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貴重な+1【なで2山梨vs出雲】

2024年6月30日、富士山の銘水スタジアムを会場に、
2024Plenusなでしこリーグ2部第17節
FCふじざくら山梨vsディオッサ出雲FC
の試合が、11時30分キックオフで開催されました。


両チームの状況

なでしこリーグ2部は、既に折り返しを過ぎて全22試合の内16試合を消化。この日の第17節を終えると、ほぼ3カ月の中断期間に入ります。
ホームの山梨は、16節終了時点で3位(10勝2分け4敗)。2位のJFAアカデミー福島と勝ち点32で並んでいましたが、得失点差で上回られていました。首位の岡山湯郷Belleとは勝ち点12離されており優勝は難しいですが、アカデミーに競り勝ち2位の座を確保して入替戦に臨みたいところ。
アウェーの出雲は、16節終了時点で5位(5勝7分け4敗)。昇格組ながら勝ち星を先行させ、中位をキープしています。引き分けの多さと得失点(得点16/失点14)が物語るように、守備力の高さがベース。11節で湯郷とスコアレスドロー、13節ではアカデミーに1-0勝利など上位も手を焼く存在ですが、前節はディアヴォロッソ広島に0-3の敗戦。連敗は避けたいはず。

試合前

予定より少し遅れて、試合開始1時間前の午前10時30分頃に富士山の銘水スタジアム到着。

中断前最後の試合、ホームゲームということもあり、夏祭り企画もあって賑やか。場内に入って座る場所を決めようと思ったんですが、既にホーム側は混み合っていて、まだ余裕がある中央よりアウェー側(アウェー席は入って右端)に誘導されました。右上に見えるのは霊峰富士山ですが、生憎のお天気で雲がかかってます。左側の上空には禍々しい雨雲も。

グッズ

マッチデープログラム。
両チームの前節の結果や順位表など欲しいデータが一覧できる中、特筆すべきは全選手ひらがな表記。子ども向けの面もありつつ、実は年配者も既に名前が読めない選手が増えているので、この表音文字表記は凄く有難いです。

グッズ売り場で、ふじざくらカラーナップサック(新発売)と、インスタ風アクリルキーホルダー、懲りずにガチャ10枚笑を購入。アクキーは三田選手のも買いたかったけど売り切れ。この日限定の三田選手サイン入り応援セットは開場前に売り切れたらしく、さんちゃん人気恐るべし。ガチャは9山本選手と30保坂選手がサイン入りでした。それにしても12中村選手のガチャ出ない笑。開幕の記事見たら13枚買ってたから、これで合計23枚買ったのに笑

スタグル

ここに来る時は大体腹ペコなので、先ずは「よろずやキッチン」さんで「富士桜ポークバラ串」。美味しかったです。

こちらは、試合後に立ち寄った「甲斐御正93カンパニー」さん。残り2人分だったという「川魚のほぐし飯」をいただきました。川魚特有の臭みもほとんどなく、出汁が染みた炊き込みご飯も美味。他の人と話しながら(すいません行儀悪くて)一気にいただきました。

場内

中央よりちょっと右。
中央は関係者スポンサー用で入れないので、条件的にはまずまずの席。富士山の銘水スタジアムは駐車場も広いし好きなんだけど、席数は少ない気がします。かといって芝生席は遠い・・・。

いつ見ても野球っぽいスコアボード。得点部分は手動。ただ大きな時計が付いてるのは凄くありがたいです。

選手入場

山梨は大勢のエスコートキッズと入場。

出雲で唯一知っている、6山本早織選手。
ディオッサ出雲FCを見るのは、2019年のなでしこリーグ入替戦予選以来。その時に上手いなあと思った選手で、当時からこの日の試合まで残っている唯一の選手(多分)。

山梨のゲームキャプテン、源関選手のなでしこリーグ出場50試合達成がアナウンスされ、拍手が送られました。

出雲のスタメン記念撮影。
元ベレーザのGK西村選手も。攻撃は2人の外国籍選手が中心なのかな。

山梨のスタメン記念撮影。

前半

係員の方お疲れ様です。

序盤は山梨がやや優勢、出雲はしっかり守ってカウンターを狙う形。これが徐々にハマり始め、互角の展開に。

前半途中には少しの時間でしたが雨が降り、観客は雨具の準備に追われたり、前の座席から別の場所に避難する人もいました。

出雲の先制点

32分。
接触で山梨の3番松岡選手が傷んだのを治療した直後のコーナー。

山梨は少し集中が緩んだか、山本選手が蹴った正確なボールに対し、人数はいたものの出雲の19岡倉選手にヘディングを合わされてしまい失点。

出雲とすれば、してやったりの先制ゴール。
湯郷、山梨に次いで少ない失点数で堅守を誇る出雲にとっては、先制して逃げ切るか差を拡げるのが理想の展開だと思いますが、ここまではほぼプラン通りでしょうか。

