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ハイエンドモデルを使う者はハイエンドエンジニアになる

安物買いの銭失いという言葉があるが、失うのは銭など生やさしいものではない。

安いものに囲まれたあなたが失っていくのはプライドだ。

気質だ。

品格だ。

自分が昔、エンジニアとしてまだルーキーだった頃の話。

MacBookが開発で必要になり、当時最も高いMacBookを最も高いスペック(BTOモデル)で購入した。

その時代のノートブックとは思えないパワーだった。モンスター級の性能。快適そのものだった。

まだルーキーな自分に、最高級のMacBook。

開発環境はこの上なく最高であり、至らない点があれば原因は自分の実力のみ。言い訳の余地はない。

この追い込みが大切なのだ。

絶対にこいつに似合うエンジニアになる。

特にコンピューターというものは進化が激しく、時間経過と共にどんどん価値が下がる。

なので、自分が引き出せる価値以上のものを手にするのは損失である。

実際にはコードを書く上でむちゃくちゃハイスペックなマシンが必要かと言えば、そうではない。

しかしヌルヌルと快適に動作するMacBookはストレスがなく本当に気持ちよくて、長期的にモチベーションを維持する上で功を奏していた。

つまり、このモノの価値を引き出すこととは、あの頃の自分にとっては、【不自由なく成長しまくること】だった。

だからそれを手にしてから二年間くらいは、一日中ほとんどコードだけを書いていた。眠る時間を削り、食べている間も考え、夢の中で答えを見つけ出すこともあった。

最強のMacBookといっしょに最強のエンジニアを目指した。

そしていつしか、有名どころの言語をほぼ全て書けるようになり、おおよそフルスタックエンジニアになったころ、そいつは年老いていた。

あの頃、性能を持て余していた相棒は、あちこちぶっ壊れながらまだ自分と共にある。

モノがいいので8年持ちこたえている。苦楽を共にした。人が聞いたらチビるような大仕事もこいつと引き受けたりもした。

そのMacBookはきっとその役目を終えたからもうじき完全に動かなくなるだろう。もう画面もろくに映らない。

そのMacBookは自分をエンジニアとして育て上げてくれた。それが役目だった。

きっと、そこそこのモノに囲まれれば、そこそこの自分で満足してしまう。

だから無理をしてでも仕事の道具はできるだけ最高級を使って欲しい。


もし万が一、躊躇してしまうならこんな考え方はどうか?

あなたはこの上なくプロフェッショナルなエンジニアの友人にクレジットカードとお遣いを頼まれたとする。

いくらかかるかは気にしないから、なるべく良いマウスを買ってきてくれと言われたとする。

マウスの善し悪しなんて実に様々だが、あなたは300円程度のマウスを買って帰るだろうか?

確かに300円のマウスは実際に存在するし、問題なく動作する。

だが、あなたはその友人のためにそのマウスを選ぶだろうか?おそらくこの状況なら少なくとも3万円程度はする物を選ぶだろう。

プロが使う道具に恥じない物を、プロフェッショナルである友人に買って帰るはずだ。そういうお遣いなのだから。

これをあなたがあなた自身のためにやらないのなら、あなたはそもそも本気でプロになるつもりはない。

少々高い買い物をしたとしてもあなたがきちんとしたエンジニアになれば一ヶ月でペイできる。

だから、これからフリーランスエンジニアになろうと思う人は、出来るだけ良い仕事道具を買うことだ。

ところで、自分は基本的にフリーランスエンジニアになれという点に一極集中して論じていく。だが、自分の商売道具はベストなものを使えというのはほとんどの職種において言えるかもしれない。

分相応という言葉があるが、その通りだと思う。分相応の物を買うのでなく、装備に対して分相応の戦士になれ。

簡単なことだ。フラグシップの仕事道具の対価をペイできるようになった未来のあなたはフラグシップエンジニアだ。

変わるきっかけを作れ。

金がない?給付金があるでしょう?それは速攻で使わなければいけない。全員に金を配るということは金を水で薄めると言うこと。いずれ物価が上がるかもしれない。ぼたもちのように降ってきたそのきっかけ(給付金)であなたの武器を買え。

未来の自分の相場価値を示してみろ。


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