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ネットで余計な知識を付けてくるのは面倒な患者?

医療従事者だったことがある

ネットで間違った知識を付けて勝手に不安になり
過剰に質問して診療時間を延ばす患者が時々いる
そんな人がいた後の休憩室では、
先輩方が患者をボロカスに言っているのを何度も聞いた

その度、患者の不安を解消するのも仕事なのに
何であんな風に言うのか
何故いかに言いくるめたかを武勇伝にして笑うのか
そう思っては先輩方への恐怖心を溜め込んだ

結局頑張ってとった資格を脇に置いて逃げ出し
奨学金を返済しながら非正規雇用でいる
でも裏の顔なんてみんなあるのが普通だ

5月に診断された乳がんの手術が8月
ネットで調べて疑問が湧いてくる
期間が長いからとても不安になってきた

それを持ち続けるのは良くないと思い
相談をしたいとクリニックに予約を入れた

端的に話せるよう箇条書きのメモを準備して臨む
でも、先生の判断を疑うわけなのと
わざわざ時間をもらったことに罪悪感が湧き上がる

先生は苦笑いのように見えた
「僕は大丈夫だと思うけれど
あなたが不安ならそうしましょう」
というのが先生の言葉だった

それはとても優しく患者に沿った対応

でも、何故か過去の先輩方を思い出し
どうにも自分が悪いことをした気がしてしまう
仕事を増やしてしまったし
「任せてくれりゃいいのに大げさな」
と思われてるんじゃないかと頭に浮かぶ

「でも、」を繰り返させてほしい
初めて経験する素人は一つ一つが怖いのだ
転移が無いなら腫瘍はすぐにでも切除したいが
今まであるのが当然だった自分の一部が
一つ無くなってしまうことへの恐れもある
薬の副作用、再発もろもろ

玄人にとって、がんの中でも早期乳がんは
大きな心配は要らない種類なのかもしれない
たくさんの患者の中の
楽観視していい一人に該当するかもしれない
でも私には私の気持ちがある

みんな不安を感じたらどうしているんだろう
物分かりのいい患者でいなければって思うけど
病気の自分を大切にしていない気もして
許される線引きが分からない

費用:1,000円強

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