天気の子に関して、突飛な話

おはよう世界、やな日和だね。雨降りで寒くって寒くって。まもなく冬だねぇ、受験生には辛いよ。日本人の桜好きは、冬の苦しい時期を乗り越えて咲く姿に、自分を重ね合わせるからなんだろね

思いついたことがあってさ、これはもう書くしかないと思ったんだ

タイトルの通り、「天気の子」の話だ

ご存じ、新海誠監督の作品、メガヒット作の「君の名は。」の次に公開された作品だね

天気の子を見た僕の感想としては、正直なところ、モヤモヤする。そんな感じ

「君の名は。」のドキドキハラハラ、固唾を飲んで見守った先に待つ大団円ドーン!って、最高にエキサイティングな体験した後だったから、尚のことスッキリさせてくれない焦ったさが、なんとも釈然としないと言うか、素直に褒めさせてくれないと言うか

映像は極めて良かったんだけどね、僕も世界をこんな風に見てみたいと、何度思ったかわからない

さて、そろそろ本題であるところの「突飛な話」をしよか

もはや4年以上も前の作品だから、遠慮なくいくよ。無論、僕が正しいとは口が裂けても言えないから、戯言だと思って、適当に付き合って欲しいな

「天気の子」のね、なんとなく良い評価をしづらいな、正直「君の名は。」の方が圧倒的に面白かったなと感じてしまう部分

ラストだよね

主人公がヒロインを助けて、その結果、東京は止まない雨に沈みました、日本沈没ですってオチ

未曾有の災害に見舞われたけど、別に生きていけないわけじゃないし、なんだかんだでみんな前を向いて新しい世界を歩もうとしてる

大人はみんな、誰も悪くない、罪悪感を感じることなんてないさって言うけど、主人公はどうしてもほの暗い気持ちになってしまう

最愛の人は戻ってきたけど、ヒーローは世界にとってヒールになってしまった

もたらした結果としては、愛する人ごと大勢を救うことになった「君の名は。」と真逆になる

きっと方向性の違うヒーロー像、世界のままならなさってのを描こうとしたんだろなって、メタ的な視点では解釈できる。実際そっちの方が生々しくて良いよね

でも、なんとなしに僕はそれだけじゃないと思ってるんだよね

優れたクリエイターってのは、意図してなくても、社会が抱えてる問題とか、漠然とした不安みたいなものを、作品に滲ませてしまうもんだと思ってる

「天気の子」の主人公に滲んでしまったそれっていうのは、若い世代の政治に対する関心ってやつだと思うんだよね

はっきり言ってしまうと、日本の未来なんぞより画面の中の女の子がサービス終了で消えてしまう方が嫌だよねってメッセージを、天気の子の主人公が孕んでるって話

突飛だろ?与太話だと笑い飛ばして欲しい

ああ、どうかそんなに怒らないで。作品を貶めたいわけじゃない、主人公をDisりたいわけでもないんだ。なんとなく、そんな匂いがするなって話だよ

もちろん、世界なんぞ知るか!俺はあの子を助けたい!って言って、法律も世界の未来もなんもかんも無視して奔走するヒーローってのはカッコいいもんさ、様式美だ

でも様式美で終わらないのが主人公の帆高君だ

エピローグで、彼は今すぐにでも土下座して許しを乞いたい、そんな顔をして再登場する。すごくバツが悪そうな態度で

でも、誰でもせいでもない、大変だったけどみんな順応してどうにかやっていくさって、大人の言葉をもらってすごすごと退散していく

ヒーローなら女の子を助けたってことで、堂々としていてほしいもんだ。もちろん、ヒロインとはまだ会えていないから、やってしまったという感情がこの時は勝っていただろうけど、でもやっぱり、大団円を描きたいなら、居心地の悪そうな主人公の姿を描く必要はない

なんとなく思ったんだ、自分には世界を救うチャンスもあった、世界を救うことのできる立場にも居た。でもそんなのお構いなしに、女の子一人を助けるためにだけ動いてしまった。そんな後ろめたさがあるんじゃないかって

もちろん、身寄りのない者同士とか、ヒロインには弟がいるとか、愛しているとか、動機は十分にあるんだけど

崩れゆく世界の行く末を知ってて、それでも動かなかった、結果世界が海に沈むことになって、それを見てきまりが悪そうにしてる

政治に関心を持って、積極的に参政権を利用して、選挙に真面目に行ってたら、地盤ごとグズグズになって今すぐにでも沈んでいきそうな今日の日本みたいには、ならなかったんじゃないかって、そんな後悔に、主人公の姿がちょっと重なった気がした

存在の不確かな女の子にかまけて、日本を見殺しにした、その後味の悪い構図が、僕にそう思わせたんだと思う

画面の中の女の子に心を傾けて、日本の未来を憂うこともしない、そんな僕の怠惰な姿勢を、チクリと刺されたような気がしたんだ

繰り返して言うけど、これはあくまで僕の与太話。むしろ、監督はこんなことまで考えて世界観を作り上げたりしてないと思う

でも、作品が発してしまった無意識のメッセージってのは確かにあって、それを僕みたいな変人が拾って解釈してしまう。そんなのを言い合って、あーでもないこーでもないって言うのが、鑑賞の醍醐味だと僕は思うんだよね

実際、ちょっと面白いだろ?

長くなったね、丁度いい時間だから、この辺にしておこうか

それじゃあまた

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