追う立場になった山梨も反撃。
山梨の9山本菜桜美選手が狙ったヘディングシュートはクロスバー直撃、こぼれ球を三田選手が詰めますがあと一歩届かず。

直後の波状攻撃も、出雲の守備陣が何とか耐えました。

出雲の3番、岩下選手。
どこかで見た覚えがと思いながら当日思い出せなかったけど、このnote書きながら判明。岩下選手は今年東京国際大学から加入。昨年の関東大学女子サッカーリーグ1部で、国際武道大学vs東京国際大学とその裏カード、2試合見た時に両方フル出場してました。

29三田選手が抜け出してシュートもバーの上。
この日の三田選手は中盤の底から何度も前線に飛び出してゴールを狙っていましたが、残念ながら得点には結び付かず。

出雲の9フェラー選手が倒されたことで、出雲の堺監督が審判団に猛抗議。数分試合が止まりました。スローインを待つ山本選手も若干飽きてきたかも笑

前半アディショナルタイムは、治療や抗議もあったので前半としては長めの3分。

スコアは動かず、山梨0-1出雲で前半終了しました。
山梨の前半シュートは6、出雲は1でしたが、出雲は文字通りワンチャンスを決めての折り返し。

ハーフタイム

ハーフタイムに練習をする山梨12GK中村ゆずは選手。
松本山雅レディース(北信越リーグ)から今年山梨に加入。
その前は、長野の下部組織AC長野パルセイロシュヴェスターの守護神。私が思っているシュヴェスター最強世代の一人。この世代は高校3年生まで結構多く残っていて、ほとんどが主力としてプレー。2022年の JFA第26回全日本U18女子サッカー選手権大会北信越大会決勝では、中村選手がPK戦で2本止める大活躍でアルビレックス新潟レディースU-18に勝利。

この世代の出世頭は、別の日記にも書いた当時の10番北沢心愛選手(オルカ鴨川FC/オルカ鴨川BU/国際武道大学)ですが、今は関東大学女子サッカーリーグでプレーしたりサッカーを卒業する選手も多い中、中村選手が2人目のなでしこリーガーとなりました。

練習中には、試合開始前にも会場を盛り上げてくれた、富士北嶺公園を本拠地に活動するダンスチーム「ピンキーダンスファクトリー」によるダンスパフォーマンス。

ダンスの最後には「頑張れー!ふじざくら山梨!!」

スタンド最上段で揺れる選手のぼり旗。

ハーフタイムで、山梨は7井原選手13鈴木選手が交代、10菅選手14脇田選手が出場。
私のすぐ左が関係者席でリザーブ外の選手も座っていたのですが、そこからの呼び掛けにガッツポーズで応えていました。

後半

出雲ボールで後半キックオフ。

後半になると、前半より風が吹いてきました。後半開始直後だと右から左、山梨にとって追い風ですが、時間帯によっては真逆になることも。

追い着きたい山梨は、4小鍜治選手がいる左サイドを中心に攻勢を強めますが、出雲も懸命の守備。

小鍜治選手が直接FKを狙いますが、枠の外。

57分、出雲は一気に3人替え。
9フェラー選手、10ローラ選手、13浅海選手が交代。
17柳瀬選手、26原選手、16佐藤選手が出場。

その後も山梨の攻勢は続きますが、1点が遠い・・・。

久々に出雲の攻撃。山本選手の蹴ったボールはファーで8友近選手が合わせますが、枠の左。

63分、山梨は29三田選手に代えて20五味選手。

山梨の同点ゴール

65分、山梨は左サイドからの崩しから、中央右でボールを持った9山本選手が左にパス。

16辻野選手がワンタッチの後、倒れ込みながらシュート。これが決まって山梨が遂に同点に追い着きました。

ようやくのゴールに、場内は大熱狂。
生憎の天気の中、この日は1,261人が富士山の銘水スタジアムに詰めかけていました。観衆の期待に応える辻野選手の一撃。

その後も山梨の攻勢は続きますが、上位相手のアウェーで勝ち点を持ち帰りたい出雲も懸命の守備。
6山本早織選手は、時間帯によってFWに近い位置から守備的MFまで様々なポジションをこなし、セットプレーのキッカー(1アシスト)やロングスロー、更に守備でも大きな貢献。

