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#オリジナル設定
VALIS二次小説 理想が欲しくて 裏世界編プロローグ&Main Story - 001(Case of VALIS)
プロローグ
移動式サーカステント。その舞台袖に、紺色で統一した衣服を纏った一人の少年が佇んでいた。
(うーわ、あれすっげぇな。どうなってんだ?)
どんな原理か、宙に浮かんでは消えるハートマークやコメント群をぼうっと眺めながら、心底どうでもよさそうに思う。
突如として鳴り響いた、客の獣の咆哮のような歓声に少しだけ顔をしかめながら、会場のボルテージを引き上げたサーカス団のメンバーである6人の少
VALIS二次小説 理想が欲しくて 裏世界編Main Story -004(Case of FEI)
夜も更け、VALISの皆も眠りについた頃。俺は一人、テント内の訓練場に居た。
目を閉じたまま俯く。どれだけ時間が経っただろうか。5分か?10分か?それとも1時間か?それすらも判らない程集中力を高め――唐突に鳴り響くブザーに合わせて能力を発動する。
PARTS_CAST WINGS
突如として現れた立体映像の的に向けて、“肩甲骨の内側から生えた猛禽類のような翼”を叩きつける。
局所変身、翼。
VALIS二次小説 理想が欲しくて 裏世界編Main Story -006(Case of FEI)
突然フェイの身体が吹き飛ぶ。何度かバウンドしてようやく落ち着いた頃には、フェイは臨戦体勢に入っていた。
(痛ってぇな。..........どこからだ?)
即座に能力を発動し、周囲の生物を探知する。
「ここだよ。ここ」
すると、それに反応するように声が聞こえた。 声のした方へ視線を向けると、そこには金髪の男が“浮かんで”いた。
「おいおいお前か?いきなり喧嘩吹っ掛け
VALIS二次小説 理想が欲しくて 裏世界編Main Story -007(Case of FEI)
「..........で、調べはついたか?」 「勿論ですとも」
VALISの活動が休みであるこの日、フェイはソートと重要な話をしていた。
「先日、あなたを襲った人物の身元が判りました。名前は峰内強真。『放浪者』のようです」
放浪者。それは、現実世界から“何らかの理由”によって『こちらの世界』に流れついてしまった人達のことだ。
「あなたを襲った動機はわか
VALIS二次小説 理想が欲しくて 裏世界編Main Story -009(Case of FEI)
うっそーんそれマジぃ?さっき3メートルくらいにまで伸びてたじゃん。絶対服引き千切れてるでしょ。なんで原型留めてんの?伸縮性に優れるとかいうレベルじゃねえだろ。俺の心配返せよ。めちゃくちゃ杞憂だったじゃん。 まあ良いや。視覚に頼っても大丈夫なら、思う存分やれる。
完全に目を開いて視界を確保する。 しばらくララと視線を交わし、2人にしかわからない合図と共に同時に
VALIS二次小説 理想が欲しくて 深脊界市編Main Story -010(Case of FEI)
「さて皆さん。一つ、非常に重要なお知らせがあります」
そんなソートの一言に、VALISと俺は視線を向ける。普段の扱いこそ酷いが、真面目な話であればその限りではない。
「我々は様々な場所を渡り歩く集団です。この場所にも長く滞在しています。そろそろ活動拠点を移す頃合いです」
活動拠点を移す.........か。この場所は結構気に入ってたんだけどなぁ。
とはいえ、ソートの言う通りでもある。このサ
VALIS二次小説 理想が欲しくて 深脊界市編MainStory -013(Case of FEI)
移動式サーカステント。その客席には、大勢の観客が座っており、新たな来訪者達が行うショウを今か今かと待ちわびていた。
舞台袖でそわそわとしているVALISの生命活動をモニタリングしながら、テント周辺に展開した目を使って警備をする。
時間が経ち、ショウが始まる。深脊界市で行う初めてのショウに、VALISのメンバーは適度に緊張しながらも、次々に演目をこなしていく。ショウも中盤に差し掛かった頃、異変が
VALIS二次小説 理想が欲しくて 深脊界市編 MainStory -014(Case of FEI)
深脊界市初のショウが無事に終わり、VALISのメンバーが楽屋で休んでいる中、フェイは自分の為に宛がわれた研究室で先程捕縛した武装集団を調べていた。
(いやー、まさかそのパターンだとは思わないじゃん)
――何故、フェイは取調室で尋問しなかったのか。それは――
(なんでコイツらロボなの?)
――武装集団が人間ではなかったからだ。 合金製の各パーツに、球体の関節。