東京マラソン

いつのまにか6大大会のひとつになった東京マラソン。2014年に一回だけ出場した。当時住んでいたアトランタから飛行機で日本に飛んだ。

前回書いたシカゴマラソンは、合計4回出たが、当時は募集が始まって数日以内に申し込めば誰でも出れるマラソンだった。今は抽選になっているが、それでも他のメジャーに比べれば割と出やすい。

東京はロンドンに並んで出場権が取りにくいマラソンだ。抽選の倍率が高い。2014年はまだ6大大会入りしてなかったので、海外応募枠の抽選に当たったが、今だったら逆に海外枠の方が倍率が高いだろう。

東京マラソンの写真はこれしか残ってなかった。この着物の方、ちゃんとランニングシューズとゼッケンをつけているので、走ったんだろう。すごい。

2014年はコースが今と違っていて、都庁前がスタート、銀座や浅草を通って東京ビッグサイトがゴールだった。マラソンそのものの説明は他の人がいっぱいやっているだろうから、自分が気づいた海外のレースとの違いをいくつか書いておく

1.規定時間にチェックポイントを通過できないランナーははとバスに強制収容されているのを見たが、これは海外レースで見たことがない。規定時間はどのレースにもあるが、規定時間がくると交通規制をやめて、そのあとは皆さん自己責任で信号や横断歩道を渡ってゴールに来てください、となる。ゴールは規定時間のあとも2時間くらいはランナーを待ってくれている。強制的にレースからおろされることは少なくともアメリカでは見たことがない

2.AEDを背中にしょって自転車で走っている係の人がたくさんいた。この数年前に有名タレントがレース中に倒れ、蘇生で助かったのが影響していたのだろう。

3.当時のコースは最後の5kmくらいに陸橋がいくつかあって上り坂がある。このあたりは沿道の観衆も少なく、滅入るエリアだが、ボランティアが拡声器で「他のみなさんも頑張っているのであなたも頑張って走りましょう」と激励してくれる。こういう励まし方は日本独特だと思う。

4.たいがいのマラソンはスタート地点で、袋に自分のゼッケン番号を書いて預け入れる。ゴールで、ゼッケン番号を申告して荷物を探してもらって受け取るのだが、東京では、遠くから係の人がゼッケンを見ていてくれて、私がカウンターに着いたときにはすでに袋が探されていて、待ち時間ゼロで受け取れた。さすが日本!

5.ゴールしたあとの東京ビッグサイトの館内に足湯があった。これはありがたかった。今は東京駅がゴールなので、足湯はもう無いんだろうか? アメリカのマラソンは足湯の代わりにビールが出るところが多い。ボストンとニューヨークはビール出なかったな。

6.ほとんどのランナーはスタート地点に行くのとゴールしてから帰るのに電車を使う。みなさんGパンとかで移動するので、預入れの荷物が多い。袋も結構大きかった。

東京マラソンの倍率はとても高いので、どうしても走りたい人はチャリティーで参加する。昔は10万円で出場権を確保できた。2022年はチャリティー募集はやっていない。コロナの影響? 

マラソンやらない人からみると10万円寄付してマラソンに出るのは異常なことかもしれないが、倍率の高いニューヨークやロンドンのチャリティー枠は30万円とか50万円とかする。ここまで来ると庶民のスポーツと言えない。「靴さえあれば走るのはタダ」というのとは別世界である。

私のダラスのアメリカ人ランナーがたくさん抽選に外れ、チャリティーに挑戦した。ところが、2016年ころ、NGOが受け付けていたチャリティー枠の受付はみんな日本語オンリーだったので、私にヘルプの依頼がたくさんきた。

これらの受付は海外からの申し込みを想定してないので、何度もNGOに電話して、申し込み方法を確認した。アメリカからの送金も面倒だったが、NGOの方々はみなさん真摯に対応してくれた。さすが日本。

東京は今海外から出られないので、6大大会制覇に、東京だけが残っているという海外ランナーがたくさんいる。来年からは海外枠をたくさん受け入れてほしいものだ。


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