村井 弦|文藝春秋

文藝春秋の雑誌編集者。「週刊文春電子版」(https://bunshun.jp/den…

村井 弦|文藝春秋

文藝春秋の雑誌編集者。「週刊文春電子版」(https://bunshun.jp/denshiban)コンテンツディレクター。

マガジン

  • Voicy「ひとり編集部」放送まとめ

    音声メディア「Voicy」で配信中の「文藝春秋 村井弦のひとり編集部」をまとめたマガジンです。

  • 「文章術」記事まとめ

    文章・ライティングに関する記事をまとめています。

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文才の有無に関係なく、誰でもそれなりに整った文章を書くコツ

 文章の書き方に正解はない。  ただ、ちょっとした「コツ」みたいなものはあると思う。  僕は会社に入ってから9年間、「週刊文春」と「文藝春秋」の編集部で、文章に携わる仕事をしてきた。  たかだが10年足らずの経歴で何を偉そうに、と思われる方もいるかもしれないが、最近になってようやく、「文章を書くコツみたいなものがあるのではないか?」ということに気がつき始めた。  もちろん一流作家のような芸術的で天才的な文章を書くコツではない。文才の有無は関係なく、誰でもそれなりに整っ

    • 「別冊文藝春秋」のnote

       小説誌「別冊文藝春秋」を社内では「別冊」と呼んでいる。月刊誌「文藝春秋」はジャーナルから論文、小説までなんでもありの風呂敷雑誌といわれているが、それに対して「別冊」は小説誌で、主にエンタメ小説が掲載されている。現在は電子のみの刊行だ。  そんな「別冊文藝春秋」が2月1日にnoteをスタートした。題して「WEB別冊文藝春秋」。月額800円のサブスクリプションである。  プレスリリースによると、このサブスクは「小説好きのためのコミュニティ」だという。キャッチコピーは〈読んで

      • #18〜#29 記事のタイトル付けで何を意識すればいいのか?

        • #10〜#17 半藤一利さんとの思い出を担当編集者が語る

        • 固定された記事

        文才の有無に関係なく、誰でもそれなりに整った文章を書くコツ

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        • Voicy「ひとり編集部」放送まとめ
          8本
        • 「文章術」記事まとめ
          7本

        記事

          #6 #7 #8 #9 接続詞をトルで文章は一気に締まる

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          #5 緊急事態延長と五輪と森発言|広野真嗣さんとニュースを語る。

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          #4 記事サムネに入れる文言は「問いかけ系」が有効?

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          #3 「私」と書くか、「わたし」と書くか

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          #2 書く時に気をつけたい「文のリズム」

          #2 書く時に気をつけたい「文のリズム」

          #1 文章は「削る過程」で良くなる

          僕が運営責任者を務める「文藝春秋digital」では、2020年3月から音声メディア「Voicy」上で、インターネットラジオ「文藝春秋channel」を運営してきました。 2月1日から、同チャンネルは「文藝春秋 村井弦のひとり編集部」としてリニューアル。このnoteで綴ってきたような編集・ライティングなどの話を中心に配信していく予定です。 よろしければ、ぜひお聴きください。

          #1 文章は「削る過程」で良くなる

          ライターになりたい人、心に響く文章を書きたい人におすすめのイベント【1月30日19時】

          久しぶりの投稿です。 このnoteでは、雑誌(今はウェブ)編集者として日々仕事をしている僕が、ちょっとした文章術などについて書いてきました。今後も折を見て更新していこうと考えていますが、今回は「文章術」という観点からもぜひ見ていただきたいイベントがあるので、ご紹介します。 「文藝春秋digital」は、僕が責任者を務めている月刊誌「文藝春秋」のサブスクリプションサイトです。月額900円。 実は昨年末から、サブスク内コンテンツとして、活字の記事に加えて「ウェビナー」を月2

          ライターになりたい人、心に響く文章を書きたい人におすすめのイベント【1月30日19時】

          「編集」とは何か? 編集者の仕事をもう一度考えてみる

          「編集」ってなんだ?ここ数年、「編集」という言葉が注目を集めている。特に、編集者という職務上の技術としての「編集」がビジネス一般に活かせる、という文脈で語られる機会が多くなったように思える。 どちらかといえば、世の中に出ることが少なかったこの職業にスポットライトが当たることは、どのような文脈であれ、基本的にはいいことだ。「編集」という仕事に関心が集まっていることは編集者の端くれとして純粋に嬉しいし、出版業界の未来のためにも、多くの若者(学生)が編集者という職業に憧れを抱いて

          「編集」とは何か? 編集者の仕事をもう一度考えてみる

          いいタイトルの研究〜シンプルな言葉と余韻と機能美

          記事のタイトルをつけるのは、編集長の仕事だ。 読者のファースト・インプレッションを決めるタイトルは、言うまでもなく重要である。面白そうであれば、読む。つまらなそうであれば、スルーする。タイトルの良し悪しは、そのまま雑誌の売上に直結するからだ。 「タイトルをつける人」すなわち編集長は、その責任を負っている。 タイトルには編集長の編集者としての「美学」が如実に現れる。100人編集長がいれば、100通りの「美学」があるだろう。そこで、今回は「文藝春秋」の松井一晃編集長に「いい

          いいタイトルの研究〜シンプルな言葉と余韻と機能美

          ぼくは「文字起こし」をコピペしない

          みんな文字起こしが好きインタビューや対談、座談会を記事にまとめる仕事をする人であれば、絶対に一度は使っているのが「文字起こし」である。 改めて説明するまでもないが、文字起こしとは、誰かが喋っている音声を録音し、それをそっくりそのままテキストに起こしたものだ。人によっては「テープ起こし」という人もいる。現代ではテープレコーダーではなくICレコーダーで録音しているのに、なぜかテープ起こし。「ICレコーダー起こし」と言っている人は見たことないし、多分この先もいないだろう。 それ

          ぼくは「文字起こし」をコピペしない

          「速く・上手く」原稿を書くために必要なこと。

          先輩編集者の「5つの教え」 文章を書くことを仕事にしている人にとって、大切なスキルのひとつが「速く書く」ことだ。じっくり時間をかけて大作を書き上げる仕事にも、もちろん意義はあるが、僕も含む「組織ライター」にとって、そういう仕事は稀である。というか、ほとんどない。なぜならば、大抵の書き仕事の場合、僕ら自身のクリエイティビティなど求められていないからだ。  当たり前だが、創作性よりも、締め切りや納期のほうが優先だ。その他の仕事も山積しているし。さらに言えば、土日はちゃんと休みた

          「速く・上手く」原稿を書くために必要なこと。

          「いつも、どうやって記事書いているの?」同僚の編集者に聞いてみた。

          意外に知らない他人の「書き方」 同じ雑誌の編集部で働いていても、編集者同士、普段は「どうやって仕事しているの?」という会話を交わすことは、意外にもほとんどない。  雑誌の編集者は、筆者から原稿をもらうだけでなく、自らインタビューや座談会などの記事を書くことも多い。しかし、それぞれの編集者がどうやって書いているのかは、謎に包まれている。当然といえば当然で、「書く」というのは1人で完結する作業だからだ。  しかし、他の編集者が何を考えて文章を書いているのか、気になる。脳の中を

          「いつも、どうやって記事書いているの?」同僚の編集者に聞いてみた。