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人事のお悩み

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#仕事

働く人がメンタル不調になる仕組みと会社ができること

日本人の働く時間は相変わらず諸外国と比べても長い。誰にも等しくある1日24時間のうち、最も長く過ごすのが、職場。 長くいればいるほど、そこでストレスに晒されることは想像できます。 想定外の仕事を任されてしまうこと、理不尽な上司や顧客からの指示、実力以上の仕事で成果が出せない、などなど上げればきりがありません。 でも、職場で社員が感じるストレスをすべてなくすことなんて、不可能です。どんな場所にもどんな人にも、耐えられないストレスはあるし、逃げ出したくなることもあるでしょう。

人事が変わると会社が変わる

会社での人事部の役割といえば、人材採用、評価、配置、育成、労務管理など 「人」に関わる管理業務ですね。 私は人事労務の仕事に約30年携わってきました。偶然社内異動で人事になったわけですが、やりがいを感じて、人事のプロになろうと決心したものでした。 なぜそこまで私を惹きつけたのか。 まずは「人材採用」、会社にとっては毎年の恒例行事でしかない新卒採用や、欠員募集は、人数が集まればいい、というものかもしれません。でも採用される側にとっては、人生を左右する大きな問題。勿論、採用だけで

管理とマネジメントの違い

企業の中で、管理といえば、管理職。 管理職はマネジメントをするのが仕事だと思っていませんか? 管理職=マネージャークラス、という一般的な言葉の印象から、何となく管理することとマネジメントは同じことのように思ってる人も多いように感じます。 マネジメントといえばドラッガー。彼は「組織をして成果をあげさせるための道具、機能、 機関がマネジメント」と定義しています。 管理とは、「ある基準から外れないように、統制すること、〇か✖かを判断して、✖を〇にしていくこと」です。 管理する

13年前の3.11から学ぶこと

昨日で13年が経ちました。昨日書こうと思いましたが、色々なことを思い出したりしていたら、1日経ってしまった。。 あの日、私は渋谷で、いつも通り会社の中でお仕事。2時半から休職中の社員面談の準備をしていました。そこに突然、大きな揺れ。うちの会社は1Fから3Fまでフロアが分かれているので、全員の安否確認を私が一人ですることができなかった。でも内線はつながるので、各フロアの偉い人にフロアごとの確認をしてもらって、危険なものから離れるように、防災グッズを手元に置いて、と連絡。外出し

ドイツに見習うべき働き方改革

「失われた30年」と言われている日本人の賃金の低空飛行状態。 「働き方改革」だといって、残業を減らそうと旗揚げしても、オムライスの上の国旗程度(昭和の人しかわからないですね・・・)で、働く世代に安心感も満足感も生むことはない。 日本人の真面目な気質ととても似ているといわれるドイツは、圧倒的に労働時間が少ないのです。日本の平均労働時間より20%も少ない。 そして有休消化率も高く、一人当たりの国内総生産は1.5倍も高い。 労働時間が少ないのに、豊かな生活をしている、ということで

めんどくさい部下・無言で辞めちゃう部下

「それって私なんですか?」 仕事を依頼すると、こんな返事が返ってくることも珍しくない。 「いやいや、仕事だし、急ぎの依頼だし、誰かがやらなくちゃいけないことくらいわかるだろう。今、手が空いてるのは君だけだし、、、、」 上司はそう思っていても、それは部下には届いてないのです。 結局、こういう急な案件、急ぎの案件は、「はい」と素直に答えてくれる部下に集中するのです。 「はい」と素直に答える社員も、本当は時間的に厳しい、なんで自分ばっかり・・・と思っている人もいるでしょう。

会社員がやる気を失う理由

社員のやる気が見られない、指示待ちだ、と社員の質のせいで結論づけていることはないでしょうか。 株式会社チームスピリット「タイムマネジメントに関する意識調査」を参照。 創造的な仕事をしたい、という意欲がある若者はとても多いのですが、実際に入社してみると、無駄だと感じる作業に多くの時間を割かれている現状があるのです。しかも残業時間削減の命令が出るわけですから、無駄な仕事を優先的に終えると、残りの時間で創造的なことはできず。 徐々に諦め、会社に求めるものは、安定と給料・・・とな

間違ったメンタル対策

企業でのメンタルヘルス対策は 今や経営戦略そのものです。 なぜなら 働く人が100%の元気で仕事に挑めずに どうやって成果を出すのか、、 いくらAIが発達しても それを動かすのは人間です。 人が全く不要な世の中はやってこない。優秀な人材の確保は これからますます厳しくなる人材不足の社会では急務の経営課題と言えます。 ところが メンタルヘルス対策となると どうも企業によっては 全然方向違いに進めているところをお見受けします。 職場のメンタルヘルスと医療のメンタルヘルスは 少し

長時間労働とメンタル不調の相関関係はあるのか?

心身の疾患、過労死のリスクが高くなる長時間労働を禁止する法律は益々厳しくなっています。 日本人の労働時間は世界的に見ても かなり長時間になっています。 ですが、実際、長時間労働は企業側だけの責任とは言い切れません。 戦後の高度経済成長期からの長い日本人の働き方が文化となっているところもありますし、働く側も残業時間が生活費になっているから減らされることへの抵抗感も否めないでしょう。 長時間労働が美徳の時代はもう終わりです。この美徳にぶら下がっているのは中高年だけ。その過去の常

ワークライフバランスの本当の意味

すっかりおなじみになりました ワークライフバランス。 仕事ばかりの時間ではなく、もっと自分のプライベート、家族、趣味などに時間をかけ、有意義な人生を送りましょう、という政府の施策です。 特にコロナ禍でテレワークが進み、会社に足を運ばなくてもいい時代になったおかげでずいぶんワークライフバランスも進んだ企業も多いと思います。 30年位前には 「24時間働けますか?」のCMが大流行するほど仕事漬けの日本人を象徴していました。 その頃は長時間労働すること イコール 会社に貢献

女性活躍推進は誰のため?

世界的にも遅れをとっている女性の働き方を改革するために 7年程前に成立した法律です。日本の女性は非正規社員が多く、平均収入も最も低いデータが出ていて、今でもさほど変わらない。 特にシングルマザーの非正規社員の場合、子供の教育活動にも大きく影響し、子供の生涯年収の低下が危惧される。未来の日本を背負っていく若者に選択肢の多い将来を見つけてもらうためにも 親の貧困から見直す必要がある、ということでしょう。 この考えは ごもっとも。でも今更??と言いたくもなります。 私の記憶で

人事部の役割って?

私のキャリアは人事部が一番長いのです。 医療機関では3年位、IT企業では27年位。職業人生のほとんどを人事部で過ごしてきました。 私の業務は人事の中でも労務。給与計算や社会保険、入社退職のレクチャ、採用、そして健康診断や出張手配、社宅の管理。かなり幅広い仕事を担っていました。 でもこれが面白い! 会社の中の「ゆりかごから墓場まで」みたいな仕事ですよね。 最初異動したばかりのときは 本当に大変でした! 何せ給与計算なんて全くしたことがなく、何しろ教えてくれる人もいない!!(担