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【書店様向け情報】フェア企画「共存するフェミニズム」のご案内

雑誌感覚で読めるフェミニズム入門ブック『シモーヌ』VOL.7の特集は「生と性 共存するフェミニズム」です。

「いのちを分けない社会へ」― 2022年10月25日に優生保護法問題の全面解決をめざす全国集会が行なわれました。強制不妊手術の多くの被害者は性と生殖の権利を暴力的に奪われ、いまだ多くの方が苦しめられている状況です。

「LGBTは生物学上、種の保存に背く」
「幸せそうな女性を殺したかった」
「ホームレスが邪魔だった」
優生保護法から優生部分に関する文章が消えても、今なお残る命の選別。 今号の特集では、優生裁判判決、AV新法、国会議員と宗教団体の癒着問題など、性と生殖にかかわる今年の動きを巡って、排除・抑圧・対立の歴史を振り返りながら、ともに生きるフェミニズムについて考えていきます。

特集内の「共存するフェミニズム読み物ガイド」のページで紹介した、無数の生と性をより交差的に捉えるためにヒントとなる関連書と寄稿者の著書を集めたフェアを企画しました。
この機会に是非、開催をご検討ください。

◉基本セット(8点) ★は新刊です。
シモーヌVOL.7特集:生と性 共存するフェミニズム 2022年(現代書館)
②『
シモーヌVOL.5』特集:「私」と日記 生の記録を読む 2021年(現代書館)
③『
凜として灯る』荒井裕樹 著 2022年(現代書館)
〈優生保護法を前にして、女と障害者はどのように連帯できるのか。知子はその接点を〈惨め〉〈恨み〉という感情に見出そうとした。〉ウーマンリブの活動家・米津知子さんの評伝。女として障害者として生きる個人の経験を丁寧に描くことで、国家や社会との軋轢が見えてくる。
④★『津久井やまゆり園「優生テロ」事件、その深層とその後:戦争と福祉と優生思想』佐藤幹夫 著 2022年(現代書館)
〈「植松聖」を時代のシンボリックな存在と見立て、津久井やまゆり園事件が私たちの生きている社会からどうして現れてきたのか〉事件が深層で問いかけるものは何か。「戦争と福祉と優生思想」を主題に、犯罪論や歴史的観点から徹底した考察を加えた、著者最大の野心作。
⑤『【増補新装版】優生保護法が犯した罪:子どもをもつことを奪われた人々の証言』優生手術に対する謝罪を求める会[編] 2018年(現代書館)
〈私は自分が知的障害者だとは思っていません。しかし、どんな人であれ、その人が「障害者」だったら、何でも役所や他人が勝手に決めていいんでしょうか>。1948年に制定された優生保護法による「強制不妊手術」について、被害者手記、歴史、諸外国の動向、謝罪を求める運動などの視点で考察した1冊。
⑥『ソーシャルワーカーのための反『優生学講座』:「役立たず」の歴史に抗う福祉実践』藤井渉 著 2022年(現代書館)
〈障害者が「隠される」こと、「隔離」されること、地域社会から排除されてしまう問題の根底には、障害者が社会にとって「害」を及ぼす存在として認識されている問題があります〉。福祉の現場向け解説書だが、優生思想の歴史から今日までを学びたい人にも最適。「個人の幸福の保障」とは何なのか、本書を読んで考えたい。
⑦『わたしが人間であるために:障害者の公民権運動を闘った「私たち」の物語』ジュディス・ヒューマン&クリステン・ジョイナー 著、曽田夏記 訳
2021年(現代書館)

〈あなたがたが「分離すれども平等」を持ち出すたびに、全米中の障害者の怒りは燃えさかり、いつか爆発するということです〉。障害者運動の世界的リーダーによる自伝。1964年の公民権法から取り残された米国の障害者たちがフェミニスト、アフリカ系アメリカ人、労働組合、ゲイコミュニティらと連帯し、粘り強く闘った記録が綴られている。
⑧『私はマイノリティ あなたは?:難病をもつ「在日」自立「障害」者
李 清 美 著 2009年(現代書館)

