日記#29

距離のもどかしさというものがある。
離れているから近くにいきたいと思うけれど近くに居続ければ一人になりたいと離れたくなる。

これは人と人との話だ。

話すことと放すことは同じように感じる。
自分の口から出た言葉は紛れもなく自分の一部を切り離して相手にぶつけている。
そうやって会話をしているのだ。
だから、会話が楽しく感じるのはきっとその人の一部ですら愛しいからそう思うし、なによりまた会って言葉を交わしたいなと強く願うのだ。
昨日の夜はそんな人との愛しい夜だった。

言葉の句読点や改行にも意味があるように時折訪れる沈黙もちゃんと意味があるように思う。そうやって余白を残してくれる人がいるのは嬉しい。
楽しみな予定も決まった。それまで生きなきゃな。

家に帰ってからうたた寝しているとけたたましい着信音で起こされた。
ほぼ実の双子(ただ誕生日が近いだけ)からの電話だった。
前々から電話をしようと言い合ってはいたのだがタイミングが中々合わなくて今日にもつれ込んだと言うわけだ。
彼女もまた言葉が面白い人だから会話が飽きない。そろそろ切ると言ってから30分くらい話してしまった。
彼女は大阪に住んでいるので早くこちらに来いと催促された。
単純に催促されて素直に首を振るわけがない私だが美味しいご飯や場所を案内すると言われ快諾してしまった。(チョロい!)

図らず嬉しい予定が増えた。
早々に決めないと小言を言われそうだし約束してしまったものを蔑ろにするわけにもいかない。
それに彼女も距離の大切さを教えてくれる貴重な存在だ。
付かず離れずだから関係も心地がいい。
これからもこんな関係が続くといいな。

そうこれは人と人との話だ。

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