5年間ありがとう。応援選手の引退
2023年の年明け。
例年のように夜中に帰宅し寝ようと思ったその時、スマホに表示されたのは
「小高愛理選手 引退のお知らせ」
ほんの少し、覚悟はしていたけど。本当に引退してしまうんだ…。
小高選手のコメントは、結構長かった。キャリアの最初からこの日までの19年間の感謝が綴られていた。長野時代の恩師本田美登里監督は、こういう時のコメントにありきたりの定型文を選手が使うのを凄く嫌う人だったので、その辺も小高選手の中に残っているのかな。などと思いながら全文読みました。
私が知っているのは終盤の5年間のみで、日ノ本での全国制覇や新潟医福大での様子や、世代別代表に選ばれた頃のことは後追いでしか知りません。たかだか5年ではありますが、結構思い出がありますので、今の内に書いておこうと思います。以下、一人の個サポの思い出話です。
(小高選手の高は「髙」なのですが、本人もあまりこだわりがなさそうなのでこの記事では旧字体ではない方で統一します)
2018年
小高選手のAC長野パルセイロレディース加入が発表されたのは、2017年の年末。
多分本人は全く覚えていないと思うけど、小高選手と初めてしゃべった?のはシーズン前の、今はもうない「なでしこ交流戦」。ジェフユナイテッド市原千葉レディース主催の春のシーズン前プレ大会。市原スポレクでたまたまトイレから出たタイミングが同時で笑。頑張って下さいくらいの声を掛けた記憶があります。
シーズン開幕、きっかけ
当時のなでしこリーグは、開幕後にリーグ戦とカップ戦が並行して進んでいました。ホームでのカップ戦初戦となった3月31日INAC戦。開場前の長野Uスタジアム外周に、設置されたくじびき場。
先ずガラポンを回し、アタリが出た人は更にくじを引き、出た背番号選手の手書き『今年の抱負』をもらえるというもの。
最初の確率が先ずエグかった。後で運営の大橋さんに聞いたら、この時点で7分の1くらい。更にお目当ての選手を引ける確率など…。救済措置としてハズレた人は最後尾に並び直せる(1度当たった人は並び直し不可)が、運が悪い人は何度やってもハズレ。
途中から参加者に「地獄のマラソン」と称されたこのイベントに、私は先頭から3人目に並び、ガラポンを回したら一発でオレンジの玉(アタリ)。二次抽選のくじで引き当てたのは「21」、小高選手のものでした。この辺から、何かの縁なので応援しなきゃ(下忍自身がGK経験者だったのもありますが)と思いました。
ちょうど、この日の入場後に放送されていた番組のゲストも小高選手でした。
シーズン中
この年のパルセイロレディースは選手数が多く、リザーブ外の選手は毎試合数名がグッズ売り場の前で新商品の宣伝をしたり、サインや撮影に応じたりしていました。特にケガの選手はここに来ることも多く、小高選手とは良く会いました。
特にこの年のリーグ前半戦は、首位とあまり勝ち点が離れていない5位だったこともあり、凄く雰囲気が良く、歴代の中でも思い入れのあるメンバーになっています。
国体でのメンバー変更
事実のみ書くので問題ないと思いますが、夏頃には小高選手のケガ回復の見通しが立ったかと期待する出来事がありました。
この年の国体予選。長野県はパルセイロレディース(主にリザーブ組)で半数、残りを大学・地元クラブ・高校生などで編成し、北信越大会を2勝して福井県での本大会出場を決めました。
ところが本大会1回戦はなでしこリーグの試合の翌日。北信越予選でキャプテンも務めたGK池ヶ谷選手はリーグ戦に備え国体本大会には参加せず、唯一のGKには初期の名簿だと小高選手が入っていました。しかしその後、エントリーが変更されGKは風間優華選手に。
何人かの選手は9月30日のノジマ戦に出場後、台風が近づく中バスで福井に移動。何人かのサポも暴風雨の中、北陸を移動。私は途中石川県で宿泊しましたが、翌朝車の屋根に折れた木の枝が乗ってました笑。
