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机間指導における教師の葛藤が伝わってくる

 授業研究だった。小学校2年生国語の授業である。本日は、教職実践基礎コースの1年生の授業フィールド体験も兼ねている。本学部の教職実践基礎コースは、学部1年生から授業を参観したり、学級づくりの実践を聴いたりできる点が一つの特徴になっている。

 授業は、授業の1コマで子どもたちが最初に行う音読と最後に行う音読が変わるように学びの展開が構想されており、加えて、単元を通して、読み手という外の目から読んだ「あらすじ」を、スイミーという内の目から読んだ「あらすじ」に書き換えていくという子どもの変容が二重に構想されている実践構造になっている。

 子どもの思考が途切れそうになったときに、本文に戻したり、音読に戻したりするような、教師としての確かな技法を感じさせるシーンもあった。

 子どもたちは、「同じです」という話型をのりこえて、「ああっ」とつぶやいていたが、「ああっていった人の気持ちがわかる?」という指導的評価活動があったり、子どもたちが煮詰まったときに「難しいね、みんなはどうしたい?」と子どもたちに聴いて、友だちと話しながら考えることを選択させたりもしていた。

 「スイミーはかんがえた。いろいろかんがえた。うんとかんがえた。」というところで、子どもたちは、スイミーが考えたことを、大きな魚を追い出すといった結論を挙げていた。考えついたことはなくて、スイミーが考えているプロセスや葛藤に迫りたいのだが、なかなか言葉にならない。机間指導をしている教師も、それこそ「いろいろ考えていた」ことが伝わってくる。

 本日は、大学の都合で、授業参観のみとなり、事後検討会は開けなかった。後日、インタビューをすることになっているので、多様な工夫に対する理由やエピソードを聴くとともに、机間指導における教師としての葛藤の内実を聴いてみたい。

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