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AC長野パルセイロシュヴェスター

2022年10月22日。オリバースポーツフィールド射水で行われた
JFA第26回全日本U18女子サッカー選手権大会北信越大会
決勝で、AC長野パルセイロレディースの下部組織
「AC長野パルセイロシュヴェスター」
(Schwester、ドイツ語で「姉妹」の意味)
が、PK戦の末にアルビレックス新潟レディースU-18に勝ち、この大会初優勝と全国大会進出を決めました。

試合終了の瞬間


2年前の10月にもシュヴェスターは北信越大会を優勝していたのですが、この時の大会は「日本クラブユース女子サッカー大会(U-18)」通称XFカップ。
真夏の前橋で毎日試合をする過酷な大会なんですが、2020年はコロナの影響で年を跨いで本大会が翌年の2021年1月開催。地方予選は秋に行われ、全日本U18と日程が丸被り。シュヴェスターとグランセナ新潟レディースが決勝を行い、シュヴェスターが3-2で勝利。
アルビレックス新潟レディースU18は全日本U18の方に出場し、XFカップには出場しませんでした。


そして、翌年2021年のXFカップ予選は6月に30分ハーフの1日2試合という強行日程で行われ、3チーム参加のリーグ戦でシュヴェスターがアルビレディースU18に2-0で勝ち、この大会連覇を達成。もしかしたら公式戦でアルビレディースU18に勝ったのはこれが初めてだったかもしれません。


AC長野パルセイロシュヴェスターは、パルセイロの旧公式サイトの記録を辿ると2014年に設立。当時中学2年の中村恵実選手(現パルセイロレディース)らが1期生になるのだと思います。
中村選手は翌年、中学3年生でパルセイロレディースデビュー。その後常盤木学園に進学し活躍の後、パルセイロレディースに再入団。
その他、シュヴェスターからパルセイロレディースへの昇格としては、黒岩奈緒選手(現在は静岡SSUアスレジーナ運営)、川船暁海選手がいます。
(GKでなでしこリーグ1部スペランツァ大阪の小山紗也加選手がVENTUS退団時の経歴にシュヴェスターと書かれていますけど、小山選手が居た2012年にはシュヴェスターはないので、書き間違えかと思うのですが。誰か情報あれば教えてください)
上記の中村選手のように下部組織登録という形でシュヴェスター在籍選手がレディースの試合に出ることもあり、川船選手や、先日の全日本U18北信越大会決勝で先制点を決めた北沢選手も、2019年にパルセイロレディースの公式戦デビューを果たしています。

なんて偉そうに書いていますが、私がシュヴェスターの存在を知ったのは遅めの2018年。国体北信越予選に川船選手が出ていたのがキッカケです。
パルセイロレディースで半分、残り半分をクラブチーム・大学生・高校生で編成したチームの中で、唯一の中学生が当時中3の川船選手。荒れた試合の中で途中出場し、相手の悪質なファール(警告だったが退場でも良かったと未だに思っている)で負傷交代。出場時間は少なかったのですが、その中でスピードと負けん気の強さを見せてくれて、普段はどんなチームでプレーしてるのか気になったのが最初でした。ただ、川船選手はその負傷が長引き、シュヴェスターの試合を見ないままその年は終了しました。

年が明けて2019年。
初めてシュヴェスターの試合を見れたのは、令和に元号が代わってすぐの5月、女子U15長野県選手権準決勝のFC.SWAN戦。その翌日には決勝の松本山雅レディースU15戦でした。川船選手の世代は高校生になり応援席にいました笑。
パルセイロと松本山雅のエンブレムを着けた令和最初の信州ダービーは、中学世代の女の子が行いました。この決勝時のU15メンバーが現在の高校1~3年生で、シュヴェスターの先発11人の内、7人が先日のアルビ戦の先発。シュヴェスターGKの薬袋選手は翌年松商学園に進学。この試合で敵として相対した松本山雅レディースの数選手とチームメイトになりました。試合はシュヴェスターが追い付かれる形で1-1終了、即PK戦に。全員が枠内にシュートを蹴った中で薬袋選手が1本、山雅のGK赤羽選手が2本止め、山雅レディースの勝利となりました。

この決勝が面白くて、その後もシュヴェスターの試合を機会があれば観戦し、気が付けば最初の試合から数えて31試合目で、全日本U18北信越予選制覇。私よりずっと前からアカデミーを見ている方に、昔のシュヴェスターはアルビ相手では大敗が普通だった(記録では0-17が最大点差かな)と教え込まれていたので、射水市まで行って目の前で勝利を見れたのは驚きと喜びでした。
今の高校3年生世代は、それぞれが違った長所を持っている上に結構人数が残った(学業、ケガなど様々な理由で卒団する選手も多く、高3で1人しか残らなかった世代もあった)ので密かに期待はしていました。高校生活はまるまるコロナの影響下にあり、せっかく最高学年になったのに女子北信越リーグ1部から脱退して公式戦が激減するなど、様々な不遇に翻弄された世代。
自分達の力で勝ち取った全国の舞台、楽しんできてください。

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