〈在日だから、結婚でもしないと親から離れるっていうことが許されなかった[…]まして障害をもってる子を、手放すんだったら病院とか施設とか、ちゃんと見てくれる所に預けるのでなければ、親戚が許さなかった〉。難病を抱える障害者として自立生活を送った在日女性の記録。インターセクショナリティの視点をもつために読みたい。

以下は、選択おすすめリストです(直接各版元へご注文ください)。

◉「共存するフェミニズム読み物ガイド」で紹介した作品
・『新編 日本のフェミニズム 5 母性』江原由美子 解説 2019年(岩波書店)
・『99%のためのフェミニズム宣言』シンジア・アルッザ、ティティ・バタチャーリャ、ナンシー・フレイザー 共著 惠愛由 訳 2020年(人文書院)
・『トランスジェンダー問題:議論は正義のために』ショーン・フェイ 著、高井ゆと里 訳 2022年(明石書店)
・『差別はたいてい悪意のない人がする:見えない排除に気づくための10章』キム・ジヘ 著、尹 怡 景 訳 2021年(大月書店)
・『セックスワーク・スタディーズ:当事者視点で考える性と労働』
SWASH 編 2018年(日本評論社)
・『まっくら』森崎和江 著 2021年(岩波文庫)
・『テクノロジーと差別:ネットヘイトから「AIによる差別」まで』
宮下萌 編著 2022年(解放出版社)
・『「社会」を扱う新たなモード:「障害の社会モデル」の使い方』
飯野由里子・星加良司・西倉実季 著 2022年(生活書院)
・『ジェンダーで考える教育の現在(いま)』木村涼子・古久保さくら 編著 2008年(解放出版社)

◉特集寄稿者著書◎&その他おすすめ書籍◆
『優生学と人間社会』市野川容孝、橳島次郎、松原洋子、米本昌平 2000年(講談社現代新書)
◎ZINE『フェミサイドは、ある』皆本夏樹 2022年(gasi editorial[タバブックス])
◎『「からゆきさん」:海外〈出稼ぎ〉女性の近代』嶽本新奈 2015年(共栄書房)
◎『〈妊婦〉アート論 : 孕む身体を奪取する』小林美香 ほか 著 2018年(青弓社)
◎『ハッシュタグだけじゃ始まらない:東アジアのフェミニズム・ムーブメント』熱田敬子、金美珍、梁永山聡子、張瑋容、曹曉彤 編著 2022年(大月書店)
◎『誰かの理想を生きられはしない:とり残された者のためのトランスジェンダー史』吉野靫 著 2020年(青土社)
◎『社会運動の戸惑い:フェミニズムの「失われた時代」と草の根保守運動』山口智美・斉藤正美・荻上チキ 著 2012年(勁草書房)
◎『宗教2世』荻上チキ編 山口智美・斉藤正美ほか 2022年(太田出版)
『妊娠・出産をめぐるスピリチュアリティ』橋迫瑞穂 著 2021年(集英社新書)
『呻きから始まる:祈りと行動に関する24の手紙』栗田隆子 著 2022年 (新教出版社)
『日本のポストフェミニズム:「女子力」とネオリベラリズム』菊地夏野 著 2019年(大月書店)
『新書版 性差の日本史 』国立歴史民俗博物館 監修)、「性差の日本史」展示プロジェクト 編 2021年(集英社インターナショナル新書)
『布団の中から蜂起せよ:アナーカ・フェミニズムのための断章』高島鈴 著 2022年(人文書院)
『ケガレ』波平恵美子 著 2009年(講談社学術文庫) 


注文書はこちらです。
基本セット、またはすべて2冊以上ご注文いただいた場合は、フェアパネル(A3またはA4)とpopをご用意致します。
ご不明な点は現代書館までお気軽にお問合せください。


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