「第1回校内居場所カフェ・オンライン全国交流会 〜全国の校内居場所カフェを知る〜」開催レポート
4月の全国ネットワーク正式発足以来、初のイベントとして企画された「第1回校内居場所カフェ・オンライン全国交流会 〜全国の校内居場所カフェを知る〜」を、8月7日に無事開催することが出来ました。100人超えという、想定を大幅に上回るご参加をいただき、事務局では開始1時間前にZOOMのプランをアップグレードするという慌てようでした。改めて、参加者の皆さまに感謝をお伝えしたいと思います、ありがとうございました!
それでは、盛りだくさんだった本イベントを振り返っていきたいと思います。尚、本記事をお読みいただき、「参加しておけばよかった…」と、ひょっとしたら後悔されている皆さまは、今からでも全国ネットにご入会いただければ、無料でオンデマンド視聴のURLをお送り致しますし、非会員の皆さまにもPeatixから視聴チケットをご購入することで、当日の様子を余すことなくご覧いただけますので、是非ご検討下さい。
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宮本みち子先生のミニ講演
さて、本イベントはこれまで校内居場所カフェ全国ネットワーク(以下全国ネット)の立ち上げから伴走して下さった、千葉大学/放送大学名誉教授宮本みち子先生によるミニ講演からスタートしました。若者の置かれている実情を長年に渡り調査研究してきた宮本先生に、校内居場所カフェの現在地を明確にしていただいたようなお話でした。
「なぜ校内居場所カフェを作るのか?」という問いに対し、これまで様々な子ども・若者支援の取り組みが広がっているが、時代による新しい状況が生まれ、子どもたちが家庭にも学校にも居場所がなく、学校を去って行ったその後がわからない状況があり、これを放置してはならない。支援の手が届かない子どもが減っているとは思えないことを、私たちの共通する問題意識であるとした上で、
コロナによる負の遺産を背負ってしまった子ども・若者の問題として、不登校が各地で広がっている。これは、都市型だけの問題ではなく、過疎化しているエリアでも同じ現象が起きており、原因は一つや二つではないが、コロナ禍が子どもや若者たちに与えた影響が、非常に大きかったのではないかと感じている。コロナにより失ってしまったものを取り戻すために配慮や支援が必要ではないかと、宮本先生は仰っていました。
そのような中で、校内居場所カフェの利点は、学校の中にすでに集まっている生徒たちに支援者がリーチする、きわめて恵まれた条件を持っており、支援ニーズを抱えた生徒が多く在籍する高校のど真ん中に入り込んで行う支援は、街中で行う支援よりも格段にリーチが容易になっている。それは中学校での同じことが言えるとまとめて下さいました。
また、人口の少ない地方での子ども若者支援の課題が、子どもの住まいが地域に分散しており、ある場所に子ども若者を集めるのが困難という点も踏まえ、子どもが集まる場所である学校で支援を展開する校内居場所カフェは、地方圏で有望になって行くだろうという展望を語っていただきました。
これらを踏まえ、校内居場所カフェは、生徒が教師ではない学外の大人と接し、狭い殻のなかでもがいている状態から脱する機会を与えており、思春期の生徒たちが「いい大人」「いいモデル」に出会うチャンスは、生き方を変える力を持つ、とまとめて下さり、参加している支援関係者を大いにエンパワメントしていただけたと感じました。
校内居場所カフェ大プレゼン大会
全国ネットの立ち上げの経緯が事務局から説明された後は、当日のメイン・プログラムである、「校内居場所カフェ大プレゼン大会」です。北は北海道から、南は長崎県まで、カフェを運営する以下の16団体によるカフェ・プレゼンが始まりました。
1. きゃりこみゅカフェ(静岡県)
2. 校内カフェすまいる(福井県)
3. NOTE cafe(宮城県)
4. 出張ぽるとカフェ(神奈川県)
5. A GNU(新潟県)
6. ぴっかりカフェ・BORDER CAFÉ(神奈川県)
7. 西東京こども放課後カフェ(東京都)※
8. にしまるーむ(東京都)※
9. はとばカルッチャ(大阪府)※
10. SABAコミュニティ・カフェ(山口県)
11. 100円朝食(愛知県)
12. よりみちカフェ(東京都)
13. 若宮カフェ・ひとやすみカフェ(愛知県)
14. ゆめカフェ(長崎県)
15. ほっとるーむ・なごみカフェ(滋賀県)
16. ドーリープレイス(北海道)
※中学校カフェ
1団体5分という短いプレゼンでしたが、多様なプレイヤーたちが、同じような思いを持って校内居場所カフェに取り組んでいることが、ビシビシと伝わって来ました。中でも、中学校カフェが3校あったこと。NPO等を入れず、高校の先生が運営され、プレゼンしていただいたカフェが3校あったことなど、2012年に大阪の西成高校で「となりカフェ」が誕生してから、この12年で様々な形でカフェが発展して来たことが感じられ、嬉しくなりました。
中学校カフェ
教員が主体となって運営しているカフェ
全部は紹介し切れませんので、是非、動画をご覧いただき、プレゼンに耳を傾けて下さい!
宮本先生コメント
最後に宮本先生にコメントをいただきました。「子ども食堂が10年くらいで全国に広がったのと同じような流れが出来ていく可能性が、校内居場所カフェにもあるなと感じた。校内居場所カフェと言っても、いろいろな担い手がいて、NPO法人だけではなく、学校の先生の有志が立ち上げ運営しているカフェがあることに驚きました。また、教職員組合の勉強会で校内居場所カフェを知り、立ち上がったという、今どきはそういうこともあるんだなと思いました。
障害者支援や若者の就労支援をしている団体が、学校の中に活動を広げていたり、今まで生涯学習や、子どもの遊びをやっていた公民館が、学校の中で何かできないかという働きかけでカフェが始まっていたのが良いことだと思った。それは、従来分野が分かれていたことが、校内居場所カフェを巡って、組み合わさり繋がって、学校でカフェをやるようになっている。
多分、これから何年もの間にもっともっと多様な形で展開していくのではないかという感じがしている。学校の中の抵抗が現在もある中で、恐らくこれからの10年で学校と地域の境界線が薄くなっていく。」
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予定終了時間の21時を少し過ぎてしまいましたが、最後まで90人超の方が残る大盛況の会となりました。「こんなに多くのカフェが様々な形で活動していると知って驚き、勉強になりました!」という全国の皆さんからお声を頂戴しています。
次回の第2回オンライン交流会は、11月7日(木)19:00-21:00に決定しました。
1回目と違い、交流の時間が多い会となっております。皆様のご参加をお待ちしております!!