見出し画像

【マーケター向け】最新の生成AI事例を知り、事業活用するポイント(後編)

前編はこちらから:

 


AIR Designとは

島田: 少し簡単にAIR Designというサービス、私が携わっているサービスの紹介をさせていただければと思います。簡単に言いますと、刺さる広告をDATA×AIでデザインしていくサービスになっております。Web上の集客でお困りのお客様に対してDATAとAIを駆使してお困り事を解決していくという伴走型のサービスになっております。

島田: サービス開始からだいたい4年ぐらい経つのですが、800社以上のお客様にWebマーケティングのご支援をさせていただいております。

島田: 中身の説明を簡単にさせていただければと思います。特にマーケティング領域でいきますと、生成AIを活用できるポイントがものすごくたくさんあると私は考えております。マーケターの皆さんはいろいろなお困り事があると思いますが、それぞれに対して活用ができていくかなと思っています。

特にマーケターの皆さんは業務内容が多岐にわたりますので、すごく忙しいと思います。いろいろなものをつくらなければいけませんし、調査もしなければいけませんし、まとめなければいけませんし、レポートもしなければいけませんし、データ分析もしなければいけませんし、おそらくパンクされていらっしゃる方もたくさんいるのではないかと思っております。これがAIを使うことによって何が起きるかと言いますと、今までやりきれなかったことがAIを使うことによってできるようになるというのが結構ポイントかなと思っています。われわれのAIR Designというサービスはまさにそれを提供しているサービスになっております。

島田: どのようなプロセスでそういったことを提供させていただくかということをご紹介させていただきます。生成AIをかなりふんだんに使いますが、前提として生成AIも万能ではありませんので、まずわれわれはデータを徹底的に収集します。例えば競合他社のリスティングやバナー、LPの情報を大量に集めてきて、それを生成AIにかけます。また、ユーザーさんのWeb上の行動データを分析するデータ基盤というものを持っていますので、そこでしっかりとデータを集めて、どういう行動をしているのかをAIに学ばせるためのデータだけをまず集めます。それらを使ってAIをガンガン回していくというサービスになっています。

島田: 例えば先ほどの、集めたリスティングのデータをAIにかけるとこういう分析結果が出てくるというもの。行動データや広告データを解析して可能性のあるペルソナ像を大量に出し、そこから評価をつけて選別すること。このような、人だけではとてもやりきれない量の施策、でも本来はしなければいけなかったところをしっかり丁寧にこなしていく、そういったことをAIを使うことによってできるようになるというのが1つポイントかなと思っております。

島田: 何をつくるか、どのようなメッセージをユーザーに伝えていくかを考える際に必要となる仕組みをわれわれは持っています。さらに、それを具現化していくために画像生成AIを使います。つまり、良いクリエイティブを作っていくというところをすべてワンストップで提供できるサービスとなっています。

特に最近、先週ぐらいでしょうか、Midjourneyという有名な画像生成AIのサービスが大幅なアップデートを行いまして、社内でもかなり盛り上がりました。これはフォトグラファーの方が本当に廃業になってしまうのではないかというぐらいハイクオリティな、広告に適した画像を生成できるようになってきています。そういったところの研究開発もわれわれはおこなっておりまして、お客様自身が生成AIに詳しくなくても、われわれを通して生成AIを使っていけるようなサービスを提供させていただいております。

島田: 生成AIを使って本来おこないたかった質の高いPDCAをぐるぐる回していくことによって、マーケティングの集客を効率化して成果を上げていく仕組みを提供しているのがAIR Designというサービスになっております。

島田: 上のスライドに書いてあるようなことが、生成AIを使うことによって、かなり効率的に提供できるサービスでございます。


マーケターにとっての生成AI事例集の使い方(経験談)

島田: 私自身、先ほどシバタさんからご紹介のあった生成AI事例集を、実はかなり初期から、おそらく始めて数週間だと思いますが、実はユーザーでして、まさにそれを見ながらわれわれはサービス自体をブラッシュアップしていったという経緯があります。私がどのように使ったのかというのを簡単にご紹介させていただければと思っております。

島田: 私自身が感じているシバタさんの生成AI事例集の良い点を3点挙げさせていただきますと、まず1点目は、ご説明でもありましたが、網羅的であるということと、ジャンル分けされているというのがすごく良くて、あとからでも探しやすいなという感じです。「あのサービスって確かあれだったよな…」とうろ覚えでも、あとからたどれる構造になっているのですごく便利です。2点目は、サービスの説明ですね。おそらくほぼ全部だと思いますが、動画の紹介がついています。これはすごく便利で、時短で把握できるというのがすごく良いポイントだと思っています。3点目が、ここが私はすごく気に入っているポイントでして、サービスの差別化要因というのが全部の紹介事例にきちんと端的に書かれていまして、ここの質が非常に高いです。例えば1つ抜粋させてもらったのですが、「OrbyAIはドキュメント作業の自動化に際して、人間の判断を取り込むことができる点が際立っています。この機能により、単にルールに基づくものではなく、フィードバックや特定のケースに応じた調整が可能になるということがポイントです」というようなことが全部書かれています。これはサービスを把握する上ですごく便利です。こういった点がすごく良いなと思っています。

