」という欲と、気持ち的な逃げの部分が出た結果だと思うので、改善しないといけないと考えている。

自分で勝負するために、集団の牽引を任せていた際には「負けられない」というプレシャーはかなりあったが、「しっかりとトレーニングは積んできた」という自信はあったので、脚を温存出来れば十分に勝機はあると信じていたこともあって、緊張はしていなかった。

自分自身のこれまでの問題点として、ゴールスプリントがからっきしという事もあり、今年はトレーニングの際にスプリント練習にも重点を置いて行っていた。
今回はそのトレーニングの効果を実感することができて良かった。
ゴールスプリントである程度の勝負が出来るようになれれば、作戦の幅が大きく広がるので、これからもさらに強化できるように頑張っていきたい。

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キツさレベル



かなり脚は辛かったが温存することが出来ていたので、最後までちゃんと勝負することが出来た。


パワーデータの有料公開について

今回のレースよりパワーデータを有料公開します。
有料エリア内にパワーデータのリンクを貼りますので、そこからダウンロードをお願いします。
ダウンロードが出来なかったり、不明な点がある場合にはコメント欄やメッセージでご連絡をお願いします。


細かい価格の基準・ルール等については

レースデータ価格表(暫定・需要により変更の可能性あり)

AACA・イベント等 150円
JBCF・JPT   300円
UCI 2クラス   450円
UCI 1クラス   600円
UCI HCクラス  750円

・3位までに入ったレースは2倍
・DNFのレースは半額


注意点・ルール

・データは.fitファイル形式でダウンロード可能です。
 閲覧にはGolden Cheetah等の解析ソフトか、Strava等にアップロードする必要があります。
・ダウンロードしたファイルによる、Strava等のトレーニングログSNSに「公開」状態でのアップロード並びに、タイムボードへの参加を禁止します。
「非公開」状態のアップロードによる、区間タイムの確認等は問題ありません。
・ブログやFacebook、Twitter等SNSへの画像の掲載はスクリーンショットのみ許可します。
スクリーンショットは1ファイルに付き4枚を上限とし、掲載した際には購入元の記事のコメント欄にリンクを貼って下さい。
・無償・有償、ファイル形式を問わず、二次配布を禁止します。

ルール違反が見つかった際には、メッセージで警告の後に改善が見られなければ、該当の購入者をブロックさせていただきます。


注意点・ルールは変更していくことがあるので、定期的に確認をお願いします。
注意点・ルールに関する質問がある方や、ルール違反を発見された方は、コメント欄やメッセージにてご連絡ください。

データ内容
・時間
・距離(GPS計測のため誤差あり)
・速度(同上)
・出力(Power2Max測定)
・左右バランス(同上)
・ケイデンス(ケイデンスセンサー計測)
・標高
・緯度経度
・Slope
・気温

心拍データは計測ミスにより無し

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