freeeデザイナーズファイル #1 Shinichi Kambe
この記事は、freee Designers Advent Calendar 2022 の17日目の記事です。
今回は「freeeデザイナーズファイル」の第一弾。
これは、freeeで働くデザイナーたちにインタビューしていき、これまであまり社外に知られてなかったその姿を明らかにしていこうというものです。
freeeのような事業会社で働くデザイナーってどんな人たちかあまりイメージが湧かなくないですか?でもちょっと気になりますよね。
どんな経歴の人たちが、どんな目的で、どんな仕事をしているのか。
そのあたりが分かれば、これからfreeeみたいな会社で働いてみたいと思っている人にとって参考になるかなと思い、やってみることにしました。
初回はデザイン事業本部のトップであり、数名規模だったデザイン組織を5年で10倍以上の規模にまで育ててきたkambeさんに話を聞いてきました。
登場する人
gen
新規プロダクトデザイナーチームのマネージャー。
この記事を書いている人。
freeeに来てから3年半くらい。
普段は大阪の京橋にある関西オフィスで働いている。
関西オフィス近辺でオススメのランチ先はとん太です。
kambe
デザイン事業本部のマネージャー。
ニックネームで呼び合う文化があるfreeeだが、kambeさんは「かんべさん」としか呼ばれているのを見たことがない。
その正体は今から明らかになる。
画面に関わる仕事全般をやっていた。
gen :それではよろしくお願いします。
kambe:お願いします。
gen :kambeさんの前職がサイボウズだということは知ってるんですが、そのあたりの詳しいところは聞いたことがなかったので、まずはそこから聞いてもいいですか?
kambe:はい。サイボウズではグループウェアを作っていました。
入社はたしか2001年くらいですかね。
当時はまだユーザビリティやフロントエンドという言葉もそれほど使われていないような時期でした。
なので、デザイン、コーディングなども含めて画面に関わる仕事全般をやっていました。
gen :なるほどー。ちなみにサイボウズが1社目なんですか?
kambe:その前にウェブデザイナーとして別の会社で働いていた時期もあります。
gen :当時のウェブデザイナーということは、デザインだけでなくコーディングしたりJavaScriptも書いたりもしてた感じですかね?
kambe:そうですね。
FlashとかShockwaveを使って挙動の設計とかもしていました。
その経験とサイボウズがたまたまブラウザベースのアプリを作っていたこともあり、画面に関わる仕事全般をやっていた感じです。
gen :そういう流れだったんですね。ちなみに、サイボウズ時代からいわゆるUXデザイン的なこともやってましたか?
kambe:最初の頃は体系だってやってはいなかったですね。
gen :まだそれほどUXデザイン的な概念も浸透してない時期だったんですかね。
kambe:はい。調査と言っても競合調査やユーザーインタビューという感じでした。時代が進んで、途中からは会社全体でやる感じになってきました。
難しいから面白そう。
gen :へー、そういう流れがあったんですね。
ではそこからfreeeで働くことになったきっかけというか、背景みたいなものも教えてもらっていいですか?
kambe:(少し考える)。そうですね。
サイボウズではある程度やりきった感があったからですかね。
グループウェアのシェアは日本で一番という状態が続いてたし、kintoneなど新規サービスの立ち上げとかにも関わったり、あと海外のデザイン会社と一緒に現地で海外向けのデザインを作ったりもしましたね。
gen :おお、なるほど。
kambe:今思えば本当に色々やらせてもらったなと。
そんなことを思っているときに、freeeからスカウトが来ました。
gen :お!ちなみにその時はすでにfreeeのことを知ってたんですか?
kambe:はい。前職で同じだった人が2人freeeに行っていたので知ってました。
gen :で、すぐに面接受けてみようとなった?
kambe:んー。その時、まだ子供が小さかったこともあり、そのうち(受けるかな)くらいの感じでした。
gen :ああ。じゃあ少し間が空いてからという感じですかね?
kambe:いえ、そしたらすごいグイグイ来て。
とりあえず一回会いましょうよと。
gen :当時はけっこう強引な感じだったんですね(笑)
kambe:「今は会うつもりないですよ」と答えたつもりだったんですが……
gen :熱意に押された形というか
kambe:はい。
gen :でも、もちろんいいなと思ったから転職したんですよね?
kambe:法律や業務に特化するところが難しそうで、「使いやすい」だけでなくてそこも守らないといけないところとか。
gen :それってkambeさんにとってはプラスなポイントなんでしょうか?
kambe:はい。面白そうだなと。会計なので、お金とかセンシティブで相談しにくいけど大事なところを扱うんですが、例えば必要な振り込みを勝手にシステムがやってくれると嬉しい、けど怖いということがあったり。
gen :分かります。完全にブラックボックスだと便利だけど、処理のロジックが分からなすぎて怖いことありますよね。
kambe:そうなんです。そのあたりをうまくデザインできると面白そうだなと。あと、freeeはまだシェアもこれからというタイミングだったので、サイボウズでの経験が活かせそうだと思いました。
意外となかったfreeeのギャップ。
gen :それでfreeeにジョインしたと。
入ってみて思ってたのと違う!となったポイントとかってありました?
kambe:――(ちょっと考える)。特に……。
gen :サイボウズからfreeeだと色々あるかなと思ったんですが、そうでもない?
kambe:想像以上に人が増えていくの早いなとは思いましたかね。それ以外はあまり。
gen :じゃあ割と苦労なく馴染めた感じですか?
kambe:サイボウズも僕が入った頃はまだ100人くらいの会社だったので、その時のことを思い出したりはしました。
人が増えていくとこういうことあるよね、とか。
gen :なるほど。サイボウズでもけっこう長く所属されてたこともあり、いろんなフェーズを見てきたわけですもんね。それなら納得です。
自分でなくてもいいと思っていた。
gen :kambeさんはfreeeに入って、もう何年目になるんでしたっけ?
