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はじめての本づくり② 執筆→原稿完成→直し→入稿

●執筆の初期で文体はチェックする

 さあ、あなたの著書はいよいよ執筆段階に入ります。この期間にあなたにやることはありません。ただひたすら待つことになります。

 ただひとつだけやってもらうべきことがあります。出版社側からこれをやりますという提案がもしなければ、あなたからお願いしましょう。
 それは、文体の確認です。堅め、柔らかめ、軽め、重め、ですます調か、である調か・・・などなど、いろいろあります。書く前に要望を聞かれるかもしれませんが、とにかく数ページでもサンプル原稿を書いてもらい、文体や雰囲気を確認してください。全部できてからでは取り返しがつきませんからね。

 その文体で進めてOKなら、本当にやることはありません。ただ待つだけです。早い人で執筆を開始してから1カ月半、ふつうはだいたい2カ月くらいでしょうか。とにかく楽しみに待ってください。あなたの原稿ができ上がります。 

●原稿に直しがあるのは当たり前

 そして、遂に原稿ができ上がりました。まずやることは、とにかくしっかり読むことです。この原稿は、あなたの思いや考えがカタチになったものです。そうです、あなたが書かなくてもここまで来ました。
「書くための構成案」で確認しているあなたには、そんなに違和感はないはずです。もし「全然違う」という思いがあるなら、それはいい加減に構成案を見ていたからだと思います。そうならないためにも、本当に構成案はしっかり確認してほしいです。

 さて逆に、これもまれですが、「直すところはない!」と絶賛する人がいるのですが、それはそれで「ちゃんと読んだ?」と疑いたくなりますね。やっぱりそれなりの直しは出るものです。ライターはあなたではないのですから。

 出版社が想定している直しは、大きいものとしては、取材では意識していなかったが、ここはとても重要で原稿では抜けていたとか、原稿執筆期間で状況がやや変わって修正したいとかはあり得ることなので、ここは書き直したり修正はします。
 その他、細かい表現やライターが誤解していたり、上手く伝わっていなかったなど、いろいろ考えられるので、そういうところも修正します。
 
 ここで皆さんにお伝えしたいのは、ここから原稿チェックや校正を重ねていくわけですが、回数を重ねていくごとに修正が減っていくのが正常な状態です。2回目、3回目で突然増えるのは、その前にしっかり読んでいなかったということになるので、それは避けていただきたいことですね。マジでお願いしておきます(笑)。
 

●通常は1回ないし2回の修正で入稿になる

 原稿で大きな直しがあったとしても、1回修正すれば、次のチェックではそんなに直しがないと思われるので、ここで入稿という段階に進めるはずです。

 入稿というのは、印刷所に原稿を入れるということで、そこから先は初校ゲラと言って、実際の活字、デザインをあなたに見せていくということになります。ここまで来ると、本のカタチが見えてくると思います。とにかくお願いしたいことは、しっかりチェックしていただくことです。
 初校ゲラ、または再校ゲラでは、図や写真、イラストなども入ってきますので、こちらもチェックしていただきたいと思います。

 出版社としては、入校前に本文デザインも見ていただくように手配しますので、これもチェックしてください。
 出版社もしっかり校正はするので、そんなに細かく見なくてもいいですが、何か気づいたら伝えてください。誤字・脱字は極力防がないといけませんから。

 さて、こうして段階を経て、本ができ上がるわけですが、併行して進めていかなければいけない、本にとって大事な大事なポイントがありますので、次回はその話をしていきましょう。

現代書林 O