読みやすさをつくる工夫-接続詞の省略編

どんな媒体でも、なるべく読みやすい文章をつくりましょう。内容を正しく伝えるために、難しい書き方になるときもあるかもしれませんが、基本は「もっと読みやすく、少しでも簡単な言い方で」を意識してみてください。

今日は「省略できる接続詞は省略しましょう」というお話です。

【接続詞の省略】
「そのため」「また」のような接続詞って、けっこう省略できます。正しい文章を書けるようになるまでは、接続詞を省略すると自分で何を書いてるかわからなくなるというか、正しい構造で書けているかわからなくなるかもしれないので省かない方がいいかもしれませんが、「書いてから、いらないの消す」のはアリです。

これも実例見た方が早いので、さっそくやってみましょう⬇️

・家づくりにおいて、気密性と断熱性はたいせつです。これらをきちんと確保すれば、光熱費が大きく変わってきます。そのため、ランニングコストが高くなっても、その後の生活で十分に回収できるでしょう。

→家づくりにおいて、気密性と断熱性はたいせつです。これらをきちんと確保すれば、光熱費が大きく変わってきます。ランニングコストが高くなっても、その後の生活で十分に回収できるでしょう。

この例では、シンプルに「そのため」をなくすだけでOKです。そのためがなくても、意味通じますよね?

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・ファクタリングは長期目線での資金調達には向きません。なぜなら、手数料が割高で、調達できる金額も限られるからです。

→ファクタリングは長期目線での資金調達には向きません。手数料が割高で、調達できる金額も限られるからです。

先ほどの例と同じく、シンプルに「なぜなら」をなくしただけの例です。「なぜなら」も「~からです」も、同じ「理由を表す言葉」ですよね? どちらか1つだけあれば伝わります。

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・〇〇大学の研究によると、朝に20分の運動をするだけで、1日の生産性が20%高くなるそうです。だから私は、毎朝海で泳いでいます。

→私は、毎朝海で泳いでいます。朝に20分の運動をするだけで、1日の生産性が20%高くなるという、〇〇大学の研究を知ったからです。

この例では文章を短くできていませんが、より伝えたい主張「私は、毎朝海で泳いでいます」を頭に持ってきています。結論を先に持ってくるのが、Webライティングの基本でしたよね? その方が知りたいことがより早くわかりますし、今何の話をしているのかもつかみやすいですから。

頭に持ってくるついでに、「だから」の接続詞が省けました。

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・ファクタリングのメリットは、自社の信用情報にかかわらず資金調達できることです。また、負債が増えないメリットもあります。

→ファクタリングのメリットは、自社の信用情報にかかわらず資金調達できることと、負債が増えないことです。

この例はちょっとわざとらしいですが、2つくらいのメリットなら、「また」を削って一文にまとめちゃいましょう。

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ファクタリングのメリットは、自社の信用情報にかかわらず資金調達できることです。それは、参照されるのは売却する債権の請求先(取引先)の信用情報であるためです。たとえ自社の代表者個人の信用情報が、いわゆる「ブラック」な状態でも、利用できるケースが多いです。

また、返金はしなければならないものの、負債は増えないメリットもあります。ファクタリングは売掛債権の売却であり、借金ではないためです。バランスシートに悪影響を与えないため、融資の審査を控えているときにも使いやすいでしょう。

ファクタリングのメリットは、自社の信用情報にかかわらず資金調達できることです。参照されるのは売却する債権の請求先(取引先)の信用情報であるため、たとえ自社の代表者個人の信用情報がいわゆる「ブラック」な状態でも、利用できるケースが多いです。

負債が増えないメリットもあります。ファクタリングは売掛債権の売却であり、借金ではないためです。返金はしなければなりませんが、バランスシートに悪影響を与えないため、融資の審査を控えているときにも使いやすいでしょう。

この例では「それは、」と「また、」を省きました。特にライターにまだ慣れていない方だと、「それは」のような無駄な接続詞を入れることが多いように感じます。「それは」は基本省くものと考えましょう。

単純に「また、」を省くだけだと、前段落の「自社の信用情報が参照されない」話が続いているのかどうか、わかりづらいです。2段落目の書き出しを「負債が増えないメリットもあります」とより端的にし、「これから違う話をはじめるよ」ということを示しました。

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以上です!
接続詞の中でも、順接(なので、そのため、だからこそ。などの前の文章を踏まえて結論を述べるもの)や、並列(また、ならびに、1つ目は…2つ目は… など)は省略しやすいです。

ただ、話が変わるタイミングでは「また、」を入れた方がわかりやすいこともありますし、「だからこそ」のような順接には強調のニュアンスもあり、「これから大事な話をはじめるよ」というタイミングでは役に立ちます。

「接続詞を削るのが正義」ではなく、「削れる部分は削る」「本当にその接続詞はいるのか?」の目線で考えてみてください。

明日は、今日の「ファクタリングのメリット」の文章を使って、「本文が長くなりそうなら、見出しを分ける」ことについて書いてみます。

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