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「好きとか、簡単に言うけどさ。かわさんの好きは違うでしょ」
「はあ、何も違わないよ。誠のこと、好きは好きだよ」
「なんかさ、好きってさ、違うじゃん。もっと溜めるじゃん」
「だから、好きだって。誠のおススメしてくれるマンガとか面白いし」
「はあ。漫画ね.はいはい」
「なにー、なんなの」
「いや、だからさ。本当に好きだったら、そんなホイホイ簡単に好きだって言わないって」
「簡単にいわなかったら、なんて言うっていうの」
「もっと、思いを込めて、言うんだよ、好きって」
「うわ、キモ」
「ああ、もう言わせんなよ。はあ。だから、違うっていうことじゃん、俺の好きとは」
「誠の好きと、私の好きが違ったらどうなるって言うの」
「違うってなったら、それはだな、えーと」
「私の好きは私の好きだよ、好きは好きとしかいえないし」
「じゃあ、俺と付き合ったりできるってこと」
「うん、それは、たぶん、できる」
「じゃあ、手握ったり、キスしたりもできるってこと」
「え、ごめん、それはちょっと待って」
「なんでだよ」
「その好きはそうだな、確かにあっちのほうかも」
(やっぱり、これ、もう、付き合った方が早くないか…)
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