試合当日は、風は強いものの台風一過の青空。長野県選抜は、恐らく優勝候補の一角だった静岡県選抜に、神田若帆選手(現アンジュ→シャルム)のFKから西川明花選手(現エルフェン)のヘディング一閃で1-0勝利。GK風間選手(長野県出身選手なのもあり風間選手も応援していた)もシュートセーブを見せ完封に貢献していたのを見ながら、小高選手の欠場も残念に思っていました。
ピンクリボンデー
10月21日のジェフレディース戦は、乳がん撲滅キャンペーンの一環でピンクリボンデーとしての開催。選手はこの日のみの特別ユニフォーム。
このユニフォームが試合後に寄付のリターンとなり、小高選手のピンクリボンユニを入手することができました。額装してあります。
シーズン終了後のイベント
冬のイベントとしてレディースの選手も招待された、善光寺のイルミネーションイベント。2選手は誰か当日まで明かされなかったのですが、参加したのは小高選手と、前年から応援していたFW鈴木陽選手。私の応援していた上位2選手を連れてきてくれた当時の運営イケメンM田さんありがとう。テンション上がり過ぎて更に長話になるので当時のブログ。
そんなこんなの後、12月24日午前の練習でチームは活動終了。
小高選手は練習おひらき後もGK練習をしていて、声は掛けられなかったかな。
1年間、国体も含めると所属選手の中で唯一プレーしている姿を見ることができなかったまま、小高選手は群馬FCホワイトスター(当時)への移籍が発表されました。
2019年
群馬のホーム開幕戦
だいぶ話が長くなってきたので、当時のブログを活用しながら。
関東リーグ1部に所属する群馬のホーム開幕戦となる4月21日の早稲田大学戦に、小高選手が出場しそうだという噂を聞き、午前中で仕事を切り上げ猛スピードで前橋総合運動公園へ。
引退コメントにもある通り、4年ぶりの公式戦出場。セービングあり、接触プレーあり、失点あり。2-1で勝利した時は、ようやく昨年パルセイロレディース2018メンバーの最後の一人のプレーが見れた達成感がありました。
ここで一区切り付けることも出来たのかもしれません。が、当時の群馬は結構面白いサッカーやっていて、個サポが沼にはまりました。
関東女子サッカーリーグ1部
群馬のホーム戦ほぼ皆勤笑。首位を走っていた頃はチームの雰囲気も最高に良かった。
ここまで通ったのは、当時の関東女子サッカーリーグ1部の魅力もあります。メニーナ、レッズレディースユース、ジェフレディースU-18(ここだけ観戦できず)を対戦相手で見て、今もアンダー代表の主力として活躍するメニーナの大山選手や松永選手、WEリーグの浦和でゴールも目の前で決められた島田選手などのプレーを見られました。大学勢でも、廣澤真穂選手(早稲田→マイナビ仙台加入が内定)、澁澤光選手(東洋からアルディージャVENTUS)、藤田理子選手(神奈川大→パルセイロレディース→伊賀)らが活躍。2019年の関東女子1部は本当に見応えがありました。
負け試合で印象に残ってるのは、衝撃なら0-8メニーナ戦だけど、内容は悪くないと思ったけど2-5で負けた早稲田戦かなあ。試合前にも色々ありましたし笑。
あと、早稲田の東伏見グラウンドの仮設観戦席が選手にめちゃくちゃ近くて。高揚感も悔しさもより伝わってきました。
狂い出した歯車
上記の早稲田戦の後、ジェフ、メニーナ、レッズレディースユースと連敗し首位争いから脱落しかけたホワイトスター。しかし、ホーム前橋で神奈川大学に5-0完勝し息を吹き返しました。
その後、リーグ以上に結果が求められる大一番「チャレンジリーグ入替戦予選」に出場しましたが。
アンクラスとの大一番に2-3で敗れ、2勝1敗で勝ち抜けならず。
皇后杯予選でも結果が出なかったこともあったか、当時の夫馬監督がステルス解任され、選手も数人離脱。うーん闇。
勝てばわずかに上位進出の可能性もあったシーズン最終戦は、3-3引き分けで終了。
