1016_去る人
去る人は、何も言わずに去る。違う、ここではないな、と感じたんだったら、特段の感傷や痕跡も残さずに、そっとその場から離れる。
不言実行というか、おそらく有能な人ほど、何も言わずに会社を去るし、残るのは「いつか辞めてやる」とさんざん抜かして愚痴っているような輩だ。
人でも同じ。この人とは価値観が合わないな、と思ったら、わざわざ相手にとやかく言う必要なんてない。ずっとその場を離れ、接触する機会を限りなく減らす。でもそれは、それが可能な場合であればの話だ。職場の上司だったりすると、離れることも難しい。最悪だ。
だから金持ちだったり、そもそも余裕があって、機嫌よくストレス源を避けられる人は、そもそも近づかないし、何も言わずに2度と近づかない。
例えば、安くて味の悪い店にクレームをつける人間はだいたいは、貧しくて困窮した人間ばかりだったりする。金持ちは安い店にはそもそも入らないというのもあるが、高い店で味が悪くても、クレームすらつけずに、2度とその店に足を運ばない。単に時間を無駄にしたなあと少しだけ省みる、ただそれだけ。
常に自分の価値を最大化することだけに注力しているのなら、自分の中で最短で最善の選択肢が、ただ「去る」ことであるなら、そうするだけという話なんだろう。
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