その山本選手がカウンターで飛び込んだ決定機は、山梨のGK1出口選手と8友近選手が間一髪阻止。

クロスに飛び込んだ出雲16佐藤選手も、角度が無く枠外に。

出雲側はエリア内のハンドを主張するも主審はプレー続行。
この辺りの時間帯、出雲も守備一辺倒ではなく勝ち点3を奪いに来ていました。後半のシュートは、山梨7、出雲3でした。

80分、両チームの選手交代。
出雲は25多田選手→20河村選手。
山梨は21内田選手→15成迫選手。

山梨の14脇田選手の近距離からのシュートは、出雲GK1西村選手がストップ。

85分、出雲は5人目の選手交代。
先制点を決めた19岡倉選手に代わり、同じくDFの11宮川選手。

出雲の17柳瀬選手が足を痛めるも、先程交代枠は使い切ってしまいプレー続行。

後半アディショナルタイムは、前半と同じく3分。

この3分間の中でも攻守の入替がありましたが、得点は生まれず1-1の引き分けで試合は終了しました。

試合終了後

ホーム試合では毎回かな?山梨キャプテン菅選手の挨拶。

中村ゆずは選手
三田幸望選手
小鍜治旭選手

両チーム、対照的な表情。
アウェーのディオッサ出雲FCとしては、先制したからには勝ちたかったと思うけど、2位山梨相手に勝ち点1。この試合を終えて最下位(入替戦)との勝ち点差は14。残り5試合なので5連敗しない限りは自力残留が決まる余裕を持って中断期間に入れます。

これはエグい

FCふじざくら山梨にとっても、この日の勝ち点1はとても大きいです。
と言うのも、同日15時から岡山県津山市で開催された湯郷vsアカデミーの首位対決は、湯郷が7-1で圧勝。殿と我々長野サポ(の1部)が呼ぶ横山選手がハットトリック、坂本選手が2得点と、元AC長野パルセイロレディースの攻守の要が大暴れ。この結果、山梨は勝ち点で並んでいたアカデミーに対して勝ち点1と得失点差も逆転しての2位浮上。
2部は湯郷がダントツの首位、山梨との勝ち点差は14。山梨の後ろに1差でアカデミー。山梨にとっては最終戦がアウェーで湯郷との対戦が残っていて準優勝にはまだ厳しい道程なのは否めませんが、アカデミーにとってもリーグ再開後はひとつも落とせない試合が続きます。湯郷の無敗優勝と共に、準優勝争いも注目の的になりそうです。1部⇔2部は過去の事例から予想すると、多分優勝する湯郷は自動昇格。山梨は準優勝なら1部11位との入替戦、3位だと湯郷の自動昇格のみで入替戦無し、つまり昇格の道は絶たれそうです。

試合後には、ピッチ横の入り口からサポの方々が大勢。
この日は中断期間前最後の試合ということで、コロナ禍以来4年振りとなる「ふじざくらのフットボールコミニティ」(ュは付かないらしい)開催。監督や選手がコーチを務め、参加者同士でミニサッカーを楽しむ企画。私は参加せずスタンドから見ましたが、選手も参加者も楽しそうでした。他にも、外の夏祭り会場やグッズ売り場に選手が登場。グッズ売り場にはアナウンス通り小鍜治選手も参加していました。後半時々降っていた小雨も止み、束の間の交流を楽しんでいました。

なでしこリーグは、1部が8月31日のニッパツvs伊賀から再開。首位宮崎を追う2位ニッパツが、5連勝と不調を完全に脱した伊賀をホームに迎えます。
2部は少し遅れて9月29日に再開。FCふじざくら山梨は、ホームでディアヴォロッソ広島と。ディオッサ出雲FCはホームでつくばFCレディースとの対戦です。
宮崎や湯郷や山梨など、地域密着やフロントの努力が奏功して1,000人を超える観客が訪れるチーム。連勝で勢いに乗るチーム、連敗で苦しんでいるチーム。なでしこ2部の上位は1部への昇格の可能性、1部下位は2部降格の可能性、2部下位はリーグ終了後に行われる入替戦(いつも日程が地獄)の結果次第で地域リーグ降格もあり、昇降格が無いWEリーグより緊張感のある試合が見られるかもしれません。
この記事を最後まで読んだ物好きな貴方。もし現地で見たことがないなら、是非秋に再開するなでしこリーグに足を運んでみてください。ちなみに2部はほとんどの試合(全部?)入場料無料です。


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