それでも、1シーズンを(何試合かケガ離脱があったとはいえ)戦い抜いた小高選手。チームも翌年こそチャレンジリーグ昇格を!というところでしたが・・・。
2020年
変則開催と無観客と皇后杯
新型コロナにより開幕が遅れ、関東女子1部は全試合無観客&8チームを2つに分けての変則開催。野田新監督、選手の入れ替わりも多かったホワイトスターは序盤精彩を欠き、7-8位決定戦に。しかもこの決定戦が開催中止となり記録上は最下位でシーズンを終えることに。
一方で、皇后杯関東予選では早稲田に勝つなどして本大会出場権を獲得。1回戦は極寒の石巻、有観客。行きましたよ。
みぞれ混じりの雨が途中降る悪天候の中、カテゴリーで2つ上のバニーズ京都に2-1で勝利。試合後、この2チームの合併が発表されたのには驚きました。バニーズ群馬FCホワイトスターとなり、翌年はなでしこ2部での戦いに。
2021年
2部での快進撃
小高選手にとっては、医福時代以来のなでしこリーグになるでしょうか。
裏技に近い形で辿り着いた2部の舞台(2020年は入替戦自体なかった)。これでボロ負けするようだと批判もありそうでしたが、チームは快進撃。
3試合を残して、無敗の首位を快走。リーグ再開後の3位静岡との大一番も4-0と快勝し、勝てば優勝が決まる2位JFAアカデミー福島とのアウェー天王山に臨みましたが…。
0-5の敗戦。勝ち点が並び、得失点差が直接対決で10動いた為、首位陥落。
最終戦は勝利したものの、群馬は準優勝。
1部昇格は、大和シルフィードとのプレーオフの結果次第に。
1部⇔2部プレーオフ
第1戦は群馬ホームで行われ、群馬0-1大和。
ですが、1部の大和の方が勝ったのに試合後に焦燥感があるように感じられ、逆に負けた群馬の方が余裕があるように感じられました。
第2戦のアウェー、後半も終わりに近づいたところで相沢選手の突破からPK獲得。これを相沢選手自身が落ち着いて決め、大和0-2群馬。WEリーグという別の山が出来たとはいえ、パルセイロレディース時代は小高選手が所属しながら出場出来なかった「なでしこリーグ1部」に、レギュラーGKとして戻ってきました。
2022年
苦しんだシーズン
小高選手は開幕戦のアウェー世田谷戦に先発、見事に完封勝利に貢献。開幕節後の注目選手にも選ぶ人がいたほどでしたが、2節の伊賀戦の後(ケガ?)3節から田谷選手がGK先発となり、以降出場機会は巡ってきませんでした。
こちらの記事にも書きましたが↓
鴨川での試合後、パルセイロレディース時代に応援していた2選手。
鈴木陽選手も2018年はU20代表に選ばれていたのに、U20ワールドカップ直前にケガで1年以上の離脱を余儀なくされた選手。
鈴木陽選手は、2021年オルカ加入後鮮烈な2得点を決めたものの、現在もケガから復帰を目指す状態。私にとっては正に千載一遇のチャンス。というかこの日が2人並ぶ最後に(´;ω;`)
チームは勝ったり負けたりの中で、下3チームが勝ち点を伸ばせなかったのもあり降格の危険性はほぼなかったものの、どうにも持続性がなかったりうまくいってないような違和感はありました。
クラブは6月29日に和田監督を解任。同時に小林新監督の就任を発表。7月2日の名古屋戦に小林監督が急遽登場し勝利インタビューも行ったものの、1ヶ月後の8月8日には別の監督(三輪監督)が1ヶ月指揮し、9月1日から小林監督となる発表。清々しいまでの迷走っぷりを見せます。
セレッソレディース戦では、勝ったものの試合中「えっ?」っていう事態もあって。まああれは第4審判も悪いんで余計印象悪くなりましたけど笑。
最終戦は、この試合に引き分けてリーグ優勝となったスフィーダ世田谷FCとのホームゲーム。優勝セレモニーも行われました。
指導者の道に進む小高選手。
いつか小高選手の薫陶を受けた若いGKが、色々な舞台で活躍する姿を夢見て。
選手生活、お疲れ様でした。
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