島田: われわれはどのように活用しているかと言いますと、当社はAIをいろいろな箇所で使ってお客様にサービス提供をしていますので、生成AIを組み込んだ社内ツールが結構たくさんありまして、それを日々エンジニアが開発しています。そのときにこういった生成AI事例集の例えば個別のUIやUX、機能を参考にしています。

また、先ほどシバタさんもおっしゃっていましたが、サービスカテゴリー内の全体の土地勘のようなものを把握するというのもすごくポイントだなと思っています。「このジャンルは、今はここはこのような機能ですが、俯瞰して見たときにみんなこの周辺領域に手を出し始めていますよね」というような全体感を把握する上でも、非常にサービス開発の参考としてすごく使いやすいポイントだと思っております。

私のパートは以上になります。ご清聴ありがとうございました。


質疑応答

三浦: 島田さん、ありがとうございました。このあと質疑応答に移らせていただければと思います。では、いただいている質問を順番に読み上げさせていただきます。


Q1: 生成AIはマーケティングの上流の設計にも使える?

1つ目、「マーケターの生成AI活用についての質問です。クリエイティブ制作や改善などは個別に何をつくりたいのか、具体的にイメージがあれば効率化できると思うのですが、そもそもの課題の特定や上流の設計に課題がある場合が多いと思います。その場合、生成AIが生かせる余地はあるのでしょうかというご質問です。こちらはお二方にご回答いただければと思います。シバタ様からお願いいたします。

シバタ: はい。ものすごく生成AIを使える余地があると思っていまして、先ほど島田さんからお話いただいた内容がまさにそれだと思います。今まで、生成AIができる前は、マーケターの人は、このランディングページのABテストをしてコンバージョンレートを上げようというようなことを必死におこなっていたと思います。あるいは、この広告のクリエイティブを5個つくってそれでABテストをして、どれが一番パフォーマンスが良いかといったことをしていたと思いますが、もうそのようなタスクはAIができてしまうわけです。ですから、イメージ的には、今まで平社員だった人がマネジャーのタスクをおこなうようになると良いと思います。マネジャーだった人は課長のタスクをおこなって、課長だった人は部長のタスクをするような感覚で、生成AIを使い倒して、そのぐらい1つ視野を上げてマーケティング活動をしていただくのが良いのかなと思っています。先ほどのAIR Designさんの例を見ていただくと分かると思いますが、ペルソナを何十個も自動的につくってくれるわけです。それに合わせたクリエイティブもつくれるわけですよね。今まで皆さんが担当していた業務の範囲を広げると言いますか、自分が1個上の役職になったつもりで見渡せるような感じで考えると、生成AIをより使い倒せるのではないかなと思いました。

三浦: ありがとうございます。島田さんからもぜひお願いします。

島田: 生成AIの使い方としては、上流工程にこそ使えるかなというのは私も同じ意見です。生成AIは、リサーチなどにもすごく長けています。マーケティングで使うときにキャッチコピーをつくることや、画像をつくることに目が行きがちですが、質の高い選択肢をテーブルの上に並べることが上流工程で結構求められることかなと思っています。まさにそのような使い方をするのが一番使いやすいポイントかなと思っていまして、われわれのサービスでもそういった使い方をかなり推奨して提供させていただいています。


Q2: 生成AI事例集で紹介するサービスは日本でも使えるのか?

三浦: ありがとうございます。続きまして、「事例集で紹介されたサービスは、現在、日本でも活用できるのでしょうか」といただいております。その次の質問と少し重複しますので2つ一緒にお答えいただきたいのですが、「生成AI事例集は、シリコンバレーのプロダクトが中心でしょうか。多産多死であることや日本で活用したい場合のローカライズなどを考えたときに、事例集をもとに日本での活用に向いたプロダクトの判別はできますか」というご質問です。よろしくお願いいたします。

シバタ: 日本で使えるかどうかで言いますと、おそらく大半のサービスは日本で使えると思います。でも、日本語で思ったような結果が出るかは分からないです。ただ、生成AIは扱う対象が文字の場合もあれば、画像や音、ソースコードの場合もありますよね。文字の場合はさすがに英語と日本語は多少違いますので、もしかすると日本語と英語で質の差が出てくるかもしれません。画像やソースコードは別に日本語も英語も関係ないと思いますので、英語のものを使っても大丈夫だと思います。


Q3: プログラミング以外に要件定義・設計・テストに生成AIは利用できる?

