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ChatGPT-4との対話1:人文系研究への影響

1 はじめに

はじめまして!このnoteではAI・ICTのど素人が、ど素人なりに、学問・研究への生成AIの影響を考えていきます。まずは、あれこれ難しいことは考えずに、「話題の人」である ChatGPT-4 に聞いてみましょう。今回は、@kun1em0n さんが作成した Rapid GPT-4 を使っていきます。

2 GPT-4に聞いてみよう!

2-1 人文学への影響

——GPT-4が人文系の研究全体にもたらす最大の影響はなんですか?

GPT-4が人文科学にもたらす最大の影響は、研究効率の向上、新たな知見の発見、及び異なる学問領域の融合になるでしょう。大量の文献データの迅速な解析により、知見の収集が劇的に効率化され、人間が見落とすかもしれないパターンや関連性が明らかになります。さらに、異なる分野の研究を繋ぎ、新しいアプローチや視点をもたらすことで、人文科学の可能性を拡大し、新たな知識の領域へと発展させるでしょう。

2-2 人文学と他領域との融合

——GPT-4が人文学とそれ以外の異なる学問領域を融合させる場合、どのような事例がありますか?

人文学と他の学問領域の融合の事例として、以下の3つが挙げられます。

  1. デジタル人文学: 人文学とコンピューターサイエンスが融合。コンピュータ技術を用いて、テキストの解析、ビジュアル化、歴史資料のデジタル化を行い、新たな研究アプローチを可能にしています。

  2. 環境人文学: 人文学と環境科学が融合。文化、歴史、哲学、倫理などの視点から環境問題を研究し、持続可能な社会の実現につなげます。

  3. 神経人文学: 人文学と神経科学が融合。文学、芸術、哲学など人類の文化現象を神経科学的な視点から研究し、人間の心や意識の理解を深めます。

これらの事例は、人文学と他の学問領域が互いに影響を与え合い、新たな可能性を生み出していることを示しています。

2-3 学際融合におけるGPTの役割

——人文学と他の学問領域の融合の事例の際に、GPT-4はどのような役割を果たすことができますか?

GPT-4は人文学と他の学問領域の融合の事例において、以下のような役割を果たすことができます。

  1. データ分析: 人文学と他の分野のデータを分析し、相互の関連性を見つけ出す。

  2. 他学問領域とのコミュニケーション: 人文学の専門家と他の分野の専門家との間で、専門用語を翻訳し、意見交換を助ける。

  3. 資料の選定と整理: 膨大な情報の中から適切な資料を選定し、分野間の関連性を明確にする。

  4. 予測とシミュレーション: 人文学と他の分野の研究データから未来の予測を立て、シミュレーションを行う。

これらの役割を果たすことで、人文学と他の学問領域の融合に貢献し、新たな知見を引き出すことができます。

2-4 大学院生への悪影響

——では最後に、GPT-4が人文系の大学院生にもたらす悪い影響はなんですか?

GPT-4が人文系大学院生にもたらす悪影響は主に3点あります。1つ目は、過度に依存し、自分の思考力や分析力が鈍ること。適切な使い方をしないと、大学院生が自分自身で問題に取り組む機会が減ります。2つ目は、ソースの信憑性や著作権の問題。GPT-4の出力が正確であると過信し、事実確認を怠ると誤った情報を引き継いでしまいます。また、GPT-4の出力を自分の論文に使うことで著作権侵害に繋がる可能性があります。3つ目は、大量の情報による選別力の低下。GPT-4が提供する情報の中で重要なものを見極めるスキルが必要になります。適切な使い方とバランスが重要です。

3 GPTが語る「人文学への影響」

3-1 前バージョンからの発展

まず驚いたのが、以前のバージョンからだいぶ正確さが上がっていることです。言葉遣いもかなり自然ですね。ためしに、今回のGPT-4との対話を(前バージョンの)GPT-3に要約させたところ、下のようなめちゃくちゃな回答が返ってきました。

前バージョンに今回の対話を要約させた

ゲームデザイナー??自身のキャリアやゲーム制作における考え??
一体誰の話をしているんだ。。。なんだかものすごいデッチ上げが生成されてしまいました。

3-2 人文学研究で役に立つこと

では、今回の対話を私なりに考察していきます。

GPT-4が人文系の研究全体にもたらす最大の影響として、GPT自身がまず挙げるのが、人間が見落としがちなパターンや関係性を見つけ出すという機能です。たしかに人間は膨大なデータを前にしたときに、そこから有意のパターンを抽出するのはそんなに得意ではありません。

とはいえ、人間は太古から自然との相互交渉や人間どうしの営みのなかで、宇宙の多様なパターンを発見してきました。あるいはそうして集積されたパターンが「文化」と呼ばれるのかもしれません。なので、パターン発見の力に関しては、一概にAIの方が優っているとは言い切れません。AIはデータ化されたものしか分析できません。人間にとっては、過去の分析よりも、突然の予測不可能な「ひらめき」の方がその人の人生にとって重要な意味を持つことがあります。なので、「人間が得意なパターン発見能力」と「機械が得意なパターン発見能力」の両面においてそれぞれの強みと弱みを見極める必要があるかもしれません。

それに対し、異なる分野の研究を繋ぐ、というのは本当に大きな可能性を秘めているように思います。これは、「機械が得意なパターン発見能力」を最大限に活かせる場になるのではないかと私は期待しています。

現代の学問分野、とくに人文学は専門領域によって使われる用語やロジックが百家争鳴で、異分野の研究者同士がコミュニケーションをとるのが本当に難しいようです。一方、そのような百家争鳴状態は大学院生を苦しませています。「一体どの言葉遣いを自分も踏襲すればいいんだ!」と困惑しっぱなしなのが現代の大学院生のリアルな本音なのではないでしょうか。日本のアカデミアではかなり昔から「学際」や「異分野交流」の必要性が叫ばれていたようですが、どうもうまくいっていないようです。

GPTはそうした学問分野どうしの「共約不可能性」を乗り越え、新たなコミュニケーションを育むためのひとつのツールとなりうると思います。それはGPT自身が言うような、デジタル人文学、環境人文学、神経人文学といった新たな分野を切り開くだけではありません。膨大な資料をあっというまに分析してしまう脅威の人工知能によって、それまでは人文学のみで使われていたデータと他の分野のデータを同時に分析して、まったく思いもよらなかった相互の関連性が見つけ出されるかもしれないのです。それは、「蛸壷化」してしまっているアカデミアで、いま一度、研究者同士のコミュニケーションを活性化させる大きなきっかけになると思います。

おわりに

もちろんGPT-4の利用には悪影響もあります。その悪影響には、著作権侵害への懸念や事実誤認といったテクニカルな側面もありますが、一番重要なのは「自分のアタマで考えなくなる」と言う点にあります。GPT-4はたしかに優秀で、とてつもない分析力を秘めています。与えられたタスクを人間よりもはるかに効率的に処理することになるでしょう。しかし、GPT-4 自体は「何をすべきなのか?」という「問い」を与えてはくれません。それは人間が自分のアタマを駆使して創り出すものです。いくらテクノロジーが発展しても、日々の実践のなかでの疑問や違和感、未知への好奇心などを言語化して「問い」へつなげてきたのは、いつでも人間でした。そして今後、人工知能の力を借りて学問どうしの融合を試みる際にも、「問い」が人間どうしで共有されていなくては、真に新しい価値を生み出すようなパターンを生み出すことはできないと思います





















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