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王子の反乱…(Cinderella's another story)

もうすぐ零時だね

知ってるよ
君は帰るんだろ
僕を残して…

そして僕に残されるのは
ガラスの靴だけ…

僕は君を求めて
国中を探し回るんだ
手がかりは
君の残したガラスの靴だけ

でも…

このストーリーのラストで
結局、僕達は結婚する…

どうして知ってるかって?
当たり前じゃないか
僕は王子で
君はシンデレラ
僕達はこのストーリーを
どれだけ演じて来た?
何億回かな…
いや、もっとだね

子供達が絵本を開くたびに
僕達の演技は始まるんだ
脚本はいつも同じ

でも僕は
こんな話ばかり繰り返すのは
もう嫌なんだ…

君が嫌いなんじゃない
シンデレラ…
君を愛してるさ
誰よりも深く…

でもね…
君が継母ままははや義理の姉達にイジメられ
つらい目にうのが
もうイヤなんだ

それに
結婚した後の僕達の幸せな生活…
僕は愛する君と二人で
実際に体験したいんだ

残念だけど…
そこまで描いてくれていない

「シンデレラと王子様は
 結婚して幸せになりましたとさ…」

って言われても…
僕と君はいつまでっても
幸せをちっとも味わえない

もうイヤだ!
こんなのウンザリだ!

今日、僕は反乱を起こす事に決めた
王子の反乱だ!

そうさ、今日僕は
零時になっても君を離さない
君を家に帰さないんだ

魔女の魔法が解けても
君がみすぼらしい姿に戻っても
僕の気持ちは変わらない…

君を抱き上げて
僕の部屋へ連れ込むんだ
そして僕と君は
今夜結ばれるんだ
君を抱きしめて朝まで離すもんか

王や妃が反対しても
僕は構わない
君とけ落ちしてもいい

だって…
もう待てないんだ

分かってくれるよね
シンデレラ…

さあ、零時まで
あと一分…

覚悟はいいかい?
これから
僕達二人の反乱を開始する

今日から
このストーリーは書き変わるんだ
子供達に見せてあげよう

愛し合う僕達二人の
新しいシンデレラストーリーを…

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