kambe:7年越したところですかね。2015年の10月入社なので。
gen :じゃあ色々な仕事をしてきたと思うんですが、自分の中で「これだ!」という仕事を一つ教えてもらってもいいでしょうか。
kambe:(デザインチームを)デザイン事業本部にした、ということですかね。最初は開発組織の各開発チームにデザイン担当者がいる、という感じだったんですが、そこからファンクション組織にしていき今の事業本部という形にしたことがそうかなと。
gen :社内外に対してデザインが重要なものだと表現できる状態にできた、というところですかね?
kambe:はい。
gen :ファンクション組織にしていったのは、デザイナーがチームとしてまとまっていないことに課題感があったんですか?
kambe:始めから課題感があったというわけではないです。まだ全社で100人とかの規模だったので、それはそれでいいのかなと。
その後、freeeがスケールするのに合わせて組織づくりができたのかなと。
プロダクトも人も増えていくなかで、デザインがファンクション組織としてやっていく必要を感じてそこに取り組んできたつもりです。
gen :そういうムーブは入社時点でもう、freeeからの期待値としてあったんですか?
kambe:んー。どうなんでしょう。
入社のときにそういう期待値もあったのかな?
入ったときはプレイヤーで、2年目からプレイングマネージャーでした。
gen :へー、そうだったんですね。
kambe:いずれ誰かがやる必要があることなのかなとは思ってましたが、こんなに早くやるつもりはなかったし、自分でなくてもいいとも思ってました。
gen :なるほど。そこからなんでkambeさんがやることになったんですかね?
kambe:(自分のマネージャーに)お願いされたというのが大きいというのが正直なところです。
gen :話が来て最初はどう思ったんですか?
kambe:やんないといけないんでしょうね、と。
(freeeとしては)僕がやることがベストだと思って、そのお願いが来ている、ということだと思ったので。
じゃあそこに応えていくのがいいんじゃないのかなと。
gen :おお。いいですね。
「他にもっと向いてそうな人がいるのでは?」とかはなかったんですか?
kambe:思わなくはなかったですが、僕が思っていることくらいはもう検討されてるんだろうなと。それくらいの信頼感は持っていたので。
gen :なんかいい話ですね。
こだわりすぎない。
gen :ちょっとここで趣向を変えて、kambeさんを一言で表すなら?というのをここに書いてみてもらってもいいですか?(ホワイトボードを手渡す)
kambe:(けっこう悩む)
kambe:「変化」にしました。
gen :なんで「変化」なんでしょう?
kambe:こだわるところはこだわるんだが、こだわりすぎない、みたいなところですかね。
gen :ほう。
kambe:なんというか、変えていくべきところはきちんと変えていけると思っています。悪く言えば、言ってることが変わる、とも言えます。
gen :ああ、なんか思い当たる節があります(笑)。
kambe:それができているかは分かりませんが、少なくともそうありたいとは思っています。そのときのベストだと思っていることを言う、前言ったことに囚われすぎないようにするということです。
もっと多くの人に使ってもらうために。
gen :では、これからチャレンジしていきたいことについて教えてください。
kambe:freeeのプロダクトをもっと多くの人に使ってもらいたいです。
そのためには業務とかユーザーのことをよく理解しなければいけないし、業務に合わせた体験設計というものを突き詰めていきたいと思っています。
gen :それを実現するために必要なこと、足りない要素は何だと考えてますか?
kambe:色々足りてない……ですかね。
ただ、いきなり全部はできないので、まずはどこからやっていくのがいいのかを決める必要がある。
そこをもっとうまく決めていけるようになりたいです。
gen :その「色々」の中身って例えばどんなものがありそうですか?
kambe:まだ(デザイナーの)人数も足りてないですし、その人達に業務を深く知ってもらうためのインプットというか、そこが足りてないと思ってます。
gen :インプットというのは知識自体?それとも知識を得るための仕組みの話のことでしょうか?
kambe:両方ですかね。
自分で業務を体験すれば理解できるようなことでも、実担当者でないとなかなか体験できないようなこともあります。
ただ、そういう体験できないものも理解できるようにしていきたいです。
gen :たとえば?
kambe:給与振り込みとか法人税を納めるとか、ですかね。
gen :なるほど。
こんなデザイナーと働きたい。
gen :このインタビューはfreeeで働くことに興味がある人への参考になればという思いがきっかけなので、最後にkambeさんが思う「freeeで活躍してもらえそうなデザイナー像」もよかったらいくつか教えてください。
kambe:ひとつはまず、複雑な課題を解くのが好きな人は合ってるんじゃないかなと思います。
gen :kambeさん自身もfreeeに惹かれたポイントとして挙げてましたね。
他にもありますか?
kambe:課題を解くだけでなく課題自体の発生をなくそうと考えられる人。よく言う例だと、エラーの起こりやすいフォームがあったときに、フォームを入力しやすくするにはどうすれば、ではなくそもそも本当にそのフォーム本当にいるの?から考えられる人です。
gen :たしかに大事ですね。
kambe:あと、freeeのカルチャーでもある「アウトプット→思考」ができる人ですね。
やってみよう、作ってみようがあって、そこから考えられる人というか。
まだ必要な情報が足りなかったり、間違ったりしているかもしれないけど、今ならこんな形かなをまず作ってみることができる人だと思います。
gen :なるほど。今日は知らなかった話が色々と聞けてよかったです。
ありがとうございました!
お読みいただきありがとうございました。
freeeでデザインすることに興味がある方は、ぜひ採用サイトから募集一覧を眺めてみてください。
明日はonomさんからの記事が投稿される予定です。お楽しみに。
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