1125_孫疲れ

「お母さんの自分の孫に対するいなし方がなんというか、絶妙というか」
「ああ、あからさまにスイッチオフにしてるよね。はいはい、って感じで」
「孫は可愛いは可愛いけど、そこまでくびったけではないのね」
「そこまで、あんまり孫のことで心配しすぎてないし。いい感じに力を抜いて、孫疲れしないようにしてるんじゃない。やっぱり子どもと孫は違うんだよ」
「孫疲れねえ。確かに省エネしてるわよね」
「省エネっていうか、あんまり感情を表立たせないというか」
「そもそもドライなのよね」
「ドライ…。まあドライと言えばドライだよね、確かにうちはね」
「家族間でもそんなにドライなものなの」
「まあ確かに君のうちは家族間ではウェットだけど、君は他人に対してはドライじゃない」
「他人に対しては、そうかもね。うちの母も父も社交的でよく話して、外面がよくて。お兄ちゃんもそう、父母に似たの。でも、たぶんそこらへんはお兄ちゃんに持ってかれちゃったから、私も姉もあんまり人付き合いは得意じゃないの」
「確かにそんな気がする。うちは父も母も姉ちゃんも俺も、漏れなくみんな人付き合いが苦手だ。特にプレゼントとかね、煩わしくて仕方ないので」