見出し画像

842

「そういや、チケット買ったよな?なんか前売売り切れたらしいよ」
「え、マジ?じゃ、当日券かー」
「いや、当日券も販売しないんだって。HP見てみ。つーか、なんでお前一番大事なチケット買ってないんだよ、3カ月前から言ってんのに」

「ええ、うわ、マジか…。しくったー」
「あー、これみんな集まるのに」
「げえ、わかってるって、いや、そうなんだけど、仕事とか忙しくてさ、なんつーか」

といって、言い訳しはじめても仕方ない。これは単純に自分の落ち度でしかない。仕事が忙しいのは事実だが、チケットの予約なんていくらでもできる暇があったろうに。行こう行こうとずっと思ってたのに、結局、先延ばし癖が勝って、チケットを買うだけのことを怠っていた、自分が100%悪い。

高校生の時も大事な模試の申し込みとかもやろうとやろうとして忘れてて、先生にも真面目にやってんのかと怒られた。バイトでの仕込みや発注もやろうとやろうとして、やってなくて同様に怒られる。

時間が有り余っていた学生時代と違って、自由に使える時間も休みも制限されて、「行けたら行く」的なスタンスも通用しなくなってきた。みんなが集まる貴重な機会に顔を出せるのもフイにしてしまった。これからの人生も、こうやって大事な機会を失っていくばかりな気がした。

何をやってるんだ、俺は。彼女との約束も断ったのに、こんなんじゃ彼女にも顔向けできない。これを機にいっそどっかにソロキャンプにでも行ってしまおうか、なんて馬鹿なことを考える。

はあ、自分の駄目さ加減が心底嫌になる。もうちょっとでもマシな人間に生まれたかった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?