三浦: ありがとうございます。次の質問です。「システム開発での生成AIの活用事例としてプログラミングはよく聞きますが、別の作業、要件定義、設計、テストなどで活用できるようなサービスはありますか」といただいております。お願いします。

シバタ: これもコーディングだけではなくて、コーディングが生成AIとすごく相性が良いのは皆さんおそらくご存じだと思いますし、GitHub Copilotなどをすでに使っていらっしゃるエンジニアの方もたくさんいると思います。先ほど島田さんからお話いただいたように、質の良い選択肢の候補をたくさん出すということがすごく得意ですので、ここに書いてあるような要件定義や設計、テストも、実はかなり生成AIでできます。ですから、ものすごく相性は良いです。

島田: そうですね。特にテスト領域はかなりAIの活用が進んできているかなと思っています。それ専用のサービスや、日本発のサービスも結構あるかなと思っていますので。「ソフトウエアテストの生成AI」などで検索すると普通に日本のスタートアップの会社が出てくることが多いかな思います。また、要件定義はまさに超得意とする領域なのかなという気がしていますので、専門のサービスでなかったとしても、ChatGPTなどでも使える部分は結構あるかなと思ってます。


Q4: 登壇者の2人は実際にどのように日々生成AIを活用している?

三浦: ありがとうございます。次の質問です。「ご講演ありがとうございました。お2人にとってこの実務で生成AIをこう使うとすごく便利という使い方をご教示いただきたいです。具体的であればあるほどうれしいです」とのことです。シバタ様からお願いいたします。

シバタ: そうですね。いろいろ使っていますので、ChatGPTはわりと作文をするときには使いますね。というのと、あとは僕はZapierという、何かトリガーが起こったときに次のアクションをするというのといろいろ組み合わせて使っていまして、自作のZapier アプリが、Zapがたくさんありますね。要するに、いろいろなワークフローがありますよね。例えば、今、私はエンジェル投資をしていると先ほど話したと思いますが、月に50~100件Pitchが送られてくるわけです。これをきちんとスプレッドシートに入れてPitchチェックをある程度フォルダ内に整理しておかないと、あとで探せなくなってしまいます。こういう業務は、もちろんExcelに入力してファイルを保存するということをすればいいのですが、面倒くさいですよね。このような細かい毎日おこなっているようなタスクを、自分の中ではどんどんZapierと生成AIで自動化しています。

島田: 私は、マーケティングの領域で一番効果があるのではないかと思っている実務は、データ分析です。特にアクセス解析のデータは見づらかったり、いちいち加工しなければいけなかったりしますよね。マーケターの皆さんも結構大変だと思いますが、それを生成AIに入れて分析してくれと言いますと、本当に質の高い分析が出てきますので、まさにここはあまり語られていませんが、一番良いポイントではないかなと感じています。弊社では、例えばヒートマップ、LP内での行動データも全部AIに分析させていますが、人間が分析するよりもはるかにいろいろな観点が出てきたりしますので、すごく良いです。


Q5: 生成AI系のサービスは、裏側ではOpenAIのAPIを利用しているものが多いのか?

三浦: ありがとうございます。「生成AI事例集で紹介されているサービスは、裏側ではOpenAIのAPIを使われていることがほとんどですか」といただいております。シバタ様、お願いいたします。

シバタ: サービスによります。OpenAIのAPIを使っている会社も多いとは思いますが、LLMのところがコアなサービスはだいたい皆さん自社でLLMエンジン持っています。OpenAIのAPIは値段が高いというのと、OpenAIのAPIに依存するとプラットフォーム依存のリスクが相当大きいと皆さん考えますので、サービスのコアがどこにあるかにもよりますが、コアがわりとLLMのエンジンそのものにあるようなサービスの場合は、意外とみんな自分でオープンソースのものを改良して使ったりして大手に依存しないような構造にしています。


Q6: AIR Designは生成AI事例集で紹介されているサービスを国内用にカスタマイズして導入している?

三浦: ありがとうございます。それでは最後の質問、こちらは島田さん宛でしょうか、「活用事例集にある海外のスタートアップ企業のサービスをAIR Design社が国内用に加工して導入もしているという認識で合っていますでしょうか」といただいております。

島田: 合っていないです。私たちは私たちなりにサービスを開発しています。あくまでシバタさんが紹介されているのは海外のサービスで、それ単体で成立しているものですので。ただ、例えば画像生成AIでMidjourneyを使ってつくった画像をわれわれが提供するといったことはしています。また、われわれ自身もOpenAIのAPIを裏で一部使っていますが、海外サービスを国内向けにローカライズして提供しているのではなく、AIR Designは我々が独自でつくっているサービスになります。

三浦: ありがとうございます。では、こちらで以上とさせていただきます。本日はご参加いただきまして誠にありがとうございました。

島田: ありがとうございました。

シバタ: ありがとうございました。

(セミナー終了)

PR: シードファンドANOBAKAの「Generative AI特化創業支援ファンド」のアドバイザーをしています。生成AI分野の起業家の方、生成AI分野で投資をしたい企業の方は、ぜひANOBAKAまでご連絡ください。https://anobaka.jp/contact/

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?