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ざっくり語彙 ~スキマ5分の「スマホでボキャビル!」~ 002

【逆説】
~解説~
初めて「五十歩百歩」という言葉を聞いて、そしてそれが「わずかな差はあっても、本質的には変わらない」という意味であることを知ったとき、「はぁ!? 五十歩と百歩って、全然違うじゃん!」って思いませんでした? そう、この「五十歩百歩」という故事成語は、文字面とそれが意味する内容とのあいだに、かなり矛盾があるわけですよね。ところが、この言葉の由来を知ったとき、きっと皆さんは、「あー、五十歩と百歩は全然違うように見えるけど、敵前逃亡したという点においては、五十歩逃げたヤツも百歩逃げたヤツも、結局は臆病者という点で大差ないってことね!」と、納得がいったことと思います。このように、〈パッと見だと矛盾しているように思われるが、その実、何らかの真理をついている〉という意味を表すのが、「逆説」という言葉なのですね。
➡接続表現の「逆〈接〉」とは違って、「逆〈説〉」であることに注意!
➡文脈次第では、単に「矛盾している」という意味で使われることもあります。

~例文~

「急がば回れ」や「負けるが勝ち」、「背水の陣」など、ことわざや故事成語の中には、逆説的に教えを述べるものが多い。

~関連知識~
類義語として、「パラドックス(パラドクス)」という言葉も一緒に覚えておきましょう。例えば、1㎝という幅はもちろん有限ですが、しかしながらこの有限な幅は、理屈でいえば、「1㎝の半分の半分の半分の半分の…」と、永遠に…いや、無限に分割できるわけですね。つまりここには、一つの対象について、有限と無限という矛盾する性質が同時に成立するという事態が発生するわけです。しかも、それは一つの圧倒的な真実として。まさに、逆説=パラドックスと言えますね。だいたい同じような意味を表す語としては、他に、二律背反=アンチノミー背理逆理などがあります。せっかくなので、全部暗記してしまいましょう!

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